米を洗わずに炊くアメリカ人。アメリカ人が知らない日本の常識とは?
これまでの米の炊き方は間違っていたのかもしれないというニュース記事に対して、アメリカ人の反応は様々でちょっとした議論になっています。
スポンサーリンクアメリカではお米を炊く場合に、事前に洗わず(研がず)、そのまま鍋やフライパンに米を入れて、沸騰させて炊き上げる方法が一般的なのですが、実はこの調理法だと、米に含まれている有害物質のヒ素が除去されずに残ってしまいます。
ヒ素が体内に入ると心臓疾患や糖尿病、がんのリスクを上げるとされており、北アイルランドのクイーンズ大学ベルファストが行った研究では、イギリスの米由来の食品のうち約58%に高いレベルのヒ素が含まれているとしています。
そのため、米Yahooで紹介された記事では、米に含まれるヒ素を除去するために米の5倍量の水を使って炊く調理法や、一晩お米を水に浸けてから、水が透明になるまで繰り返し洗ってから炊く調理法などが推奨されています。
特に一晩水に浸け、さらに5倍量の水で炊く調理法で米に含まれる有害物質(ヒ素を含む)を約80%も除去できる実験結果が得られているそうなので、これが一番効果的という事になります。ちなみに5倍量の水を使って炊く調理法では約50%の除去率としていますね。
ここで、何が議論になっているかというと、米が健康を害するというのであれば、「なぜ米を多く食べているアジア人や特に日本人はあんなに長生きをしているのか?」という事についてです。やはりアメリカ人からしたら米と言えばアジア(日本)というのはすぐに連想されるものなんですね。実際そうなので何も否定しませんが。
しかしながら、アメリカ人は知らないのです。
米を水に浸け置いてから、繰り返し水を研いでから炊くという調理法は日本人にとっては一般常識であるという事実に。 確かに、一晩浸けるまで置いている人は少ないと思いますし、5倍量の水で炊くのも通常ではあり得ないと思いますが、これらの調理法は特に真新しいものではないですよね?
実際に、日本の農林水産省でも食品中のヒ素についての調査が行われているのですが、通常の食生活であればヒ素の影響による健康被害は生じないとしています。
このページをよく読んでみると、実は米よりもヒジキについて言及してあるのが分かると思います。ヒジキについても日本人の平均的な摂取量からすると健康上問題になるような摂取量には達しないのが一般的であるとしていますね。
つまり、日本の農林水産省の見解では、食事によるヒ素の摂取は問題になるレベルではないというのが一貫した主張という事ですね。
しかしながら、海外では「問題あり」とするのが一般的になっており、EU圏では2016年から食品に含まれるヒ素の含有量について規制がかかるようになっています。スウェーデンでは6歳未満の乳幼児に米や米製品を与えないよう勧告されるぐらいです。
この辺はそれぞれの国の食文化とも関係してくる事柄ですので、何とも言えないのが実情です。
先ほどのスウェーデンを例にとっても、通常の食生活では米に含まれるヒ素は特に問題ないとしているぐらいですから。
EUが設定した規制についても健康リスクとは直接関係ない数値をとりあえず設定しているに過ぎず、「少ないに越した事はないでしょ?」的な規制のかけ方なんですよね。
まあ、諸外国よりも確実に米を多く摂取している日本で農林水産省が一般的な食生活では問題ないとしている事を踏まえると、バランスよく食べるってのが一番良さそうに思いますね。
あとは、水に浸ける時間を増やしてみたり、研ぎ方を入念にしたりで十分対策出来そうに思いますしね。アメリカ人にはあまり想像できないでしょうけど。