NHKあさイチ 発酵食品ではなく発酵性食物繊維で腸活?効果的な食べ方&スペシャルレシピ
21年6月7日放送のNHK「あさイチ 大注目“発酵性食物繊維”で持続可能な腸活を」では腸内で発酵を促す発酵性食物繊維を特集。血糖値が下がり、やせ体質になった上で免疫もアップすると良いこと尽くめという発酵性食物繊維を活用した腸活レシピや腸活エクササイズなどまとめてご紹介。出産を経て便秘、体重増加に悩む菊地亜美が10日間の発酵性食物繊維生活で検証した結果は?
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発酵性食物繊維で腸活
代表的な発酵性食物繊維は、
- 野菜 – 玉ねぎ、にんにくなど
- 根菜類 – ごぼう、ニンジンなど
- 果物 – バナナ、キウイなど
- 豆類 – 大豆など
- 穀物 – 大麦、玄米、オートミール、小麦ふすま(例:ケロッグのオールブラン)、全粒粉パンなど
食物繊維=野菜とイメージしがちですが、意外と野菜には発酵性食物繊維はあまり含まれていないとか。
※海藻類に含まれる食物繊維は発酵させることが出来る人と出来ない人に分かれ、日本人は比較的多くの人が発酵できる人になるそうですが今回は除外
そして、これらの発酵性食物繊維が体内に入ると、
腸内で普段はお休みしている善玉菌たちを目覚めさせる効果があり、
その結果、生成されるのが短鎖脂肪酸という物質。
短鎖脂肪酸には「肥満を防ぐ」「血糖値を下げる」「免疫機能の正常化」といった効果があるので腸活の強い味方になるというわけですね。
そもそも肥満とは脂肪細胞が血中を流れる脂肪などを取り込み続ける事で細胞自体が大きくなってしまう現象の事。
しかし腸から吸収された短鎖脂肪酸が血流にのって全身に巡ると、脂肪細胞に働きかけて適正なバランスをとるように指令を出し、脂肪の取り込みをセーブするように変化。
さらに短鎖脂肪酸は全身の筋肉に働きかけてエネルギーの消費を高める指令も出すので脂肪が燃えやすい体に。
また、短鎖脂肪酸には満腹感を持続させる効果(食欲抑制効果)、血糖値を下げるインスリンの分泌を早めて血糖値の上昇を緩やかにしたりと嬉しい効果がいっぱい。
講師役でスタジオに登場の大妻女子大学教授の青江誠一郎先生によると、
「毎日ヨーグルトなどの発酵食品を食べて腸活はしっかりやっている」という人にこそしっかり取り入れて欲しいのが善玉菌のエサになる発酵性食物繊維との事。
ビフィズス菌などの乳酸菌を外から入れてやるだけではなく、元々腸にいる善玉菌たちに働きかける方がより長い期間に渡って腸活効果が狙えるというわけですね。
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腸内に棲みついている善玉菌というは腸の入り口、中間あたり、出口など様々な箇所に分かれて存在しているので、腸内全体にエサを行き渡らせてあげる必要があり、さらにはそれぞれ好むエサも異なるそうなので、色んな発酵性食物繊維を組み合わせて取り入れるのがポイント。
腸内の場所別にどの発酵性食物繊維が効くのかを見てみると、
- 入り口付近 – 玉ねぎ、ごぼう、大豆
- 中間付近 – キウイ、オートミール、バナナ、大麦
- 出口付近 – 小麦ふすま、全粒穀物 、玄米、大麦
これらをバランスよく摂る事で腸全体の菌たちをまんべんなく活性化する事が出来るわけですね。
特に腸の出口付近に存在する菌たちは「酪酸」という物質を放出しますが、この酢酸は腸の免疫細胞にとってプラス。
そもそも免疫細胞はウイルスや寄生虫などの外敵に対して炎症物質を放出して対抗しているもの。
ただ、この炎症物質は過剰に出されたり、外敵がいなくなってもいつまでも放出されたりして腸自体にダメージが及ぶこともしばしば。これで起こる症状の一つがアレルギー反応。
こういった暴走した免疫細胞のブレーキ役になるのが制御性T細胞なのですが、この細胞は実は酢酸によって増えるとの事。
腸の出口付近に存在して酪酸を生み出してくれる善玉菌たちは欧米に比べて日本人はもともと持っている人が多いそうで、これは有効活用しないと損ですよね。
こういった菌に効いているのは小麦ふすまや全粒穀物に含まれるアラビノキシランという名前の発酵性食物繊維との事。
ちなみに腸内の善玉菌というのは出産時に母親から子に受け継がれるものなので、子世代、孫世代とどんどん継承されるもの。長寿の家系などといわれるのはこういった理由も一つだったりして。
アラビノキシランは穀物に多く含まれるものなので、糖質制限などで穀物の摂取量が減るのはあまり好ましい事では無く、腸内環境がかえって悪くなっているのではないかと青江先生。
中性脂肪が多くで小麦粉の摂取を控えるように医師から言われている人でも、小麦ふすまは血糖値の上昇を緩やかにしてくれる効果もあるので、主食を置き換えるなどして取り入れるべきとも。
菊地亜美のスペシャルレシピ生活
元々、体質的にひどい便秘症に悩んでいたわけではないそうですが、出産を経てからは、
便秘とお腹が緩くなるという対照的な状態を交互に繰り返すようになってしまったとか。
子育てと家事に奔走する毎日を送っている事もあって、自分の食事に気を遣っていられない(例:食事回数を減らしてまとめて食べる)という悩みもあって今回は一念発起して青江先生の指導の下で発酵性食物繊維を使った腸活生活に挑戦する事に。
腸活の前に便中の短鎖脂肪酸の量を調べてみると、
健康な人に比べて半分以下の量という数値に。
これは善玉菌のエサが足りていない証拠だそう。
そこでまず青江先生が紹介した朝食用スペシャルレシピは「発酵性食物繊維がとれるスペシャルボウル」。
作り方は、
- オートミール 15g
- キウイ 1/2
- 小麦ふすまのシリアル(ケロッグのオールブランなど) 15g
- ヨーグルト 100g
を混ぜるだけという簡単レシピ。※ハチミツがけにしてもOK
キウイはバナナやリンゴのパターンにしても良いと青江先生。
パンやご飯などの主食をこのスペシャルレシピに置き換えるのがおすすめとの事。
朝食で摂る事で4時間後から腸内で発酵が始まり、その後10時間ほど発酵が続くので、発酵性食物繊維を食べるタイミングとしては朝食が一番理想的と青江先生。
朝食後4時間辺りにオートミールやキウイが初めに発酵スタートし、そこから時間が経って10時間後辺りになると今度は小麦ふすまが発酵ピークに。こうする事で善玉菌の活動が盛んな時間帯を出来るだけ長く延ばす事が出来ると。
というわけで10日間に渡って自身の状態を観察してみると、
腸活生活3日目には朝起きてすぐにトイレに直行してスルンと快便という変化が。
そして10日間チャレンジの結果は、
また、他に運動なども特にせずに1.5kgほどのダイエットにも成功したとか。
青江先生によると、元々お腹にいた善玉菌が眠っている状態だったのが、腸の奥まで発酵性食物繊維が届いた事で眠っていた善玉菌が働き出したと検証結果に満足そう。
ちなみにオートミールという響きに「健康食品っぽいので味は不味そう…」とちょっと不安だった菊地亜美さんですが、食べてみると美味しくて苦も無く続けられたとの事。
全粒穀物のおすすめレシピ
酪酸を作ってくれる善玉菌には全粒穀物に含まれるアラビノキシランが重要になって来るという事で、
全粒穀物を使ったおすすめのレシピも2つご紹介。
- 全粒粉パンのさば缶サンド
- 小麦ふすまのおやつ
- さばの水煮缶40gに缶の汁大さじ1、玄米フレーク10gを加えて水気が無くなるまでしっかり混ぜる
- マヨネーズ大さじ2を加えてサンドイッチの具材完成
- 6枚切り全粒粉食パン1枚をトーストして半分にカットし、練りがらしを塗る
- 水菜とサバ具材を乗せてパンでサンドしたら完成
- 小麦ふすまシリアル20gにカレー粉小さじ1/2、ごま油小さじ1と1/2、粉チーズ小さじ1、塩ひとつまみを加えて混ぜるだけで完成
- 一日置くと旨味がさらにアップ
小麦ふすまシリアル20gで酪酸を出すために必要なアラビノキシランの一日量はまかなえるとの事。※玄米ご飯1杯分に相当
他のレシピとしては白米+もち麦(大麦)を混ぜて炊くご飯などもおすすめ。
過敏性大腸などでお腹を下しやすい人や、全粒穀物のような腸の奥深くでゆっくり発酵する食物繊維であれば問題は起きにくいと青江先生。
それでも反応してしまう人は量を減らして対応しましょうというアドバイスも。
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さらにバランスよく発酵性食物繊維が摂れるスペシャルレシピは、
作り方は、
- にんにく小さじ1をすり下ろし、オリーブオイル大さじ1/2を加えて鍋に入れて中火にかけて香り出し
- 塩水で解凍したシーフードミックス100g、塩ひとつまみ、コショウ適量を加えて炒める
- 魚介に火が通ったら鍋から取り出し、残った油にさらにオリーブオイル大さじ1/2を足して玉ねぎ50gをさっと炒める
- 水400ml、コンソメスープの素小さじ1、大麦(もち麦)50gを加えて中火に
- グツグツしだしたら弱火にしてフタはしないまま15分煮込む
- 15分後に中火にして水分を飛ばしてトロミをつけ、小麦粉大さじ1と1/2、豆乳50mlを加えてダマにならないように加熱しながら混ぜてホワイトソース完成
- ホワイトソースに味噌小さじ2、取り出しておいた魚介、コショウ適量で味付け
- 耐熱皿に入れてピザ用チーズ40~50gをまぶしてトースターで約5分焦げ目がつくまで
- 砕いて乾煎りした玄米フレーク10gをまぶし、パセリも散らして完成
チューブタイプよりも生にんにくの方が食物繊維量は数倍多く、より効果的。
バターに含まれる動物性の脂肪が腸内環境を悪化させる可能性があるので今回のレシピでバターは不使用。
グラタンによく使われるマカロニを大麦に置き換えたり、バター、牛乳不使用などもあってカロリーも30%オフに。
これを主食代わりにするのがおすすめと青江先生。
含まれる発酵性食物繊維をそれぞれ細かく見てみると、
- 腸の入り口付近 – にんにく、玉ねぎ、豆乳、味噌
- 腸の真ん中付近 – もち麦
- 腸の出口付近 – もち麦、味噌、玄米フレーク
発酵性食物繊維は離乳食を始めた頃のお子さんからでも積極的に食べてOKだそうですが、食べる量は大人に比べて減らしてやるのがポイント。1000キロカロリーにつき10gを一つの目安に。
もしお腹を下してしまったりという事があった場合や様子を見て量を減らしたり、一回の食事で食べ過ぎないように分けて食べたり、火を良く通すようにする工夫で対応を。
スポンサーリンク腸活エクササイズ
腸活エクササイズを指導してくれるのは医師の小林暁子先生。
腸の構造上、重力に逆らって下から上に便が動く場所(腸の入り口付近)や、便を貯める場所(腸の出口付近)になっている箇所などは便が残りやすい所なのでそういった部分を改善する為にも腸活エクササイズは必要と小林先生。
エクササイズを行う時間帯は夜。
お腹の張りに悩みのある方や、腸が動き過ぎてお腹が緩くなるという方にもおすすめ。
まずは腸活エクササイズのウォーミングアップから。
必要なのはイスとバスタオルをクルクルと丸めてソフトな筒状にしたもの。
※お腹が張っている人は三つ折りにして厚みを薄めに調整
腸活ウォーミングアップの手順は、
- イスに座って丸めたバスタオルをお腹の前に置く
- 4秒かけて息を吸い、8秒かけて息を吐きながら上半身を丸める※痛気持ち良いと感じる所までで止める
- 自然な呼吸に戻して10秒間体を丸めたままキープ
- 10回ほど繰り返す
続いて大腸の入り口付近を刺激する腸活エクササイズへ。
やり方は、
続いて大腸の出口付近を刺激する為にタオルを左足の股関節部分に置いて同様に。
※妊娠中やお腹に疾患のある方は医師に相談するか無理をしないように要注意!!
腸を手でもみ込むようなマッサージよりも、力加減などが分かりやすくて楽なのでコチラの丸めたタオルを挟んで体を倒すやり方の方がおすすめと小林先生。
続いて寝た状態で行う腸活エクササイズへ。
やり方は、
- 腰に丸めたバスタオルを置き、ゆっくりと息を吐きながら体を倒して仰向けになる
- 仰向けになったら自然な呼吸に戻して両手を頭の上に伸ばす
- 息を吐きながら組んだ両手を引き上げるように全身を伸ばす。足もピーンと延ばすとより効果的
- 夕食から2~3時間後に2~3分ほど繰り返す
※腰や背中に疾患のある方は医師に相談するか無理をしないように要注意!!
以上「あさイチ」の発酵性食物繊維を使った腸活&腸活エクササイズについてまとめでした。
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