映画 アントマンのあらすじだけでは分からないトリビア的小ネタ集 あなたはいくつ知ってる?
マーベル・コミックのスーパーヒーロー映画「アントマン」。続編となる「アントマン&ワスプ」も公開されて勢いに乗る“小さな巨人”ですが、実はかなり古参キャラクターの一人であるのは皆さんはご存知でしたか?というわけで、あらすじだけでは分からないアントマンの知られざる能力やその正体について掘り下げてみましょう。
こんな知識集を知っておけばより作品を深く楽しめるかも?というわけでそんなトリビア的な小ネタ集をご紹介します。
あなたはいくつ知っていますか?
スポンサーリンクアベンジャーズの初期メンバー
映画「アントマン」の公開年は2015年。
「マーベル・コミック」の実写映画を、同一世界の作品として扱う一連の『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズで数えると第12作目。※「アントマン&ワスプ」は第20作目。
シリーズに登場したヒーローを順に挙げていくと、
アイアンマン
ハルク
ソー
キャプテン・アメリカ
(アベンジャーズ)
ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー
アントマン
こんな感じで並びます。
後に「ドクター・ストレンジ」や「ブラックパンサー」なども実写映画化されて公開されていますが、アントマンは割と“後発のキャラクター”のように感じますよね?
でも実は、アントマンは有名なスーパーヒーローチーム「アベンジャーズ」の初期(創立)メンバーとして活躍していたんですね。
アベンジャーズのコミックが発売されたのは1963年9月にまで遡りますが、その最初期は、
- アイアンマン
- ソー
- アントマン
- ワスプ
- ハルク
これら5人のメンバーがアベンジャーズ最古参。実はキャンプテン・アメリカは初期メンバーでは無いんですよね。
ただし、ここに挙げられたアントマンとワスプはいわゆる“初代”。
それぞれヘンリー・”ハンク”・ピム(演:マイケル・ダグラス)とジャネット・ヴァン・ダインの事を指しており、映画「アントマン」では初代アントマンとして描かれていますね。ジャネットについては映画「アントマン」内で回想シーンに登場。
映画「アントマン」ではアベンジャーズに絡めたセリフも存在していて、その他にもアベンジャーズ関連のシーンがいくつも登場していますよね。
スポンサーリンク映画「アベンジャーズ」から省かれた理由
ではなぜ映画「アベンジャーズ」にアントマンの姿が無いかというと、その理由は脚本・原案にクレジットされている映画監督のエドガー・ライトが深く関わっています。
代表作として映画「ショーン・オブ・ザ・デッド(2004)」「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007)」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013)」があるエドガー・ライト監督はコメディ映画の制作を得意としていますが、エドガー・ライトがアントマンの原案について仕事に取りかかったのは実に2003年の事。
その後、2006年に本格的にアントマン制作に向けてプロジェクトが進行していきますが、エドガー・ライトは「アントマンが完成するまではアベンジャーズに出さないで欲しい」という要望を出したそう。
かねてよりアントマンの大ファンだったエドガー・ライトは2003年にマーベルに直訴してコメディ要素たっぷりのアクションアドベンチャーとして描こうとしていたとのこと。
仮キャストを決定したり、テスト撮影に臨むなどアントマン製作は順調に進んでいたと思いきや、2014年に突如としてエドガー・ライトは制作チームから去ることになります。これはもうすぐ本格的な撮影が開始されるというタイミングでした。
エドガー・ライトは“クリエイティブ面の相違”から降板したと伝えられていますが、2017年のインタビューでその理由について本人が語っており、
「ディズニーはあくまで“マーブル映画”を作ってもらいたいと望んだだけで、“エドガー・ライト映画”は望まなかったんだと思う。」※配給はウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
とのこと。
エドガー・ライトの作風が作品に色濃く反映される事を嫌ったディズニー側から難色が出たと解釈されますが、2003年から足掛け10年以上に渡って温めてきたプロジェクトから降板する決断を迫られたエドガー・ライトはかなりショックを受けたそう。
エドガー・ライトはアントマンを他のヒーローたちとはかなり“独立した存在”として描きたがっていたそうなので、シリーズ化や他のヒーローたちとのクロスオーバーには適していないとディズニー側に判断されたとも言われていますね。
それでもエドガー・ライトの思い描いたアントマン像はかなり残されているそうなのでディズニー側のせめてものリスペクトも感じられます。
ちなみに、ジョー・コーニッシュと共に原案にクレジットされているエドガー・ライトですが、アントマンから降板したおかげで2017年に公開された自身が監督を務めた「ベイビー・ドライバー」に本格的に取り掛かれたとも語っていますね。
スポンサーリンクミニチュアへのこだわり
アントマンの代表的な能力と言えば、小さなサイズに縮小する能力ですが、制作スタッフも撮影にはかなりのこだわりを見せており、モーションキャプチャー、接写映像、接写静止画などを組み合わせてアントマンが活躍する小さな世界を再現したそうです。
その為にミニチュアサイズの背景セットを用意して、小道具まできっちりミニチュア化させたとのこと。
そのこだわりは映画製作の小道具である「カチンコ」にまで及んだとのこと。
現在の製作現場で使われるカチンコはデジタル表示がされるものが大半になっていますが、さすがにミニチュアでそこまで再現するのは難しいという理由で昔ながらの黒板を利用したミニチュアカチンコが用意されたそうです。
その他、セットが作られたのはサンフランシスコにあるスタジオ内で、ゴールデン・ゲート・ブリッジやヘンリー・ピムの屋敷外観などのセットなどはそこに用意されました。
屋敷内観についてはアトランタに新しく出来たパインウッド・スタジオに設置されて撮影されたのですが、マーブル映画としては同スタジオを利用した初めの作品が映画「アントマン」だそうです。※後の作品は映画「ドクター・ストレンジ」を除いてほぼパインウッド・スタジオで撮影されるようなっています。
ちなみにヘンリー・ピムの屋敷内の内装もかなりこだわって作られており、ビクトリア様式の屋敷に合わせて家具、暖炉、ステンドグラスなどもしっかり時代に合わせてあるんですね。
さらにニューヨークにある1930年代、40年代の年代物の壁紙を扱う会社から調達した壁紙も貼られているとのこと。美術班が作ったものではなく“本物”なんですね。
しかしながらこういった年代物の壁紙は数が限られているという事情で、必要なシーンに合わせて切り貼りを行って、シーンに必要な分だけやりくりして何とか撮影を乗り切ったそう。
流石に壁全面にドーンと贅沢に貼るわけにはいかなかったようで、こんな知られざる苦労があったんですね。
元々はヒーローではなかった
アントマンが初めてコミックに描かれたのは1962年1月。
超有名人のスタン・リーとジャック・カービーによって創作されました。
ただし、サイエンスホラー作品の“被害者のような立場”で登場したのが初出。
たった7ページの物語で元々は読み切り的な作品であり、ヒーローとして活躍していく物語はみじんも感じられない仕上がりとなっています。
小さくなったヘンリー・ピムが自身の10倍程のサイズのアリたちに襲われるというストーリーなので、今や心強いチームとして動いているアリたちは敵役として登場していたんですね。
その後、アリ(アンソニー)を乗り物として空を飛ぶ際に利用するようになったアントマンですが、実はその能力を獲得するする前には移動手段として“人間大砲”を使っていたという面白い描写もコミック内で描かれています。
コントロールしたアリたちを着地点に集合させて、クッション代わりにそこに着地するという移動手段でかなり変わったコンセプトですよね。