チェンソーマンとドロヘドロは似てる?画像比較まとめと考察
週刊少年ジャンプで連載の藤本タツキ先生の『チェンソーマン』はその所々のイメージが林田球先生の『ドロヘドロ』によく似ている気がするという事でそんな比較画像をまとめて考察してみました。
※ネタバレにつながるシーンも少々含まれますのでご注意ください。
※パクリとかそういう次元のお話をしているわけではなく、どちらの作品も好きなのでただの参考として。ただ雰囲気が似ているというだけでチョイスした比較画像なのでこじつけだらけです。
スポンサーリンクスーツとスニーカー
1.白ワイシャツ、黒ネクタイ、黒スラックスにスニーカー
『チェンソーマン』の主人公デンジは変身するとチェンソーの悪魔になるわけですが、大抵戦っている時の格好はピシッとした服装にゴツめのスニーカーというスタイル。
一方『ドロヘドロ』では魔法使いの世界で絶大な権力を持っている煙ファミリーの掃除屋(殺し屋)として登場するメインキャラクターの一人である心(しん)の格好がスーツにゴツめスニーカーというスタイル。
上のコマで左手に金槌を持っているように武器に金槌を使うキャラクターの心ですが『チェンソーマン』ではこんなシーンが出て来ますよね。
とはいってもデンジの武器はチェンソーであって、このシーンは例外といった感じですが。
こういったフィクションでシンボルのように登場するスーツに黒ネクタイという服装は大抵が、
- 組織に属している証 (制服=没個性・統制)
- 喪服を連想させる
- プロフェッショナル
を演出するものだったりしますが、
映画だと『メン・イン・ブラック』『マトリックス』『レザボア・ドッグス』などが該当。日本のコミックでも『名探偵コナン』の黒の組織(黒ずくめの男たち)などが有名。
逆に一匹狼のプロの場合でも『トランスポーター』『ジョン・ウィック』などが採用していますよね。
これに倣って『チェンソーマン』では公安対魔特異課に所属しているキャラクターが制服として着用していますし、
『ドロヘドロ』では煙ファミリーの殺し屋という事でこんな服装を採用しているんでしょうね。
そして例に挙げた作品群と違ってユニークな点は、そこにゴツめのスニーカーやバッシュを合わせることで足元だけあえて外しているという点。
スーツの没個性的なイメージに自分なりの個性を出すという点で小道具演出。
悪魔の角
2. ヒロインキャラの性格や角
『チェンソーマン』で主人公のバディ(相棒)として登場するパワー(ちゃん)は2本の角が生えた血の魔人。性格設定は傍若無人でわがまま放題で良く言えば天真爛漫。
一方で『ドロヘドロ』では作中のヒロインであるニカイドウ(二階堂)が魔力を高める為に悪魔試験用の修行を行うシーンが出て来ますが“悪魔化”が進むと角が生えるという設定。
さらに悪魔化が進むと今度は尻尾が追加されてより悪魔的な見た目に。
こうなると行動や性格が一変して、突然の暴力的な行動・歯に衣着せぬ物言い・ポジティブ・クリエイティブなパーソナリティに。
『チェンソーマン』では血を飲み過ぎたことで角が伸びたり数が増えてしまうパワーの描写が登場しますよね。
マキマよると「今よりも恐ろしくて傲慢な悪魔になっちゃう」との事。
悪魔については多くの作品で傲慢・支配欲・暴力的というパーソナリティを持っていたりで、悪魔と言えばこんな性格になるのが当然といえば当然。
スポンサーリンクバディ作品として
3. 男女バディとパートナー
先ほども少し触れていますが『チェンソーマン』では相棒を“バディ”と表現して主人公たちは男女ペア(パワーは容姿が女性なので一応)で行動する事が多いですよね。
『ドロヘドロ』では魔法使いの世界において相棒を“パートナー”と表現し、ペアで契約をするという設定があり、
煙ファミリーの掃除屋(殺し屋)で先輩後輩の間柄で男女パートナーを組んでいるのが心(しん)と能井(のい)。
主人公格のキャラ2人はパートナーとして契約しているわけではありませんが、友人同士の男女ペアで一緒に行動するのが常だったり。『ドロヘドロ』の主人公であるトカゲ頭のカイマンとニカイドウ。
男同士のバディものはフィクションでは定番の設定ですが、男女バディとなると一番有名なのがボニー&クライドになるでしょうか。実在した大犯罪者カップルの数奇な人生は映画の題材になったりとネタ元になる事が多いですよね。
あとはSFとFBI捜査官の組み合わせの妙が生きる大ヒット作『X-ファイル』が男女バディものでは真っ先に思い出されます。スカリー&モルダーのコンビはあまりにも有名。
ただしこの“男女バディ”について海外作品の場合は、登場キャラクターの性別のバランスをとるために男の主人公にはあえて女性の上司をつけたりするキャスティングもあるのでややこしい所。
海外だとこれにさらに人種が絡んでくるので余計にややこしくなりますしね。メイン所のキャラクターに白人男性ばかりを起用すると白人至上主義、女性蔑視の作品と大批判を食らう時代ですから。
個人的に男女バディ作品は異性によるちょっとしたズレがありつつも絶妙のコンビとして成立させる演出が肝になると思っているので好きな設定。
特に『チェンソーマン』や『ドロヘドロ』のように戦闘シーンがガンガン出てくるアクションものだと女性キャラの戦闘力をどうやってバランスさせるのかがポイントになると思いますが、
『チェンソーマン』では性別を度外視して、パワーはあくまで女性の容姿をした血の魔人という設定でクリアしていますし、
『ドロヘドロ』では能井をボディビルダー級のマッチョで性格も男っぽいキャラとして描き、ニカイドウにしても線の細いタイプではなく筋肉質で運動能力の高い格闘家キャラに仕立ててクリアしていますよね。
その他
かなり無理やり考察っぽく書いてきたところで、この辺からはただの適当なこじつけシリーズ。
・ドア
『チェンソーマン』ではデンジがいつも見る夢にドアの描写が出て来ますが、
『ドロヘドロ』では魔法使いの世界と人間の住むホールと呼ばれる場所をつなげる重要なアイテムとしてドアが繰り返し登場。
・十字マーク
先ほどのデンジのドアの前には謎の十字マークが入ったフタのようなものが落ちていますが、
『ドロヘドロ』では十字マークはホールを象徴する形とされていたり。
・不敵な笑み
デンジのキャラ画像として登場するコチラのカット。首輪にネクタイ姿が印象的ですが、マキマの「人として私に飼われるか」「返事は『はい』か『ワン』だけ」「使えない公安の犬は安楽死」といったセリフ群が象徴的。
一方で『ドロヘドロ』の登場キャラクター、十字目のボスではこんな感じのカットがあったり。
・カース
『チェーンソーマン』早川アキが契約している呪いの悪魔をアキはカース(curse=呪い)と呼んでいますが、
『ドロヘドロ』では登場キャラクターの栗鼠の魔法としてカースが登場。
呪いの悪魔は相手を3回攻撃する(刺す)と自らの寿命と引き換えに呪い殺す能力が発動しますが、栗鼠のカースは受けた攻撃を相手にそのまま返したり、自分を殺した相手に呪いをかけ、どこまでも追いかけて全てを奪う(命や持ち物など全て)能力なので性質はかなり異なっていますね。
ちなみに呪いの悪魔の力が込められているアキの武器は釘型の刀になっていますが、おそらく丑の刻参りのイメージからでしょうか。
スポンサーリンク・サメ
『ドロヘドロ』では登場キャラクター、恵比寿がサメの被り物をするシーンがあったり。
・雨
『チェンソーマン』では雨が降って来るシーンでデンジが「ギャー!逃げろー!」と言って慌てて避難しようとする姿が描かれていますが、よく考えると謎シーン。
特に雨を嫌がるという設定は無いような気がしますし、大げさすぎるこのリアクションはちょっとした違和感。そういう作風とも言えるので何とも言えませんが。
一方で『ドロヘドロ』の世界では雨(黒い雨)は有毒という設定があるので、雨に打たれ続けると死に至ったり雨の日は体調を崩したり。
・ギョーザ
『チェンソーマン』の食事シーンでスッと差し込まれるギョーザのワンカット。
『ドロヘドロ』はある意味“ギョーザマンガ”とも言えるほどにギョーザネタが多用されるので作品には欠かせない要素。
両作品とも食べ物に関しての描写はかなり細かい印象なので、どちらの作者も食事シーンはかなり気合が入っていますよね。
結局似ている・・・?
色々書いていますが、私の見解では、
同じ設定を使った作品なので多少似るのは普通で、作品性などを加味すると似ていない
というのが結論です。
悪魔、バディもの、バトル系と設定の部分で両作品とも被る所があるので、そりゃイメージが似てくるのはしょうがないですが、『チェンソーマン』ではジャンプ系では王道の迫力あるバトルシーンもしっかり描いている一方で『ドロヘドロ』ではバトルシーンをそんなに見せ場にはしていなかったり。
他にも『チェンソーマン』で重要な恋愛要素は『ドロヘドロ』では皆無。特に『チェンソーマン』で描かれるのはかなり“歪な”恋愛要素なのでかなり特徴的。
という事で以上、両作品の画像比較と考察についてでした。