野球のストライク、ボール、アウトの本来の意味・語源は?チコちゃんに叱られる
21年3月26日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『野球のストライクってなに?』という疑問。カウントのストライク、ボール、アウトの言葉の由来とは一体何なのでしょうか?実は“審判の不満”がそのきっかけだったそうですが、それには現在とは大きく違う野球というスポーツの概念自体も関係していたりして。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】大竹まことさん、生見愛瑠(めるる)
【VTRゲスト】厚切りジェイソン、モーリー・ロバートソン、チャド・マレーン
野球のストライクってなに?
2問目の指名は、
この中で一番、スポーツ観戦が似合うステキな大人ってだーれ?
回答者は大竹まことさんに。
野球の話題を出すチコちゃんですが、チコちゃんの疑問は、
野球のストライクってなに?
昔はキャッチャーの代わりに何かに当てていたからストライクという答えの大竹まことさんですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
というわけでチコちゃんの答えは、
審判の不満の声
解説は名城大学の鈴村裕輔准教授。この番組で野球関連の疑問ではお馴染の先生。
そもそもストライクとは日本語訳すると「打つ」という意味ですが、
球審が言うストライクとは「打て!」という意味。
現在の野球のルールの基礎は1845年にアメリカで誕生し、その時のルールではピッチャーはソフトボールのように下手投げ。
しかも打ちやすいようにバッターがリクエストしたコースにそのまま投げるというもの。
つまり「打つのが前提」のスポーツだったわけですね。
となると打たずに見送った球に関しては審判がいちいち判定する必要は無かったという事。
その為に審判はキャッチャーの真後ろでは無く、少し離れた所に立っていたそう。
ところが野球人気の高まりで野球チームが増えてくると選手の意識も変化して行き、審判もストライク判定する必要に迫られることに。
ここで、NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場「グラウンドの中心で打て!と叫ぶ ~ストライク誕生物語~」スタート。
審判役は厚切りジェイソン。
1845年~1856年までのルールでは21点先取したチームが勝利していたため、得点が入らないと試合が長引いてしまっていたそう。
その為、審判の重要な役割がスムーズな試合進行。どんどん得点をとってもらうのが手っ取り早い解決策ですよね。
ところがここで「どうしてもヒットを打ちたいバッター」としてモーリー・ロバートソンが登場。
実は奥さんに「ヒットが打てないと晩ご飯は抜き」とキツく言われていたというこのバッター。
当時のルールに従って、自分が打ちやすいコースを指定していざ勝負。
ピッチャー役のチャド・マレーンも頑張ってリクエスト通りのボールを投げますが、
かなり選り好みするバッターはなかなかボールに手を出さずにいたずらに時が流れる事に。
この頃のルールは空振りを3回するとアウトになって打者交代していた一方で、見送りの場合は特に決まりは無かったんだとか。
つまりピッチャーのボールが気に食わなければいつまでも見送っても良いし、特にそれに対してペナルティも無いというおおらかなルール。
スポンサーリンクここで業を煮やしたのは審判。
傍から見ると打ちやすそうなボールがどんどん来ているのに一向に打とうとしないバッターに対して、
「いい球だから打て!(英訳:Good ball, strike!)」
と不満が爆発。これがストライク誕生の瞬間。
いつまでも打たずに見送りを続けるバッターに対して「いい球だから打て!」と言った審判の不満の声がきっかけで生まれたルールだったんですね。
こうして1858年には絶好球を打たない打者に「グッドボール、ストライク」と忠告するようにルール改定。
それから時が経ち、カウントの「ボール」についても誕生する事に。
NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場「グラウンドの中心でズルい!と叫ぶ ~ボール誕生物語~」スタート。
場面はガラリと変わって、血気盛んなピッチャーがマウンドに。
「打たせたくないピッチャー」チャド・マレーン。
ルールに従ってコースを指定するバッターの一方で、実際に投げられた球というのがバッターのリクエストを無視した悪球。
打たれなければ負けないという今の野球からしたら当然の戦略をとったピッチャーのこのプレーぶり。
こうなるとまたしても審判の出番。
「お前が投げる球はバッターが打てないズルい球だ!英語で言うとUnfair ball!」
いつまでも打ちやすい球を投げようとしないピッチャーに対して「アンフェアボール」と忠告した事でカウントの「ボール」が誕生。
これが1863年なのでストライク誕生の5年遅れでボールが誕生。
こうしてストライクとボールは誕生したものの、お互いに「打たれたくない」「打ちたい」という気持ちが交錯し試合は泥沼化
結果、日没までに決着がつかない泥試合が増える事に。
そこでルールによってこれをコントロールする為に、アンフェアボール9球で1塁進塁というルールが生まれ、これが後に4球で進塁という現在の形に。つまり現在のフォアボールですね。
また、3球いい球を見送るか空振りする事でアウトになる三振というルールも制定。
こうして打つのが当たり前というスポーツだった野球はピッチャーとバッターの駆け引きを楽しむスポーツに変化。
ちなみに妻に釘を刺されていたあの「打ちたい」バッターの彼は凡退しちゃったそうですが。
というわけでコチラが結論。
野球のストライクは審判の不満の声
でした。
忘れられない一球は?という質問には「怪物江川が引退するきっかけとなった広島カープ小早川への一球です。」とチコちゃん。
若いバッターに対して渾身のストレートを投げたものの、簡単にホームランにされた事で引退を決意したという。
最後に「アウト」の言葉の語源も補足。
元々、ストライクやボールよりも先にアウトのルールは存在していて、審判が選手に「これ以上プレー出来ないのでフィールドから出ていきなさい」という意味でアウトと言っていたのだとか。
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