筋トレとランニングの関係性。走る事は良い?悪い?そのメリットとデメリット
普段、筋トレを行っている人の中でも、ランニングをトレーニングメニューに取り入れているかどうかは人それぞれで、全く走らない人もいれば、定期的に長距離ランをこなしてその効果を得ているという人もいる事でしょう。
では筋トレとランニングにはどのような関係性があるのでしょうか。そのメリットとデメリットについてご紹介します。
筋トレとランニングの相性は良いのか?悪いのか?その疑問のヒントになれば幸いです。
スポンサーリンク目次
ランニングのメリット
ランニングは有酸素運動の代表格のようなエクササイズなので、体脂肪を燃焼するという効果で言えば確実にメリットと言えますが、それでは当然の答えになってしまいますので、ここではその他のメリットについて論じてみます。
心肺機能の強化
ランニングを行う事で向上する能力としては心肺機能の強化が挙げられます。
それはすなわち、心臓がより速く、より多くの血液を全身に送り込めるようになると言う意味で、身体的なパフォーマンスを底上げする効果は極めて高いと言えそうです。
これは筋トレにとってもメリットがあり、心肺機能が向上した結果として、血液循環が促進され、筋肉に必要な栄養素や酸素が素早く運ばれるという効果が期待できます。
いわば、車のエンジンを強化すると自然と馬力も上がるような感覚に近いと言えますね。
エストロゲン分泌を抑える
筋肉を大きくする上で、大きな壁として女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の存在が上げられますが、エストロゲンレベルが上昇すると、体脂肪の増加、モチベーションの低下などの弊害が起こる事が知られています。
これらの悪影響は筋トレにマイナスに作用するため筋肥大の事を思えば、エストロゲンは大敵と言えます。
そんな時、ランニングにはエストロゲンレベルを下げる効果がある事が分かっています。
実は男性におけるエストロゲンの発生要因は体脂肪にあり、ランニングによってこの体脂肪を減らす事で、エストロゲンレベルを効果的に下げられると言われています。
また、ランニングは体内のホルモンバランスに作用し、直接エストロゲンの分泌を抑制する効果も期待出来るため、体脂肪燃焼と合わせて考えると、エストロゲン分泌を抑えるにはランニングが効果的であると言えます。
スポンサーリンク睡眠の質
ノースウェスタン大学で行われた研究によると、習慣的なランニングなどの有酸素運動は睡眠の質にプラスに作用する事が明らかになっており、6週間以上に渡って定期的にランニングをするケースにおいて、質の良い睡眠を取るために効果的に働くことが示唆されています。
質の良い睡眠は筋トレにとっても健康的な生活という意味においてもメリットになる事は明らかです。
別記事にも紹介している通り、睡眠中は筋肉を成長させる男性ホルモンであるテストステロンの分泌が増えるというデータもありますので、定期的なランニングは筋トレにとって大きなプラスになりると言えますね。
メンタル面の強化
筋トレは日々の努力を続ける事が重要で、メンタル面の充実は筋トレの効果に直結しますが、ランニングはメンタル面の強化を図れるという効果が期待できます。
リズミカルな運動は精神的な安定をもたらす事が分かっていますので、リフレッシュという意味でもランニングは筋トレにとって良い影響があると言えます。
脚部の筋トレの一環として
ランニングは筋トレのメニューとしても効果的で、スクワットなどのメニューでは鍛えにくい箇所にも刺激を与えられるという意味では、筋トレとしてランニングを行うという選択肢は有効です。
ランニングによって成長した筋肉は、その他のウェイトトレーニング時にも体を安定させるために有利に働きますので、他の筋トレメニューへの良い効果も期待できます。
メリットだけではなくデメリットも
ここまではランニングが筋トレに与える良い影響についてご紹介しましたが、良い面ではなく、悪影響も存在していますので、しっかりと頭に入れておきましょう。
また、その悪影響を回避する方法についてもご紹介します。
スポンサーリンク栄養素の不足
ランニングは筋トレに悪いと言われる主な理由は栄養素の不足によるものと言われており、ランニングをすればするほど、体内のグリコーゲンやミネラルを大量に消費し、たんぱく質を分解していき、結果的に筋肉を痩せさせます。
長時間のランニングが習慣になると、慢性的に体内の栄養素が不足し、筋肉が成長するだけの余裕が無くなってしまうという事ですね。
脱水症状
体内の水分不足も筋トレにとっては大敵となります。ランニングは脱水症状を引き起こしやすく、かなりこまめに水分補給を行わない限りは、誰しもが脱水症状の傾向となり得ます。
脱水症状が進行すると、強い疲労感をもたらし、筋肉のパフォーマンス自体も低下させます。また、筋肉から水分が抜ける事によって筋肉がしぼみ、筋肉を構成するアクチン・ミオシン繊維の成長を阻害します。
筋肉の構成比の変化
瞬発力を主に鍛えるアスリートと持久力を主に鍛えるアスリートでは筋肉の構成内容を比較すると大きな違いがある事が知られていますが、これは俗に言う速筋(主にアクチン・ミオシン繊維)、遅筋(主にミトコンドリア)の構成比率の違いによるものです。
筋肉の細胞はゆっくりと肥大していくのですが、ランニングを行えば行うほど筋肉中の遅筋(ミトコンドリア)の必要性が高まり、筋肉の構成比率が遅筋に傾きます。これは筋肉の肥大という意味ではマイナスに働きます。
テストステロンの減少
いくつかの研究によって長時間に及ぶランニングは男性ホルモンであるテストステロンの分泌量を抑える働きがある事が分かっています。
この「長時間」というのがどの程度なのかが気になる所ですが研究によると「1時間30分から2時間」が限度と言えそうです。
この長時間のランニングにならないのであれば、むしろテストステロンの分泌を増進する効果があると言われていますので筋トレのためにランニングを行う場合は45分程度で十分です。
頻度としては週4回を超えないのが限度ですね。
筋トレとランニングの両立
以上の事を踏まえると、筋トレとランニングの相性は良いと言えそうです。ただし注意書き付きです。
ランニングによる筋トレへの悪影響を抑えるには、以下の点をしっかりと押さえておきましょう。
- グリコーゲン、たんぱく質、ミネラルの補給を十分に行う。
- 水分の摂取をこまめに行う。
- 1時間30分を限度として45分程度のランニングが適正。
- 頻度は週4回を超えないように。
いかがでしたでしょうか?これを見れば筋トレとランニングは決して水と油のような関係ではないと言う事が分かったのではないでしょうか。
実際にプロのボディビルダーには毎日約10kmのランニングを日課としている選手もいるほどですから、この二つは決して両立できないものではありません。
メリットやデメリットをしっかりと理解しつつ上手く利用してみてください。
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