イントロが短くなっている理由は?最近の曲と昔の曲の違い
23年4月11日「世界はデータでできている」ではイントロが短くなっている理由について最近と昔の曲の違いなど解説という事で簡単にまとめてご紹介。
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歌番組からカラオケへ
80年~90年代は生放送の歌番組が全盛だった時代。
そこではイントロで紹介される”前口上”が見どころの一つだったため、
その分の時間を設けたせいでこの時代の曲はイントロが長くなる傾向。
イントロで曲や歌手の紹介をしたり、プチ情報を入れ込んだりと「それでは歌っていただきましょう。」の定番の流れは重要な要素の一つだったんですね。
また、日本にカラオケが登場したのが1970年代で80年代に入ると全国に本格普及し始めますが、
この頃はカラオケスナックやカラオケパブなど、不特定多数の客が同席する飲みの席で歌うのが主流の時代。
となると人前で歌うのがほとんどで、そうなるとイントロはステージに上がるために必要なストロークだったというのもイントロが長く取られていた理由の一つ。
これが1992年に通信カラオケが導入されるとコンテナ型、ボックス型などが登場して狭い個室で家族や友達同士でカラオケをするのが一般的に。
そうなるといちいちステージ立つというステップが省略されるようになって長いイントロは必要なくなり、イントロは時代を経るごとに短くなる傾向。
1995年の年間シングルランキングトップ10のイントロ秒数を並べてみると、
短いと9秒から長いと78秒。平均は26.1秒。
短いと0秒、長くても19秒。平均は8.4秒。
こんなイントロ短縮のターニングポイントになった曲といわれているのが、
篠原涼子 with t.komuro『恋しさと せつなさと 心強さと』
イントロは約2秒ですぐに歌い出し。
作曲の小室哲哉は「最初のつかみが大事。15秒聴くとその先が聴きたくなる曲を作る。」と考えて意図してイントロが短い曲を作り、結果大ヒット。
スポンサーリンク着うた
着うたは好きな楽曲を携帯電話の着信音として使えるサービスでその長さは30秒から45秒ほど。
このサービスが広まると「サビだけ聴く文化」が誕生。
わざわざイントロを着うたに設定する人は少なかったので、
サビの一番の聴かせ所だけを聴ければそれでいいという文化が広まった事でイントロの重要性は低下。
着うた全盛期の時代の曲は「こんなイントロだったっけ…?」というパターンが多いようでとにかくサビ重視。
スキップ
曲を聴く環境が着うたから徐々に音楽配信に移行すると、2022年には音楽配信売り上げが過去最高の1050億円に。
このうちの88%は定額制聴き放題のサブスクなどダウンロードせずに聴くストリーミングが占めることに。
聴き放題なのでどんどん曲をスキップするのがクセになった現代人は曲を大量消費する傾向に。
曲が流れ出してから0~5秒で離脱するパターンが約24%という数字。
ちなみに最後まできっちり聴く人は50%ほど。
こうなるとイントロですぐに心を掴んで離脱しないように作り手も考えるのでますますイントロは短くなるというわけですね。
以上「世界はデータでできている」よりイントロが短くなっている理由でした。