コロンビアの悲劇的な飛行機事故。奇跡の生還者が明かす生死を分けたものとは。
コロンビアの都市メデジン(Medellin)近郊でブラジルのサッカーチーム「シャペコエンセ」のメンバーが搭乗していたチャーター機が墜落するという悲劇的な事故が起こり、71名の死亡、生存者が6名救出されましたが、そんな生存者6名のうち奇跡の生還を果たした搭乗員2名が事故直前の状況を話してくれました。
※75名の死亡という情報が御座いましたが、後に4名が搭乗者リスト上にありながら、実際には搭乗していなかった事が明らかになっており、71名死亡に訂正されております。
スポンサーリンク搭乗員2名の証言
搭乗員として事故機に乗り込んでおり、生存者6名のうちの一人であるErwin Tumiriさんですが、
「乗客の多くは席から立ち上がって、叫び声を上げていました。」
「私は、安全の手引きの指示に従って、足の間にバッグを挟み、胎児のように丸まった姿勢を取って衝突に備えていました。」
とFOXスポーツの取材に対して答えたと伝えられています。
彼は命に関わるような怪我はしておらず、事故直後の映像でも他の搭乗員を心配する姿が映されているそう。
また、もう一人の搭乗員で客室乗務員を務めていたXimena Suarezさんは政府機関に対して、衝突の直前に照明が消えたことを伝えていますが、それ以上の事は覚えていないと語ったそうです。
コロンビアの新聞社によると彼女は事故後およそ2時間に救出され、地元メディアによると脚に怪我を負ったようです。
極限の状態でパニック状態になった乗客の多くが不幸にも命を落としているわけですが、衝突に備えるように指示はなかったのかが一つ気になります。
Erwin Tumiriさんは客室乗務員ではないですが、脚にバッグを挟む行動を取れており、多少の時間的余裕があったのは確かです。
乗客が叫び声を上げていたという証言がある事からその時点で危険を認識していたはずですが、客室乗務員であるXimena Suarezさんは当時の乗客の様子を語っていないためはっきりとはしません。
その他の航空機事故や検証データでは?
御巣鷹山で起きた墜落事故、日航ジャンボ機墜落事故の場合は4名の生存者がいらっしゃいましたが、その全てが
最後尾から7列目までの席で、さらに火災が発生しなかった事
が生死を分けたとされています。
また、墜落直後では後部座席に座っていた乗客の多くが生存しており、救出を待つ間に亡くなっていったという証言もあります。
実際に航空機を墜落させるクラッシュテストが行われた実験結果によると、
墜落によって生き残る可能性がある座席は、最後列から5列目までとしており、
死亡の確率が一番高いのは機首部でパイロットルームと前列7列目までだという事が明らかになっています。
ポピュラーメカニクスマガジンの行った過去の飛行機事故データを検証したレポートによると、後部座席に座っていた乗客は前方の乗客に比べて40%も生存率が高いことが示されています。
ここまで見てみると、後部座席の生存率についての言及が数多く見られのが分かりますね。
こちらの記事で紹介した生還劇でも機体後部の作りが生死を分けたと見られていますので、
「座席位置、特に後部座席か否か」が生死を分ける一つのキーワードになりそうですね。
また、英国の専門家によると事故にあった機体のサイズが大きければ大きいほど生存の可能性が上がることが分かっており、これは大きな機体の航空機はより大きな衝撃にも耐えられるからだと推測されています。
今回事故にあった機体は小型機ですから、生存者6名はより困難な状況から生還したことになりますね。
飛行機搭乗時には必ず乗務員やビデオによる紹介がありますが、事故に備えて安全の手引きに従い、頭を守って体を丸め衝撃に備える姿勢(不時着時の姿勢)は非常に有効であることも分かっています。
ちなみに、JALキャビンアテンダントの緊急保安訓練の画像では、足首を掴む姿勢と、前の座席に手を置く姿勢が示されています。
生死を分けたポイントは
今回の事故で生死を分けた一つのポイントは冷静に不時着の姿勢を取り、衝撃に備えたことが挙げられると思います。
座席の位置については不明な為、今回の事故に関してでいえば何とも言えませんが、本来は重要なポイントになるはずです。
また、墜落時には事故機の燃料が空になっていた事から、火災が発生しなかった事も特筆すべき点でしょう。
その他の生存者は乗客4名となっていますが、その方々がどのようにして生還を果たしたのかも気になるところですし、どの位置に座っていたのかも興味のあるポイントですね。