赤ちゃんのピーナッツアレルギーについて2017年の新しいガイドラインが発表
アメリカ国立衛生研究所が発表した赤ちゃんのピーナッツ摂取に関する新しいガイドラインによると、生後4ヶ月の時点でピーナッツを含む食品を摂りだす事がアレルギー症状の発現を抑えるとして推奨されています。
スポンサーリンク※本記事の内容はアメリカにおいてのトピックですので、日本とは事情が異なる事は予めご了承ください。
アメリカでは生後12ヶ月を越えた辺りからピーナッツを含むナッツ類を摂りだすようにするのが一般的なのですが、今回発表されたガイドラインではそれよりもさらに早いタイミングでの摂取がアレルギー症状の発現を抑えられるとしています。
ピーナッツには重篤なアレルギー症状であるアナフィラキシーショックを引き起こすリスクがあり、それぞれの赤ちゃんが持つアレルギーの大小によって細かくルールが存在していますので注意が必要です。
特にアレルギーリスクが高い赤ちゃん(ひどい湿疹の症状や卵アレルギーがあるなど)の場合は口に入れる可能性のある全ての物からピーナッツを取り除いておき、初めてピーナッツを摂取するテストを行う場合は必ず医療機関の管理の下に行うように指導されています。
アレルギーリスクの低い赤ちゃんの場合は家庭でテストする形で構わないそうですが、その場合も窒息を防ぐためにピーナッツの固体をそのまま与えたり、ピーナッツバターの場合も大きな塊を与えることは絶対に避けるべきとされています。その為、水で溶いた状態のピーナッツバターやピーナッツを含む飲み込みやすいスナックからスタートするようにしましょう。
これまでは3歳ぐらいからピーナッツ摂取を始めるように一般的に指導されていましたが、ピーナッツデビューを遅らせてもアレルギー症状に関してはメリットがない事がさかんに指摘されるようになり、ついには2008年の時点でこのような指導は行われなくなっていたという経緯があります。それでも現状、ピーナッツについては摂取を遅らせるようにすべきという意見は根強く、現場レベルの指導方針においても混乱が見られるようです。
家系的にアレルギーリスクが疑われる赤ちゃんや卵など既に他のアレルギーを持つ事が分かっている赤ちゃんの場合においても、アレルギー専門医のアドバイスによれば、生後早い段階でピーナッツを摂取するように指導されるようで、古いガイドラインを未だに守っている医師や家族にとっては非常に不安に感じる事ではありますが、考えを変えるべきであると断言されていますね。
新しいガイドラインによると、
- 全ての赤ちゃんは、消化器官が十分に発達している事を確認するため、既に固形食をスタートさせている事がピーナッツを始める大前提としてあること。
- アレルギーリスク大の赤ちゃんであっても医療機関の管理の下に生後4ヶ月から6ヶ月頃からピーナッツをスタートさせて構わない。
- 市販薬で処置可能なレベルの湿疹を持つようなアレルギーリスク中程度の赤ちゃんの場合は生後6ヶ月頃から家庭でピーナッツを含む食品をテストして構わない。
- アレルギーリスク小である大多数の赤ちゃんの場合は固形食と同じぐらいのタイミングでピーナッツを含む食品をスタートさせて構わない。
- アレルギーに対する耐性を獲得するためには1週間に少なくとも3回はピーナッツを含む食品を摂取することが望ましい。
このようなガイドラインが発表されていますが、これはあくまでアメリカにおいての話ですので、日本とは事情が異なると言う事は忘れてはいけません。
ただし、日本アレルギー学会の発表によるとピーナッツの早期摂取については今後の研究課題としてますので、日本においても生後早い段階でのピーナッツ摂取が推奨されるようになるかもしれませんね。