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金スマ紹介の最新ロングブレス“健康法”?ダイエットでは無いそのやり方&ウソとホントを検証


19年12月27日放送の「金スマ」こと「中居正広のキンスマスペシャル」ではかつて爆発的に流行したロングブレスダイエットを120歳まで歩くロングブレス“健康法”として再度紹介。番組では脳梗塞で歩行困難になった石原慎太郎氏がまた再び歩けるようになった3種類のエクササイズのやり方が紹介されていましたがそのウソとホントの所を検証してみます。

見逃してしまった方は是非チェックしてみてください。

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ロングブレス“ダイエット”

まずは2012年に大流行したロングブレス“ダイエット”について簡単におさらい。

冠にある通りに「長い呼吸」がそのポイントのダイエット法なのはご存知の通りで考案者は俳優の美木良介氏。

そのロングブレスダイエットのやり方はというと、

  1. お尻にえくぼが出来るぐらいに下腹部に力を入れてまっすぐに立つ
  2. 力を入れたまま足を前後に開いて後ろ足に重心を残して前足から頭まで一直線に
  3. 3秒で鼻から息を吸い、腕を回し
  4. 7秒で口から一気に息を吐き出す
  5. 10秒6回=1分間の1セットを毎日行う

たったこれだけでダイエット効果があるというのがロングブレスダイエットでしたよね。

YouTube動画。

番組で検証した結果ではダイエット効果はもちろん、高血圧が改善されたり、糖尿病患者の血糖値が薬なしで改善したりとあくまで個人レベルで全ての人に当てはまるとは限らないものの、その驚くべき健康増進効果にも触れられていたりでしたね。

そんな事もあって本の売り上げはシリーズ累計で230万部超という大ベストセラーで、流行語大賞にもノミネートされる社会現象にまで発展しました。

あの時はダイエット法として流行したロングブレスでしたが、今回はまた趣向が変わって、「脳梗塞の後遺症からロングブレスによって復活する」というもの。

つまりダイエットではなく今回はリハビリや健康法というアプローチ。美木良介氏曰く「ロングブレス呼吸を使ったトレーニング・エクササイズ」ですね。

実際に脳梗塞で後遺症が残ってしまったという石原慎太郎氏がロングブレスを行った事で歩行困難になっていた所が、また再び歩く事が出来るようになったとの事。

ただ、今回紹介するエクササイズは歩く事がままならなくなった人だけが対象かと思いきや、30代や40代で歩く時の歩幅が狭くなったという自覚のある人には全てオススメだそう。

ロングブレス“健康法”とは?

かつては健脚でならした石原慎太郎氏。

その趣味は多岐に渡り、ゴルフ、サッカー、テニス、ヨット、スキューバダイビングと体を動かすのは大好きだった氏ですが、2013年に脳梗塞を患って入院。

脳梗塞は脳の血管が細くなって詰まり脳の細胞が障害を受ける病で、場合によっては麻痺や歩行障害といった後遺症が残ってしまう事も。

さらに2015年6月には講演中に「頭が重い」という症状を訴えて病院に搬送されるという事がニュースで伝えられた石原慎太郎氏。

その半年後にテレビに出演した際の姿を見てみると、階段を下りるのも手すりにつかまって一苦労。歩く時もゆっくりと一歩一歩慎重に進むといった具合。左半身には軽い麻痺が残っている様子。

実は2013年頃、脳梗塞を始めて発症する前には週に3回は1000mもプールで泳ぐほどに健康だったそうですが、病気によって生活は一変してしまったそう。

リハビリはもちろん行っていたようですが、劇的な改善は見られずに自身も少し弱音を吐くほどに。

そんな頃に「自分なら歩けるように出来る!」と手を挙げたのが美木良介氏。

というのもロングブレス“ダイエット”が流行した2012年にも、

「ロングブレス“ダイエット”っていう風に一番最初に出したんですけど、本当は僕は『健康法』として伝えたいんですね。」

と美木良介氏自身が語っていたんですね。

それは彼自身が体験した事に起因しているそうで、

元々プロ野球選手を目指して大学まで進んだ美木良介氏でしたが、怪我が理由で挫折。

そこで新たなキャリアとして選んだのが知人の紹介で始めた役者の道。

芸能界で一番引き締まった体を目指して体作りを始めたそうですが、ウエイトトレーニング中に腰を痛めて坐骨神経痛を発症。

その後はずっと坐骨神経痛を抱えて生活することになり、くるぶしから脚の付け根まで広がる痺れの症状が消えた事は無かったとか。

俳優としてというよりも日常生活にも不安を覚えるほどの症状だったそうで、その後は様々な全身症状が現れるにつれて引きこもりのような生活に。

そこで病院・整体・カイロプラクティック・気功療法など様々な方法を試したそうですが、そこで出会った病院の医師にアドバイスを受けたのが「呼吸法を使ったリハビリ」。これが決定的な解決策に。

そこからは医療分野だけではなく、スポーツや武道に関するあらゆる書物を読んで独学で学び、気付いたのが「身体の真の中心部分である丹田(たんでん)が重要」という事。

丹田とはへその下の部分にあって体の気力が集まる部分といわれている部位。特に武道では様々な分野でキーワードとして挙がる用語ですよね。

そこで丹田を意識する呼吸法を色々と試行錯誤する中でたどり着いたのがロングブレス。

自己流で始めて1か月が経つ頃にはずっと抱えていた坐骨神経痛の痛みが遂に解消されるに至ります。

30歳の時から22年間も苦しめられていた痛みからやっと解放された瞬間でした。

そこからロングブレスを続ける事で体重が落ちて、体は自然と筋肉質に。

この時に痩せたという事実をもって「ロングブレス=ダイエット法」というアプローチで世間に出したわけですが、本来は「ロングブレス=健康法」であるというのが美木良介氏の主張。本人が痛みから解放されたストーリーを追ってみると確かにそう言えるかもしれませんね。

そして石原慎太郎氏が脳梗塞の後遺症で苦労されている姿をテレビで偶然目にした美木良介氏は、石原慎太郎氏と親しいという間柄の知人を伝って「1年後に元気に歩けるようにして、左手も使えるようにするので、僕にやらせてくれないか?」とアプローチ。

実はロングブレスを指導するスタジオで生徒に指導を行っていくうちにそういったケース(麻痺からの再起)には何度も遭遇していたのである程度の自信があったとか。

その医学的根拠については次の項で。

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呼吸と脳の関係性

運動機能と脳について研究するさかえクリニック院長の末武信宏医師によると、

普段の私たちの呼吸は無意識に行っているものですが、意識して呼吸をする事もでき、それがロングブレスや深呼吸などの呼吸。

そこで意識的に長く深く呼吸する事で息の量に比例して呼吸1回あたり多くの酸素を取り込めるというシンプルなメカニズム。

この増えた酸素量によって脳細胞が活性化できるというのが呼吸と脳の関係性。

さらに脳細胞が活性化すると麻痺が改善されたりする効果については、麻痺に関連しているダメージを受けた脳細胞の周辺が活性化してダメージを受けてしまった脳細胞の代わりに正しい指令を出してくれるようになるという原理。

一度深刻なダメージを受けてしまった脳細胞自体が元に戻る事は無いそうですが、その周辺がサポートする事で運動機能が回復するわけですね。それには呼吸によって酸素を多く送ってやる必要があると。

また、指令が伝わっていく神経がダメージを受けて麻痺が残るケースもありますが、神経を作っている神経細胞が呼吸によって活性化される事で新しい神経が作られて、破損した場所を迂回して指令を伝えてくれるようになるのだとか。

「脳細胞や神経など全身の細胞を活性化させる為には呼吸しかない。」と語る美木良介氏。

末武信宏医師によると、呼吸法によってスムーズな歩行が出来るようになるという事は十分あり得るとの事。

ロングブレスエクササイズ3種のやり方

ではどんな方法で石原慎太郎氏はまた歩けるようになったのか?そのやり方についてご紹介。

今回は高齢者に合わせた内容にもなるので全てのエクササイズを座った姿勢で行えるのが特徴。

基本のロングブレス呼吸法

まずは全ての基本となる呼吸法のやり方。

  1. イスに座ったまま足をクロスしてお尻を締める
  2. お腹を引っ込めたまま息を鼻から吸って口から吐く
  3. あとは立ち姿勢のロングブレスダイエットと同様に3秒で吸って7秒で吐く

足をクロスするのはどちらの足でもOK。クロスしてお尻を締める感覚が重要で、そうする事で骨盤底筋群を少し引き上げるのが狙い。

とにかくお約束は一つだけ「吸っても吐いてもお腹は引っ込めっぱなし」。

吐く時は頬を少し膨らませて全身(指先まで全て)に力を込める事。腕を回す時は肩甲骨をグッと締める感覚。

この呼吸法が全ての基本。

ロングブレス簡単スクワット

まずは大腿四頭筋(太もも)を鍛えるスクワット。

歩く際、足を前に出す時に膝はまっすぐに伸びていますが、その動きをするのが大腿四頭筋の役割。ここが衰えると膝が伸びないのですり足による歩行になってつまずきの原因に。

また、階段を上がる時は一度曲げた膝を再び伸ばさないと階段は上がれないので、大腿四頭筋は必要不可欠な存在。

特に高齢者になると立ち上がる時に机に手をついたり、手すりにつかまったりしがちですが、そうなると何かに支えてもらいながら真っ直ぐに立とうとするクセがつくのだとか。

ただ人間の体の構造的に、本来はやや前傾姿勢になりながら親指に体重を乗せながら立つのが正しい立ち方。

そこで紹介するのが簡単スクワット。

  1. イスに座る
  2. 頭の横に両手を持って来て振り子のように下に腕を振りながら立ち上がる
  3. 立ち上がる際には前傾姿勢で口から息を吐きながら
  4. 鼻から息を吸いながらイスに座る
  5. 10回繰り返す

普通のスクワットは下半身に大きな負荷がかかるトレーニングなので高齢者にはおいそれとは出来ないのが現実。という事でこの簡単スクワットの動きで補助してやりながら楽にスクワットを行うというアプローチのようですね。

ポイントは腕を振る事と親指に体重を乗せる前傾姿勢ですね。

慣れてきたらお尻をイスにつけないようにすると負荷がアップするので挑戦してみましょう。

エクササイズとロングブレスを掛け合わせる効果について末武信宏医師によると、

「呼吸と運動を連動させるという事ですね。血流を良くする事を行いながら筋肉のトレーニングを行うと筋肉を効率よく鍛えられると推定されます。」

十分な酸素を取り入れながら運動をする事で細胞を活性化さて筋肉の回復・成長が早くなるという原理ですね。

実際に入浴やサウナで血流をアップさせた状態で筋トレを行うと筋トレ効果が上がるという研究結果もある位。

足上げロングブレス

2つ目は腸腰筋を鍛えるトレーニング。

腸腰筋とはインナーマッスルの一つで上半身と下半身をつなぐ筋肉。

歩く時に太ももを持ち上げるが腸腰筋の働きで最も意識して欲しい重要な筋肉。

つまずきの原因は足が高く上げられないからというものがありますが、ココが弱ると足が上がらないので階段も上れないですし、歩くのにも苦労する事に。そもそも足が上がらないのでやはりすり足傾向で歩くようになるんですね。

また、この腸腰筋を鍛える事でお腹ポッコリも改善するとの事。腸腰筋が鍛えられて骨盤の位置が正しい位置に矯正されるのでそうなるんですよね。

足上げロングブレスのやり方は、

  1. イスに座る
  2. 片足をなるべく高く上げる
  3. 足を上げると同時に息を吐く
  4. 足を下ろした時に息を吸う
  5. テンポよく30回
  6. 反対の足も同様に

脚の付け根が疲労したり、痛みを感じたりするのはしっかり腸腰筋に効いている証拠。

両足30回ずつで1セットが基本ですが、一日両足10回ずつから始めて無理のない範囲で何回でも行いましょう。テンポは0.5秒で一回足上げするぐらいの速いテンポ。

慣れてきたら片手で壁を支えにして立った状態で足を直角になるまで上げる方法で行うと負荷アップ。

さらにレベルアップしたい場合は足を伸ばしたまま横に伸ばしたり、後ろに伸ばしたりとバリエーションにも挑戦してみましょう。

YouTube動画。

支えなしで立っても行えるぐらいにバランス力が鍛えられたら歩くのなんてへっちゃらですね。

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腕振り足踏みロングブレス

やり方は簡単で、足踏みをしながらロングブレスをしながら大きく手を前後に振るだけ。

手を大きく振るのが大事で、特に高齢者になると腕の運動に連動して歩くという動作自体が出来なくなってしまうので、その連動性を取り戻すためにこの腕振りの動きがポイント。

詳しいやり方は、

  1. イスに座る
  2. その場での両足足踏みに合わせて両腕を大きく前後に振る
  3. 4歩で鼻から息を吸い
  4. 4歩で口から息を吐く

足踏みのテンポはやはり1歩0.5秒ぐらいで速めのテンポ。

メトロノームで1分間に120拍のリズムなのでコチラのYouTube動画が使えそうですね。

4拍目に音が変わるのでそのタイミングに合わせて息を吸ったり吐いたりしてみましょう。

ロングブレス?ただの筋トレ?という疑問

という事でこのような運動を続ける事で石原慎太郎氏はスタートから1年3か月の時点で腕を振って歩けるようにまで改善。

そして2年3か月が経つ頃には87歳という年齢で脳梗塞の後遺症があったとは思えないほどに軽快な動きで簡単スクワットをこなす姿も。30回を3セットの量で行っても平気との事。

スタートから4か月の時はゆっくりとイスから立ち上がるテンポが精いっぱいだったのが大きな成長が見えますね。

実際に歩くトレーニングをする様子を見た末武信宏医師によると、

「スムーズに腿が上がってますね。摺るような歩行の状態とは大幅に改善しているので、老人の歩行から若返ったと言えるんじゃないかと思います。」

前傾姿勢で不安定だった歩きからもすっと背筋が伸びて歩けるように。今では毎日2kmの距離を歩けるようにまで回復しているとか。

というのが番組で紹介されたロングブレス健康法(エクササイズ)。

ここまで見て感じるのは「これはロングブレスなの?ただの筋トレでは?」という大きな疑問。

というのも筋トレによって運動機能を取り戻そうというのはリハビリの基本ですし、それに呼吸を組み合わせると言っても筋トレ中に呼吸を意識するのが重要というのは筋トレの知識が少しでもある人からしたら常識中の常識。

ロングブレスは呼吸に集中する事で効果があるというのがその売りだったはずですが、そこにエクササイズまで混ぜ出したらそれはただの筋トレ・・・。

行っている筋トレ内容も大腿四頭筋を鍛えるスクワットと腸腰筋を鍛えるレッグレイズを高齢者向けに簡単にした内容ですし、その場足踏みも特に真新しいアプローチのトレーニング内容とも思えません。

結局、これらの筋トレで鍛えられるというのはやはり歩行困難な人が主な対象だと思えますし、今現状として普通に歩けるという人はこれらのロングブレスエクササイズではなく、普通の筋トレを呼吸を意識しながら行う事の方が有益だと感じます。

というのも、元気な人からしたら負荷が弱すぎてロクなトレーニング効果が上がらないというのが関の山でしょうね。

という事であくまで今回紹介したトレーニング方法は筋肉がかなり弱った人向けというのが真実。

亡くなった女優の森光子さんも舞台に立ち続ける為にスクワットを欠かさずに行っていたのは有名な話ですし、今でもお元気な黒柳徹子さんもジャイアント馬場さんから教わったスクワットを日課にしていて健康維持に努めているのは有名。

要するに歳をとってもきっちりトレーニングを行う事で長く健康でいられるという至極真っ当な事を言っているわけで。

また、最後にアドバイスとして付け加えるとしたら歳をとってくると食事量も減るので、そうすると自然と体作りの資本ともいえるたんぱく質の摂取量も落ちるんですね。

ですから意識的にお肉や魚、大豆製品を多めに食べるように食生活を改善してみましょう。

私は個人的に高齢者にこそプロテインドリンクのような手軽に摂取できるたんぱく源が有効だと思っていますのでプロテインドリンクも積極的に導入してみて欲しいものです。

また60歳以上になってくるとトレーニング直後30分以内にたんぱく質を摂取する事で筋肉の成長度合いがアップするという研究結果も出ていますので、筋トレ後は素早く栄養補給するのがオススメです。この効果は若い人に比べて高齢者で顕著なのは見逃せないポイント。

さらに血流アップには温泉療治なども効果的。

特に炭酸泉は血流アップ効果が大きいので寒暖差によるショックなどに最大限に注意しながら温泉効果も取り入れて欲しいですね。

というわけで以上、金スマ紹介の最新ロングブレス“健康法”のやり方&そのウソとホントを検証でした。是非ご参考に。

コチラの記事も。

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