キルアのモデルやキャラクター設定の作り方は?冨樫義博本人の回答
23年11月15日「イワクラと吉住の番組」ではHUNTER×HUNTERの作者・冨樫義博が直筆の手紙で明かすキルアのモデルやキャラクター設定を紹介という事で簡単にまとめ。
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キャラクター設定の作り方
「キャラクターを考える時に何を参考にしていますか?」という質問に対して冨樫義博本人の回答は、
キャラクター設定は、
- 顔
- 性格
- 境遇
に大別されてストーリーの流れの中で順不同に決まっていきます。
例えばキルアの場合はゴンと同年代の仲間というストーリー構成上の流れから始まって超人的な身体能力、暗殺一家などの境遇が大まかに決まり、
その境遇・背景に合う顔が作られて最後にゴンたち3人と会話をさせてみた結果ああいう性格になりました。
【顔】
顔を決める時に参考にするのは「今まで触れて来た漫画、小説、映画、音楽、歴史上の人物、文化人、芸能人、スポーツ選手」などの脳内ストックです。
キルアの場合は暗殺一家の何番目かの子供にしようと決めたあたりで黒夢の「少年」「上條淳士」「多重人格探偵サイコ」等が頭に浮かび、あの見た目になりました。
初登場の全身図、輪郭の一部を光で飛ばしている所に上條氏や田島氏の作画への憧れが垣間見えます。
【性格】
性格の参考になるのは圧倒的に「自分で作り出す場面・局面にキャラクターを置いた時」です。
大まかに性格を決めていても、具体的な局面で登場人物同士に会話をさせてみたら、想定した展開の方向に行かないという事が多々あります。
例えば「正義感が強い」と性格設定しても、正義の定義や当人の境遇で立場が変わります。
相手の反論に対し、どう反応するかで性格や境遇に修正・補充の余地が出来ます。
この作業が創作の醍醐味であり、人物造形の生命線なのでキャラクター同士が話し合った結果、方向性に納得しなかったら後の展開を変えます。
あとは登場人物が「作者の分身」にならないように敢えて私自身が受け入れがたい価値観や信念、行動傾向、趣味嗜好などを持ったキャラごとに入れるように意識していて、
その最たる存在がゴンだったりします。
参考にするものでおすすめは討論番組です。自分で局面を設定する際も討論やディベートのように意見の対立が生じる状況を積極的に導入して作り込んでいきます。
【境遇】
境遇で参考にするものは私の年齢によって変化して来たように感じてます。
若い時は面白い作品を手本にし、ある程度経験を積んでからは失敗作からヒントや学びを得て、現在は史実やノンフィクションの影響が大きいです。
というわけで以上、キルアのモデルやキャラクター設定についてでした。