へそくりの語源・本来の意味は?漢字でどう書く?チコちゃんに叱られる
21年1月29日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『へそくりって何?』という言葉の語源に関する疑問。へそくりの意味はこっそり貯めたお金というのは誰でも知っている事ですが、その言葉の本来の意味とは一体何なのでしょうか?その他にへそくりを漢字で書くとどう書くのか?なんて疑問やへそくりは実は省略した言葉なんて事実も発覚したり。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】キムラ緑子、ミキ昴生
【VTRゲスト】森本レオ
へそくりって何?
第2問目の指名は、
この中で一番、奥さんに隠し事をされないステキな大人ってだーれ?
新婚の岡村さんは「ぼ、ぼくかな?笑」と照れつつ回答者に決定。
回答者はキムラ緑子さんに。
ここでチコちゃんの疑問は、
なんでこっそり貯めたお金をへそくりっていうの?
昔のお金はへそにクリッと入りそうだからという答えですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
続いて「グリーンちゃん」呼びされたキムラ緑子さんは、へそのごまから連想して「ごまかす」からへそくりといういかにも答えっぽい回答ですが、
チコちゃん「何と上手いお答え!感服も感心もしましたが、不正解でございます。」
最後に昴生さんにも聞いてみると「屁そっくり」が語源で、実体のないモノ、見えないモノという意味という答えですが、さて正解は?
というわけでチコちゃんの答えは、
糸を作って貯めたお金
スポンサーリンク解説は梅花女子大学の米川明彦名誉教授。チコちゃんで言葉の語源について数多く出演される先生ですね。
へそくりとは実は「ヘソクリガネ」という言葉が省略されたモノ。
これはヘソをくって稼いだお金という意味。
ますます意味が分からないような気がしますが、この時の「へそ」とは体のおへその事では無いんですね。
へそくりを漢字で書くと「綜麻繰り」と書くのですが、この綜麻とは「麻で出来た糸」を指す言葉。
麻は古くから衣服や道具に使われて来た歴史ある繊維ですが、この麻の糸を巻き取って丸めたものが綜麻。
つまり「へそくり=綜麻繰り」とは繊維をより合わせて麻糸をまとめる糸巻き作業の事で、この綜麻を売る事で稼いだお金の事を「へそくりがね=綜麻繰り金」と呼ぶんですね。
江戸時代の辞書である「俚言集覧」には綜麻繰金という見出しで綜麻を繰ってためたる金なりという表記があったり。
当時この綜麻繰りで糸巻きをしていた女性たちはある慣習を行っていて、
江戸時代の地方文化をまとめた旅行見聞録である真澄遊覧記の中の「外浜奇勝」を参考に女性民俗学の権威である瀬川清子が記した論文には、綜麻繰りの背景には「ある愛情物語」があったと書かれているとか。
ここで始まったのが「朗読劇 故郷へのヘソクリ」
読み手はもちろん森本レオさん。
内職で綜麻繰りをしていた妻は家計の助けにするためにコツコツと綜麻を作り続ける毎日。
そんな健気な妻には故郷に一人残した最愛の母が心残りの存在。
年老いた母への想いから、母の為に作った綜麻の一部を売らずに残して保管。
本来は生活の為に売るべき綜麻を離れた実家で暮らす母の為とはいえ、隠れて貯め続けるのは本来は忌むべき行為。
それでも夫には内緒にして貯め続けた綜麻は母にもしもの事があった際に使う経帷子(きょうかたびら)=死者に着せる着物の材料に。
江戸時代に麻糸を作っていた陸奥地方などでは子が親の為に経帷子を仕立てるという古くからの風習があったとか。
そして経帷子が完成した段階でまだ親が健在だった場合は白い経帷子に色を付けて普段の着物に仕立て直し、親にプレゼントをするなんて事も。
全ては故郷で一人暮らす母の為。
これこそが綜麻繰りに秘められた本当の意味だったんですね。
それがいつしか「親を思ってこっそりと綜麻を貯める」という慣習と「綜麻を売って得たお金」の2つがリンクする事で現在のへそくりの意味となったと米川先生。
最後に朗読劇の収録を終えた森本レオさんに奥さんのへそくりの有無について聞いてみると、贅沢に旅行に行っているのを見るとおそらくへそくりはあるのではないかという見解で終了w
というわけでコチラが結論。
へそくりは糸を作って貯めたお金
でした。
「こっそり貯めているのは中南米のお金でしょ?違うか。それはペソか。」というダジャレを交えた米川先生の問いかけには「もう先生ったら、シバいたろか♪ホンマ~♪」と笑顔で言葉がキツいチコちゃんw
ちなみに岡村さんに新婚家庭のお金事情について聞いてみると、奥様にお金を管理してもらってお小遣い制にする予定だとか。
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