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バインミーとは?意味やつづりはどう書く?その歴史とルーツはフランスと戦争に関係アリ


バインミーとは簡単に説明するとフランスパンで挟んだベトナムサンドイッチの事を指しますが、そのルーツや歴史を調べていくとフランス文化の流入だったり、戦争の影響によってベトナム国内に根付き、その後国外に広まっていくという深いお話があったり。

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バインミーとは?

まず始めにバインミーのつづりについてですが、

Bánh mì

というのが正しい表記。バインミーとは?意味やつづりはどう書く?

その意味は「ベトナム語でパンの総称を指す言葉」ですね。

ちなみに英語でバインミーを書く場合はアルファベットに直してBanh miに。オックスフォード英語辞典に2011年に登録されているので一応英単語として確立していたり。バインミーとは?意味や英語のつづりはどう書く?

その気になるルーツは実はフランス文化の流入だったりしますが、地政学も関わって来たりしてかなり深いお話。

そもそもの発端は、ベトナムがフランス領インドシナの一部だった為に19世紀中ごろにベトナムにフランスパン(バゲット)が流入したのが全ての始まり。

当時は輸入小麦粉の値段の高さのせいで「フランスパン=高級品」という位置づけだったとか。

この頃は庶民にまで広まった主食という地位までまだまだの段階。

戦争の影響

その後、第一次世界大戦の頃には輸入小麦粉の市場が混乱を来したために、

ベトナム国内で小麦粉にプラスしてより安価で手に入りやすい米粉を混ぜてパンを焼き上げるという手法が広まります。

ベトナムのフランスパンに米粉が用いられるようになったのはコレがきっかけ。

また、温暖湿潤なベトナムの気候では出来上がったパンが早めに傷んでしまうために、

それに対応する形で1日に2度パン焼きを行うという習慣が出来た事も手伝ってベトナム風フランスパンが確立していったという地政学的な側面も。

その土地の性格に合わせて順応し、徐々に変化していくというのはよくある話ですよね。バインミーとは?バインミーに米粉は絶対に必要?

ベトナム風フランスパンは主に朝食などを飾るようになって、砂糖やバターなどと一緒に食されていたそうで、トーストみたいな位置づけだったようですね。

この変化によってベトナムのフランスパンは元祖フランスパンと比べて軽い食感で空気を多く含み、外側は柔らかく、サクサクしか食感に。日本でイメージされるフランスパンとは一線を画すというのが実際の所。

その食文化が徐々にベトナム国内で根付いていった結果、

20世紀初頭にはバインミーはベトナムで主食として食べられるほどにポピュラーな存在に。

1950年代にはサイゴンを中心に屋台などで広く売られるいわゆるストリートフードとして発展し、その地位は揺るぎないものに。

サイゴンを中心に広まったという事で、bánh mì Sài Gòn (サイゴンサンドイッチ、サイゴン風サンドイッチ)と呼ばれていたとの事。

ちなみにバインミーを販売する店で一番古い歴史を持つのが1958年オープンのお店なのだとか。

1946年から1954年にかけてベトナム民主共和国の独立をめぐってフランスとの間で勃発した第一次インドシナ戦争を終結する為に開かれた和平会談、ジュネーヴ協定(1954年)によってベトナムは南北に分断されましたが、

ハノイなどがある北部とサイゴンなどがある南部に分かれた事で北ベトナムから南部に多くの移民が移住した事でサイゴンでバインミーが急速に広まったんですね。

ちなみに「米粉を加えているからバインミーっぽさが増す」というのは合っていたり、間違っていたりで、バインミーっぽい食感は発酵温度、生地の成型方法、焼き上げる温度などが組み合わさって演出されるものなので、

  • 米粉が含まれる=ホンモノのバインミー
  • 小麦粉のみ=偽物のバインミー

という認識はちょっと間違い。

一応、米粉を小麦粉にブレンドした生地はバインミーの元祖スタイルとも言えますが、バインミーの必須要素というわけではないというのは覚えておいた方が良いかもしれませんね。

ベトナムから北米へ

さらにベトナム戦争後には海外在住のベトナム人コミュニティによってオーストラリアや北米を中心にバインミーが広まって行く事に。

こんな広まり方をしていたので実はアメリカ(特にカリフォルニア北部)やカナダではバインミーというのは割と知られた存在だったりするんですよね。

というのも1980年代のカリフォルニアを中心にベトナム系アメリカ人たちの手によってバインミーは徐々に浸透を見せていて、

その頃にはベトナム料理のファストフード店である「Lee’s sandwiches (リーズサンドイッチ)」(元々はフードトラックによる移動販売の形態で1983年から)が営業していたという歴史を持っていたり。

今ではベトナムでは主食として食べられるほどにポピュラーな食事ですが、

元々はフランスの影響を強く受け、さらには戦争によって徐々にベトナム国内や国外に広まっていったという背景を持つ、

まさにベトナムの歴史を体現しているような食べ物と言えるのがバインミーなんですね。

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