吉田正尚の筋肉を作る室伏広治流トレーニング法の内容とは?3種の器具複合トレに注目
スラッガーとしては身長173cmと小柄ながら凄まじいスイングからホームランを量産する吉田正尚選手。そんな彼がシーズンオフに師事したのがハンマー投げの室伏広治。マッチョマンこと吉田正尚選手の筋肉を作るその独特のトレーニング法とは?
そのトレーニング内容について20年7月18日深夜(日付変わって19日)TBS系のスポーツ情報番組「S☆1PLUS」で紹介されていた内容を元に詳細をご紹介します。
スポンサーリンク腰のケガ
その規格外の打球を生み出すフルスイングの代償として吉田正尚選手は激しい腰の痛みと戦う事に。
怪我の影響もあってルーキーイヤーのプロ1年目は63試合出場に留まり本人も不本意なシーズンを過ごすことに。
腰痛の影響は2年目も例外ではなく、64試合出場という寂しい数字。
フルスイングの代償は大きかったものの、
吉田正尚「(フルスイングを止めようとは)考えた事は無いですね。僕のストロングポイントでもありますし、“やる““やらない”とかじゃなくて、そうなってしまうんで。それでダメだったらダメって感じで腹くくっていかないとね。」
そこで下した決断は腰の手術。
プロ2年目を終えた2017年11月の事でした。
痛みの原因だった腰椎の椎間板ヘルニアの除去手術。
吉田正尚「トレーニングとか野球に関してもう一つ追い込みたいって時にどうしても頭に浮かぶのが“これ以上やったら腰が張るんじゃないか?”とか“次の日に影響が出るんじゃないか?”あったので、レベルアップする為にも決断しましたし、もちろん再発しないのが一番ですし。」
「もう一回イチから作り直すくらいの気持ちでイメージしてますけどね。」
室伏広治に師事
そして2018年1月。
イチから作り直す覚悟で吉田正尚選手が師事したのがハンマー投げの室伏広治氏。
自ら手紙を書いて弟子入りを志願するほどの熱の入れようだったとか。
フォームローラーを背中にかけるシーン。腹筋トレをするようなイメージで腹直筋を伸ばしたり縮めたりしている様子。
吉田正尚「アスリートの中でも一番だと思っていますし、トレーニングだったり怪我の後ベストパフォーマンスを出す方法を生徒に教える立場に回って、そういう話を聞けたらと思ってまして。」
どうしても聞きたかったのが「ケガをしない体作り」について。
紙風船トレ
トレーニングに用いられるのは紙風船。
現役時代から独自のトレーニングを数多く実践していた室伏広治氏らしいこの紙風船トレ。
そこから左足を一歩後ろへ。紙風船も左下方へ。続いては右足を一歩後ろへ動かして、紙風船も右下方へ。
低い体勢を保ったまま紙風船を左右に移動させるこのトレーニングでは、
主動筋(主に動く筋肉)と拮抗筋(対になって反対の動きをする筋肉)を同時に鍛える事が出来るのでケガ予防に効果的という室伏広治氏の理論。
普段よく使っている筋肉だけではなく、意識し辛い拮抗筋も一緒に動かすというコンセプトのようですね。
特に重いウエイトを扱うわけでもなく、空気のように軽い紙風船を使っているだけですが、かなり下半身に効いている様子。
吉田正尚選手も「キツさがあまり伝わらないですよね。笑」と苦笑い。
スポンサーリンク室伏広治流体幹トレ
アスリートにとっては基本となる体幹トレも室伏広治流となれば「ハンマー」を使った独特の動きに。
腰の両側に1つずつハンマーをぶら下げた状態で両手には小さ目のケトルベルを持ちつつチューブを使って姿勢キープ。
腰を下げると同時に腕を上げる→腰を元の位置に→腕を下ろすという順晩で動作。
室伏広治「(チューブを)上げながら(腰を)下ろす。そう。」
男子用のハンマーは1つで約7kgという重量。それを両腰につけているとはいえ、決して高重量を扱ったトレーニングではないのに吉田正尚選手はかなりキツい様子。
ケトルベルにバンドを通してバーベルの両サイドに垂らすことでブラブラと揺れるケトルベルの負荷に耐えるコアスタビリティーを強化するトレーニングなどは海外でも行われていますが、
YouTube動画。
腰に揺れるウエイト(室伏広治流ではハンマー)を付けて、チューブとケトルベルを同時に使うという3種類の器具の複合トレーニングというのは非常に珍しい光景。
腰にハンマーをぶら下げる事で体幹と共に「体幹を支える筋肉」も同時に鍛えるというのが室伏広治氏の理論。
確かに、チューブを引っ張る手元だけではなく、ハンマーに揺らされる腰部にも神経を使う必要があるので納得。
ちなみにチューブやバンドを使うと、伸びれば伸びるほどに負荷がかかり、縮むときは逆に加速度をもらう事が出来るので運動動作を体に染み込ませるためにも有意義だったり。そこにさらに揺れるウエイトが加わるとより体に加わる力が複雑化しますよね
その複雑な負荷に耐えるトレーニングを通して全方位をカバーできる筋肉が出来上がるという事なんでしょう。
ただただ重いバーベルを上げ下げするだけでは見えてこない深い世界がそこにあるような気がします。
室伏広治流トレーニングでは「これをこうするとここの筋肉が動く。そしてバッティングでもこう活きる。」と懇切丁寧に指導されるのでどこをどう意識すべきなのかがハッキリしていると吉田正尚選手。
足を入れ替えたりという事も無く、この姿勢で小さく上下。ハンマーは前後にブラブラさせるように。腰を後ろから押さえているのは体幹を意識するためでしょうか。
続いてはバンドを取りつけたケトルベルを背中側にもって来て、膝を極小さく上下。
室伏広治氏がバンドを左右に揺らして負荷をかけている模様。
YouTube動画。こちらはケトルベルを使ったスタンディングプルオーバー。室伏広治流トレとは無関係なので悪しからず。
立った状態のプルオーバー動作(頭上を通して背中側にウエイトを動かす動作)自体がなかなか珍しいですが、室伏広治流になると、プルオーバーした状態をキープしながらさらにバンドを使ってスイングさせつつ、膝を小さく屈伸するという特異的な動き。
ただのウエイトトレーニングとは一線を画すコンセプトがそこに感じられますよね。
室伏広治氏に師事して体作りを見直した結果、
プロ3年目の2018年はレギュラーシーズン143試合出場。
続く4年目の2019年シーズンも全試合出場とフル回転。
というわけで以上、20年7月18日深夜(日付変わって19日)放送の「S☆1PLUS」から、吉田正尚選手が指導を受けていた室伏広治流トレーニング法の内容についてでした。
コチラの記事も
吉田正尚の筋肉を糸井嘉男が解説 ホームランのための室伏トレーニング方法