会話が続かない時どうするか? 会話・トークのコツ。
会話が続かなくて、気まずい空気が流れるのは多くの人が経験していることでしょう。そんな時、会話力を向上させるノウハウは巷に溢れていますが、ちょっと首を傾げるような内容や「それは当たり前でしょ」とか「それじゃあ杓子定規過ぎてつまらない」内容が多いため、自分が思うコツのようなものをご紹介します。
スポンサーリンクメリハリをつける事は必須ではない
確かに声のトーンを上げ下げして話を強調することはメリハリのあるトークにつながるかもしれません。ボソボソと話す人はとかく話し下手のレッテルを貼られがちですが、そのボソボソとたどたどしく話す事はあくまでその人の個性で、直すべき欠点ではありません。
むしろボソボソと話す事でより相手の注意を引きつける効果が期待できます。相手に興味を持ってもらえそうな内容を選ぶ事が出来れば問題ありません。
どれだけメリハリよく話せても肝心の内容が伴っていなければ意味はありません。メリハリはあくまで手段で、そこさえ押さえればトークが上手くなると言うのは乱暴すぎます。
普段私たちが接するメディアではとかく大きな声で、表情豊かに話す事が強調されますが、それはメディアの中から外に対して発信する人達が身に着けた必須能力なだけで実生活にそのまま生かせるものではないと思います。
話が長いことはメリット
だらだらと長い話を続けることは悪でしょうか?いえそんなことはありません。面白い話であればどれだけ長く話しても飽きられることはありません。だらだらと長い話を出来ることは逆に才能だと捉えて生かす方向に考えて見ましょう。
「えーと」や「あー」などの通称「フィラー」と呼ばれる言葉だってどんどん挟んで構いません。今はなき落語家の古今亭志ん朝師匠は確かに名人でしたが、フィラーを極力排除した立て板に水を流す如くの止め処ない流麗な落語スタイルはどちらかと言えば、私の好みではありませんでした。
詰まったり、どもったりした方が自然で、聞いている側はその間に考えを整理したり、耳を休ませたり出来ますので良いことだってあるのです。ただし、このフィラーを多く挟みすぎると悪い印象を抱かれやすいのは事実なため、その代わりに小手先のテクニックを一つ。
それは文章を折り返して区切ることです。「そこで」「ところが」「つまり」などの文章の頭にくる台詞まで前の文章の終わりにくっつけてしまってから一呼吸置きます。
「こちらの新商品についてはセールスポイントがいくつかありまして、えー」と言う所を「・・・ポイントがいくつかありましてそれは・・・」とこのタイミングで小休止すると相手は「それは一体何?」と注意を引きつけられるために是非実践してみてほしいテクニックです。
YES、NOでは答えられない質問?そんなものはない
よく会話を続けるためのノウハウで言われるものに「YES、NOでは答えられない質問をしましょう」というものがあります。全く無駄なことです。
なぜなら、一言で話せなくても短い文章で答えることで回答を済ましてしまう事が可能だからです。普通に考えれば分かることですが、とにかく話したくない場合はいくらでもそうなってしまうのでノウハウとしてはあまり役立つものではありません。
ではどうする?
そこで一つのアイディアは、話さない相手・口数の少ない相手には思い切って一方的に自分から話していくというものです。自分の知識をひけらかしたり、自慢話をすることは嫌われがちですが、それをおもしろい会話内容に出来るかどうかは相手の適度なツッコミやあいづちによるところが大きいので、相手がしゃべらないなら躊躇する必要はありません。
そんな時、相手は「この人は自分ばかり話して、つまらない」と思っているでしょうが、事実は相手のペースでどんどん話を聞かされても、その状況をおもしろく出来ない自分に責任があることに全く気づいていないだけなのです。
そのためには相手にツッコミをさせるスキをいくつも作って話していくことで会話に参加している意識を相手に持たせることが大事です。
勝手な思い込みや、間違った認識もネタになるので、「ここでツッコミを入れてね」という意識でボケをどんどん挟んでいきましょう。漫才のボケ役を意識して思う存分、自慢話をしてみてください。
相手が思わず「そこは違うでしょ?」とつっかかってくれば成功です。トークとは「二人で盛り上げていくもの」で決して一方的に楽しんだり、楽しませたりするものではない事を相手もきっと気づいてくれるはずです。そうなれば自然と会話が続けられるようになります。
ツッコミ力を鍛える
適度に相手につっかかっていく事はスムーズな会話には大事です。相手のトーク内容を邪魔するのは決して悪いものではないのです。その為には漫才コンビでいういわゆるツッコミ役に自分が成りきることが大事です。
ただし、相手のトークの流れを邪魔しても、また元の流れに戻しやすくしてやる必要がありますので、瞬間的に言葉を差し挟む瞬発力が必要です。
その為におすすめなのがテレビ番組にツッコミをいれながら見ることです。独りでテレビを見ている時でも、常に自分の感想や疑問などを適時口に出しながら見ることで、瞬発力を鍛えることが出来ます。
この練習を繰り返してくるとそのうち、テレビの中のツッコミ役の出演者と同じ内容を自分がツッコミとして口に出しているように自然となっていきます。そうなれば実生活で適切なタイミングでツッコミを入れるのは余裕でこなせるようになってくることでしょう。
あいづち力も重要
ツッコミなんて漫才じゃないんだから。とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんので、その場合はあいづち力を鍛えるのがオススメです。
これは2000年4月に芸能界を引退された上岡龍太郎さんが番組で話していらした方法が参考になります。
漫才(万歳、萬歳)の起源は太夫(たゆう)と才蔵(さいぞう)にあり、才蔵が会話の合い間に打ち鳴らす鼓が現在の漫才におけるツッコミ役のあいづちの役割を担っていたとされていますが、その鼓の役割は会話の流れの中で話してがリズムに乗って話しやすいようにという趣向であったと、上岡さんはおっしゃっています。
だからこそ、鼓の音色(あいづち)を様々に変化させながらリズムを作り出す所を、鼓がいつも同じ「はい」だけではリズムが取れない。そこで、「なるほど」「そうですね」「あっ。そら知らなんだ」「ホンマかいな」「へ~」と色んな意味の言葉を相手の話す内容に合わせて入れていく事が重要であるとお話されていました。
そして、その練習方法としては、「NHKのニュース解説にあいづちを打て」と。
これは通常のニュースだと喋り口調では無く、会話のような形式になりにくいため、あくまでニュース解説のようなフォーマットが適しているのだそうです。
会話のリズムというのは、人それぞれによって独特なため、いつも決まった解説員の方ではなく、様々な人の解説にあいづちを入れられるようになれば、自ずと日常生活の会話においても上手くあいづちが打てるようになる事でしょう。
以上、会話が続かない悩みに答える、いくつかのコツを上げてみました。ただ、会話は生き物ですので、相手の出方によって自分を色々と切り替えて会話自体が盛り上がるように意識することが大事です。自然と相手に協力を仰ぐことを常に意識しながら日常会話に彩りを添えてみてください。