深イイ話 箱根駅伝の舞台裏 中継アナウンサーのルールとは?カメラ密着まとめ
22年1月10日放送の日テレ系「深イイ話2時間SP 箱根駅伝の超ドタバタ舞台裏密着」では箱根駅伝に携わった25人の中継アナウンサーの舞台裏にカメラが密着取材。CM中の秘密のやり取りや名実況誕生の裏側までまとめてご紹介。箱根駅伝の実況では共通して守るルールがあるそうですがそれは一体?
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往路スタート
汐留のスタジオでは「放送センター」のポジションに就く平川健太郎アナと解説の瀬古利彦さんがレースを見守りますが、
先頭集団を実況する「1号車」では蛯原哲アナ&解説の渡辺康幸さんがリアルタイムで情報提供。
箱根駅伝で活躍した青学OBの神野大地によると、
神野「先頭に出ると(実況車)が目の前に来てくれるので、自分が映ってるんだっていう所で気持ちが昂ります。」
とここでCMに入ると、
蛯原アナ「ヘイゼル!余裕あったらさ、鶴見中継所での1位と2位の最大差って調べられる?」
実況アナの手の届かない部分はリモートで別のアナウンサー(澁谷善ヘイゼルアナ)が「1号車サブ」としてサポート。
手元に用意された過去の資料をあたったり、1kmごとのタイムをストップウォッチで手元計測して、
そのままスマホで繋がった蛯原アナにカメラ越しに見せて伝えたりとは大忙し。
一方でスタジオの平川アナをサポートするのは「センターサブ」と呼ばれるポジションで黒田みゆアナが担当。
全選手のプロフィールや10000mのベストタイムなどが羅列されていて、
モザイク処理されている所はアナウンサーが独自取材した細かな内容が網羅。
黒田アナ「全部の大学合わせたら350人くらいは取材していると思います。」
箱根駅伝担当の25人のアナウンサーが総出でエントリー選手全員を事前取材して共有。
神野「日テレだけはホントに取材量ヤバいです。取材に来てくれる量も全然違います。」
スポンサーリンク2号車でトラブル?
その頃、2号車では実況泣かせの事態が発生。
別大学の2人のヴィンセントが順位争いを演じる場面がやって来て、実況の佐藤アナは2人のフルネームを連呼する事に。
CM中には、
1号車の解説、渡辺さんとスタジオ担当の瀬古さんが気温を巡って論議。
渡辺「寒いんじゃないですかね?動かない。だって今の気温も2℃~3℃。
瀬古「寒いのかな。そんなもん?」
そしてスタジオは自由にお手洗いにも立てるのでちょくちょく席を外す瀬古さんだったり。
瀬古「ここ(放送センター)は行けるんで。精神的に楽ですね。中継車は行けないんですよ。だから前の日から水分を抑えたりして朝は一滴も飲まない。」
一度動き出したら中継車は7時間近くノンストップなので中継車を担当するアナウンサーはおむつをはいて放送に臨んでいるというのは有名な話。
監督の言葉
随伴車には監督が乗車して選手に直接声を届けるのも箱根駅伝のよく見るシーンですが、
CMに入ると監督の言葉をヒントにして蛯原アナからすぐに1号車サブのヘイゼルアナに指示が飛び、
蛯原アナ「2区1時間5分台はヴィンセントだけなんだよね?2区の区間記録を上位から調べて。1時間5分台が何人いるか知りたい。」
すると1分かからずにヘイゼルアナから手書きのカンペ出し。
CMあけには貰った情報を生かして即座に放送に乗せる蛯原アナですが、ストップウォッチの列を前にしてヘイゼルアナも緊張。
その後もレースに動きがあると、蛯原アナは手元で何やら計算し、
蛯原アナ「10000mのベストタイムで比較すると、後ろの青学と東京国際は駒澤に追いつく事になります。」
とコチラも手元の資料をもとに情報共有。
スポンサーリンク1号車の実況
レースが勝負所に差し掛かると、
と首位攻防戦になると蛯原アナが他アナウンサーから実況を奪うようにして担当。
その後も、
蛯原アナ「もし青学が離れたら割り込むからね!」
放送センターで平川アナが実況をしているその時でも、レースに動きがあれば容赦なく被せて実況の座を奪うシーンも。
CMに入ると、
瀬古「蛯ちゃん!5kmどのくらい?」
蛯原アナ「瀬古さん。(あけまして)おめでとうございます。5kmが14分12秒で。」
瀬古「おめでとうございます。あっ速いんだ。」
4区までレースが進んだ所で今更ながらあけおめの挨拶を交わしつつ情報交換する2人。
すると2号車の佐藤アナから選手の給水情報。
これは事前取材で佐藤アナが得ていたもので、蛯原アナが実況で使うであろうタイミングを見計らって伝達。
スポンサーリンク3号車では?
後続の選手を追いかける3号車を担当する山本アナですが、
「駿河台来たら『小田原でかつての教え子待ってるよ』っていうのを最後ちょっと付けて言おうと思います。」
横に座るスタッフに確認をとって実況のセリフ考案。
CM中に監督から選手へ檄が飛ぶと、
すると山本アナもすかさずメモしてCMあけにはしっかり実況に反映。
瀬古さん解説
5区の上り区間では、
選手の好調さを伝える解説の渡辺さんの一方で、
瀬古「あんまり良さそうでも無さそうよ?これ。なんか速そうに見えないんだけど、速いんだね。」
いざ放送が始まると、
瀬古「失礼ですけど、見た目は速く見えないですよね。」
と内容そのままで解説。
スポンサーリンク往路フィニッシュの裏では?
森圭介アナは「往路フィニッシュ」を担当していますが、
特に問題なく実況が進むフィニッシュシーンとは裏腹に、その頃山ならではのトラブルが発生していたようで、
中継車とリモートが切れてLINEも未読のまま音信不通状態に。
「エビハラテツさんは現在連絡不可です。」という機械音声の応答。
この時点で蛯原アナの実況の仕事はすでに終わっていたようで、
渡辺「もう俺大丈夫?おしっこめっちゃしたいんだけど?まだダメ?」「なるべく水分とらないようにしたんだけどさ、それでも寒いから早くからしたくなる。笑」
渡辺「でしょ?笑。したいでしょ?」
トイレトークで盛り上がる2人。
復路スタート
復路スタートの1時間前ではセンターサブの杉原凜アナ、石川みなみアナ、黒田みゆアナたちが何やらスマホをチェック中。
走る選手の変更情報がある場合は事前に用意されていた資料を急いで張りかえるというアナログ作業。
情報が更新されたボードはすぐに放送センターへ。
スポンサーリンク復路でも往路と同様に1号車を担当する蛯原アナから1号車サブのヘイゼルアナに、
蛯原アナ「6区の区間新ペースの資料が間違ってない?大丈夫か?」
ヘイゼルアナ「確認します。」
精査した結果、古い情報が載ったままの資料と最新資料が混在していたようで何とか蛯原アナがリカバリー。
14年ぶりの区間新記録が目前に迫るシーンではCM中に、
蛯原アナ「14年振りだからね。結構凄いからね。さすがにこの区間記録はたたえてあげた方がいいよ。」
最後の10区にやってくると、
瀬古「蛯原さん。彼が何分で走れば新記録出るの?」
蛯原アナ「センターにいるヘイゼルが計算してくれると思います。お伝えします。そこから。」
ヘイゼルアナは放送センターのすぐ近くで1号車サブを行っているので、
放送センターの瀬古さんと直接口頭でやり取りが可能。
スポンサーリンク復路フィニッシュ
新記録でフィニッシュとなると当然ながらその情報をカバーしながら実況するのが鉄則。
ところが復路記録、総合記録、10区の区間記録という3つのタイムをフィニッシュした瞬間に判断して、どの記録を破ったのかを伝えないといけないという難しい役目。
フィニッシュでもサポート役の「フィニッシュサブ」と呼ばれるポジションが置かれていますが、フィニッシュサブの北脇太基アナと共にタイムをおさらいする森アナ。
森アナ「大丈夫だよな?8分40秒を切れば総合記録更新、復路記録も更新。往路記録は更新していない?よし。」
さらにフィニッシュシーン担当のアナウンサーには特に苦労があるそうで、
手前の実況を担当するアナウンサーたちが自分が言いたかったセリフをどんどん言ってしまうのでネタ切れに追い込まれる事もしばしば。
何パターンか実況を想定していても「まぁこれ蛯さんが言うだろうな…蛯さん言うんだよ~!こういうの~」と愚痴。
森アナ「ほらもう何か言うテンションじゃん。」
結果的にフィニッシュの直前まで実況を担当する蛯原アナと実況を取り合う事も無く、
コチラのたすきもしっかり繋がって無事フィニッシュシーンを実況し終えた森アナ。
スポンサーリンク箱根駅伝 実況のルール
最後に箱根駅伝の実況を担当するアナウンサーたちが共通して守っているルールがあるそうで、
それは「最低一回でもいいので選手のフルネームを言う」というもの。
そのルールを守るために、選手がフルネームで一度でも呼ばれると名前にハイライトが入れられてチェック。
そしてまだ呼ばれていない選手がいた場合はポストイットに書き出されて実況アナへ伝達する徹底ぶり。
「自分の子どもが名前呼ばれたいじゃないですか?呼ばれると嬉しいですよね。そういった気持ちになってくれたらいいなと。」
以上、深イイ話から箱根駅伝の舞台裏についてでした。