ストローでジュースが飲めるその原理とは?第99回 NHK「チコちゃんに叱られる!」より
20年7月17日放送の第99回 NHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『ストローでジュースが飲めるのはなぜ?』という科学的な疑問。普段何気なくやっているこの“ストローで吸う”という行為ですが、その原理を正しく説明できますか?
ということで、20年7月17日に放送された第99回 NHK「チコちゃんに叱られる!」の様子をまとめてご紹介します。
※同放送回のその他の疑問は別記事でフォロー。
スポンサーリンク出演者
【メインMC】チコちゃん(声:木村祐一)
【アシスタント】塚原愛(NHKアナウンサー)
【ナレーション】森田美由紀(NHKアナウンサー)
【レギュラー】ナインティナイン 岡村隆史
【ゲスト】夏木マリ、小林よしひさ
【VTR】山西惇、松永玲子
チコちゃんの疑問その2
ストローでジュースが飲めるのはなぜ?
2問目の指名は、
この中で一番、ジュースが好きでたまらないステキな大人ってだーれ?
ここは珍しく岡村さんが2問目に出番。
チコちゃんの疑問は、
なんでストローでジュースが飲めるの?
岡村「それはだって・・・両方穴開いてるじゃない。」
「吸うから」というシンプルすぎる答えになるわけはないので、何とか粘る岡村さんに、少しずつ助け舟を出すチコちゃんですが「液体が縮まる!私によって!」と言い切った所で、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
夏木マリさんやよしお兄さんにも続けて聞いてみると、ストローを吸った時にストロー内の空気が薄く(真空に)なるからという少し科学的な答えを出しますが、チコちゃん的にはまだ足らない様子。
チコちゃん「吸ってない所を言って欲しいんだよねぇ。」
チコちゃんの答えは、
ジュースが大気圧で押されているから
解説は東京理科大学物理学科の川村康文教授。
川村先生「マイストロー持ってるの?」
チコちゃん「持ってます。水筒も持ってる。」
エコ意識が高いチコちゃんw
解答者がしきりに繰り返していた「吸っているから」というのは“あくまできっかけ”と川村先生。
重要なのは吸引力ではなく、大気圧の働き。
大気圧とは空気の重さによって生じる圧力の事。
私たち人間も空気に押されて圧力を受けているのが常ですが、この大気圧はジュースの水面にも等しくかかっている力なんですが、
これはストローの中にある液体にも等しくかかっている力もあるわけですね。
ストローの中と外で液体の水面の高さが同じなのは大気圧の大きさが同じだから。
ところが、ひとたびストローで吸うとこのバランスが一気に崩れる事に。
ストローの中の空気を吸うと、ストロー内の空気の量は当然減って、圧力は小さくなりますよね。
これに対してストローの外の水面では大気圧は変わらないまま。
こうして生まれた大気圧の力の差によってジュースの水面にかかる大気圧がストロー内のジュースを押し上げるというのが原理。
つまり、私たちはストローでジュースを吸っているのではなく、科学的に正しい説明は、ストローの中の空気を吸う事でストロー内の圧力の大きさを調節してジュースを飲んでいるというわけなんですね。
この大気圧は上からだけではなく、あらゆる方向からかかっていて、例えばストローをジュースにつけて、飲み口を指で押さえて持ち上げてもストローの中に入ったジュースがこぼれなくなるのも大気圧の影響によるもの。
あの理由は大気圧が下からジュースを押しているから。
ストロー内の気圧とジュースの重さを足したものが大気圧とちょうど釣り合っている状態。
スポンサーリンクさらにここで、とても長いストローではどうなる?という疑問も浮かんできますが、ここは実際に実験で確かめてみる事に。
1mずつ高さを変えて下に置いたジュースをどれだけの高さから吸えるか大実験。
まずは高さ1m。
二宮金次郎像とほぼ同じ高さ。
ここは問題なくクリア。
続いて高さ2m。
渋谷の駅前にあるモヤイ像とほぼ同じ高さ。
ここもクリア。
この時点で頑張って吸わないとジュースが上がって来ないとの事。
ストローが長くなればその分だけ吸う空気の量が増えるのでよりハードに。
お次は3m。
岐阜県にある黄金の織田信長公像と同じ高さ。
ここもクリア。
さらに4mの宮城県の伊達政宗公騎馬像と同じ高さや5mのねぶたと同じ高さもどんどんクリア。
続いて高さ6mでイースター島のモアイ像とほぼ同じ高さでは、
ギリギリクリア。
さらに高さ7mでエジプトのラムセス2世の立像と同じ高さでは、
1分20秒の死闘の末にクリア。
さらにさらに高さ8mでシンガポールのマーライオンとほぼ同じ高さですが、
ここでギブアップ。
結果は7mまではストローで吸えるとなったわけですが、
改めて川村先生に実験結果を報告すると、
水の表面にかかる大気圧は1気圧が基本で、この1気圧で押し上げられる水の高さの限界は物理学的には約10mとか。
ストロー内の空気を全て吸い尽くしたとしても下げられるのは0気圧までなので、1気圧で上げられる高さの限界がそのままストローで吸える高さの限界になるわけですね。
さらにジュースになると水よりもやや重たいので余計に難しくなると川村先生。計算上は9mほどは上がるハズですが、人間の吸える力の限界や、疲労などもあるので今回の実験では7mが限界という結果になったとか。
先に計算上の数値を言って欲しかったと文句めいた事を言う番組スタッフには、実際にやってみる事に価値があると諭す川村先生w
ということでコチラが結論。
ストローでジュースが飲めるのはジュースが大気圧で押されているから
でした。
チコちゃんが受けている圧力は?という謎の質問には「公共放送の一番組を任されているんだから自覚を持てよという無言の圧力」とチコちゃんw
最後に塚原愛アナから補足。
近年ではプラスチックごみの環境問題への取り組みの一環としてプラスチック製ストローの使用取り止めの動きを各国が進めていますよね。
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