海水魚がしょっぱくないのはなぜ?淡水魚との違いは?チコちゃん
23年9月29日「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜ海の水はしょっぱいのに海の魚はしょっぱくない?』から海水魚・淡水魚のそれぞれの塩分濃度の調整方法、魚のおしっこの違いなど簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】蒼井優、水上恒司
【VTRゲスト】なし
なぜ海の水はしょっぱいのに海の魚はしょっぱくない?
3問目の出題は、
なんで海の水はしょっぱいのに海の魚はしょっぱくないの?
チコちゃんの答えは、
海の水をがぶ飲みしているけどエラから塩分を捨てているから
解説は東海大学の秋山信彦教授。
海水の塩分濃度は約3.4%で味噌汁が0.8%ほどなのでかなりしょっぱいのが分かりますが、
基本的に魚の体液は約0.9%で調整されていて、これは淡水魚も海水魚もほぼ同じ。
体液ではなく身の部分は0.9%よりも低いので人間がお刺身をそのまま食べてもしょっぱく感じないという事に。
この海水と魚の塩分濃度の違いには浸透圧が深く関係していて、
浸透圧とは細胞の膜で隔てられた2種類の液体のうち、濃度が薄い液体から濃い液体に向かって水分だけが移動して両者が同じ濃さになろうとする力の事。
となると魚の体内からどんどん水分が抜けていってしまうわけですが、
そのままでは干からびてしまうので魚は海水をがぶ飲みしてせっせと水分摂取。
ところがしょっぱい海水をがぶ飲みすると今度は体内の塩分濃度が上がってしまうので、エラの部分にある塩類細胞を通じて塩分のみをどんどん排出。
また、血中の塩分をおしっことして体外に捨てている人間同様に魚もおしっこで捨てているという働きも。
海水魚カワハギのおしっこを採取してそのナトリウム濃度を調べてみると約0.285%という数値に。
これが淡水魚だとどうなるか?というと、淡水の塩分は0.005%以下とほぼゼロなので、今度は外からどんどん水分が入ってきてそのままだと水ぶくれ状態に。
そこで水をがぶ飲みするとさらに濃度が薄まってしまうので、水は飲まずに、おしっこを大量にすることで水分をどんどん捨てていっているとの事。
海水魚とは反対にエラにある塩類細胞は淡水に含まれる微量の塩分を取り込んで塩分摂取。
淡水魚ニジマスのおしっこのナトリウム濃度は約0.125%という数値。
となるとエラの塩類細胞には多くの塩が含まれているハズなので、その部分だけ食べるとしょっぱいのでは?という発想からエラだけを炙って食べてみると、
意外と香ばしいものの、しょっぱさはやっぱり感じないという残念な結果に。
塩類細胞は捨てたり、取り込んだりという機能は有していますが、そもそも塩分を蓄えておく器官ではないのでしょっぱくないという結論。
ちなみにサケは川 → 海 → 川と生きている過程でその生活環境を大きく変えていきますが、これは成長に伴って体の機能を変化させて海水、淡水に順応させているんだそう。
という事で3問目は以上。
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