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英ロンドン大学が注射による進行性前立腺がんの治療法について開発中


はっきりとした初期症状が無いことが知られている前立腺がんですが、その進行によってどんな治療法を適用すべきなのかについては、慎重な経過観察が必要となる場合が多く、それが原因となり患者さんに多くの負担を強いる結果となっています。

現在では、NAALADL2と呼ばれる細胞が前立腺がんの治療法を選択するためのマーカーとして利用出来る事が知られており、NAALADL2の値が高くなると、がんの再発率が二倍になる事が分かっています。

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副作用の問題

国別に見ると最も高い罹患率を持つアメリカでは毎年20万人が前立腺がんの診断を受けており、そのうちの40%が進行性前立腺がんとされています。しかし、進行の遅いがんと区別するには慎重な経過観察を要し、進行性のがんだった場合に備えて、強い副作用が出る治療法(化学療法、放射線治療法など)が選択される事が多く、本来であれば必要のなかった治療を強いられる事が多いそうです。その為、失禁、疲労、性生活の問題などの副作用に苦しむ場合が多く、患者さんの負担を考えると早急に解決して欲しい課題となっています。

だからと言って進行性前立腺がんにも関わらず、穏やかな治療法を選択してしまうリスクを考えると、非常に厳しい選択を強いられると言わざるを得ません。

その点、NAALADL2を診断に用いることにより、進行性のがんかどうか見分けられるようになり、過剰な治療法を避けることが出来ることは副作用のリスクに晒される患者さんの強い味方になりそうです。

画期的な治療法の光明となるか?

さらに、研究者はNAALADL2をがん治療の標的として利用することも考えられています。

新たな研究によると、サポリン毒素を添加した抗体がNAALADL2をガイドとしながら前立腺がんを攻撃し、成果を上げたことが研究所レベルの実験により実証されたそうです。これは、進行性前立腺がんはNAALADL2の値が高くなるため、毒素を添加した抗体が選択的に作用したためと思われています。

注射

主任研究者であるDr. Hayley Luxtonによると、さらにこの研究を進めて実際の治療に使えるよう転用し、より短時間に治療結果が出るように研究を続けているそうです。英ロンドン大学では3年以内に注射による治療方法を確立し、5~10年以内には臨床テストを開始したいとも語っています。

相対的に罹患率の低い日本にとっても喜ばしいニュース

アメリカがん協会によれば7人に1人が前立腺がんにかかり、毎年2.8万人が前立腺がんの犠牲になっているそうなので、注射による治療法が確立されれば、副作用のリスクを考える患者さんにとっては光明になるかもしれません。

日本は国際的に見ると罹患率が北米の10分の1と言われていますが、今後、食生活の欧米化、高齢化社会の進行により、罹患率が上がる可能性があるため、注視していく必要がありますね。

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