小学生低学年が読解力をつけるおすすめ本9冊&ポイントは親の問いかけ?雑誌プレジデント ファミリーより
雑誌「プレジデント ファミリー 2021冬号」は家で伸ばす読解力特集。そこでおすすめされた小学生低学年が読解力をつけるための本9冊のブックリストは?そして、ただ読むだけではなく「親の問いかけ」が読解力を鍛える為の大切なポイントという事ですが。
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大どろぼうホッツェンプロッツ
ドイツの児童文学で毎年、読書感想文の推薦図書に選ばれる定番の一冊。
2人の少年が盗まれたおばあさんのコーヒーミルを取り返そうと大泥棒を追いかける冒険小説。
大泥棒や魔法使いを相手に少年たちが知恵を振り絞ってピンチを脱出するストーリーはワクワク感満載。
子どもへの問いかけ例は、
「カスパールとゼッペルの一番大事な事って何だろう?」
作中には「ぼくたち、いちばんだいじなことを、わすれるところだったよ!」という一文が登場しますが、それを正しく捉える事が出来るでしょうか?
2人の行動もヒントになるのでよく読み解いてみましょう。
10分で読める物語 1年生
日本や世界各地の名作、詩、俳句、科学のお話など13の物語が収録された一冊。
国語の先生が小学1年生のために選んだ物語ばかりなので読みやすいのが特徴。
また、巻末につけられた「お話を読みおわって」では物語をより深く楽しむための解説が読めるのもポイント。
子どもへの問いかけ例は、
「ライオンの『かり』の様子を詳しく教えて。」
描写を上手く捉える事が出来ているかをこの問いでチェック。
おじさんのかさ
『100万回生きた猫』で有名な佐野洋子さんの絵本。
傘を大事にするあまりに雨が降っても自分の傘を差ささないそんなおじさんがある出来事をきっかけに変わっていく物語。
心の変化、言葉の美しさやリズムを絵と共に楽しめる一冊。
子どもへの問いかけ例は、
「傘を差すのを嫌がっていたおじさんはどうして傘を差そうと思った?」
おじさんにどんな変化が訪れたのか?そのきっかけをどう解釈しているかがポイント。
エルマーのぼうけん
少年エルマーの冒険を描いたシリーズ3部作の第一巻。
今作ではどうぶつ島に閉じ込められている「りゅうの子」をエルマーが救出に行くストーリー。
輪ゴムや歯ブラシなどの身近な道具を使ってピンチを脱して行く王道の冒険物語。
作中に登場する島の地図も素晴らしい出来なので隅々まで読んで楽しめる一冊。
スポンサーリンク子どもへの問いかけ例は、
「カナリアの王様がかかってしまった『しりたがりの病気』ってどういうものだろう?」
なぜ?どうして?かがくのお話
5冊目は『なぜ?どうして?かがくのお話 1年生』。
雨はどうして降る?虹はどうして出来る?ウサギの耳はなぜ長い?あくびはどうして出る?といった身近な疑問を写真やイラストと分かりやすい文章で解説した科学入門書。
子どもへの問いかけ例は、
「あくびってどうして出るんだろう?」
読み終わった後に作中に登場した疑問について改めて問う事で、文章を正しく理解しているかチェックできますね。
手ぶくろを買いに
以前は小学3年生の教科書にも載っていた童話。
人間の町に手袋を買いに出かけた親子のキツネでしたが、買い物の際に人間の手に変身させていない前足をついうっかり差し出してしまった子ギツネは・・・。
短編ながら親子の愛、人間と動物との関係などを考えさせられる一冊。
子どもへの問いかけ例は、
「母ギツネは何であきれたんだろう?」
作中には『それを聞いた母ギツネは『まあ!』とあきれました』という文章が出てきますが、それは一体なぜ?
母ギツネは手袋を買いに行かせる時、子ギツネにどんな事を伝えましたか?
母ギツネがあきれてしまったのは、子ギツネがその言いつけを破ってしまったからですがそれは何だったでしょう?
はれときどきぶた
もし日記に書いた内容が全て現実の出来事になってしまったら・・・?
お母さんに勝手に日記を覗かれた事に怒った主人公の小学3年生、則安くんが付け始めた空想だらけの「あしたの日記」。
その日記が巻き起こす大騒動が軸となる物語。
子どもへの問いかけ例は、
「則安くんはどうしてまだ夢を見ていると考えたんだろう?」
朝になって目覚めた則安くんは「まだ、目がさめていないのかもしれないぞ」と思うのですが、それは朝どんな出来事があったから?
スポンサーリンクなんでもただ会社
フランスの人気児童文学。
いたずら好きの主人公ティエリーが留守番中に「なんでもただ会社」にいたずら電話をかけてしまい、調子に乗ってどんどん注文してしまった挙句に・・・。
楽しい物語のハズだったのにあれよあれよと恐ろしい事態に。
子どもへの問いかけ例は、
「ティクサール星ってどういう場所かな?」
言葉図鑑
全10巻の言葉図鑑。
「うごきのことば」「かざることば」「くらしのことば」など、言葉を品詞ごとに分けてイラストと共に紹介した日本語図鑑。
語彙力を鍛えるのにもおすすめの一冊。
子どもへの問いかけ例は、
「大人じゃないと使わない言葉ってどんなものがあるか教えて。」
問いかけのポイント
本好きで読書に熱心な子どもでも実はちゃんと「読めていない」というのはよくある話。
例えば、
- 物語の設定を正しく分かっていない
- 行間に込められた登場人物・作者の本音が読み取れていない
- よく意味の分からない言葉を読み飛ばしている
などなど。
なぜこんな事が起きるかと言えば、それは、
文章をじっくり読む「精読」が出来ていないから。
ざっと物語の流れを掴むだけであれば適当に読み飛ばす「通読」で問題はなく、言葉の定義などを厳格に理解する必要もありません。
ところが精読になると言葉の定義をきっちりと判断できないと細かい意味の違いを取り違える事もしばしば。
この精読が出来ないと「=読解力がない」事になってしまうんですね。
そんな時に役立つのが親からの「問いかけ、声かけ」。
これをヒントに子どもは「どうしてかな?」と考えながらじっくり読むようになるので読解力向上の大きなきっかけに。
そして、一つ注意点としては、
決して子どもをテストする感覚で問いかけてはいけない
という点。
出来れば一緒になって本を読み、読後の感想のように「どうして○○なんだろうね?」と聞いてみる事。
子「□□だからかな?」
親「そう?私は△△だと思ったけど、どう?」
こんなやり取りをしてみて、もう一度親子で読み直してみるのがコツ。
一緒に読めない時は「おもしろそうな本だね。どんなお話なの?」と聞くだけでもOK。
以上、雑誌『President Family (プレジデント ファミリー) 2021冬号』に掲載された小学生低学年が読解力をつけるためのおすすめ本9冊&問いかけポイントについてでした。