フィギュアスケート選手は目が回らない?理由はトレーニング?チコちゃんに叱られる
21年4月24日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『なぜフィギュアスケートの選手は目が回らない?』というスポーツに関する疑問。実はフィギュアスケーターたちは目が回る練習を続けている中で脳からある物質が出るようになるというお話。そもそもなぜ目が回ってしまうのか?そのメカニズムをあなたは正確に答えられますか?
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】東野幸治、田中美佐子
【VTRゲスト】村上佳菜子
なぜフィギュアスケートの選手は目が回らない?
3問目の指名は、
この中で一番、子どもの頃、元気に遊んでいたステキな大人ってだーれ?
岡村さんが回答者に。
普通は遊園地のコーヒーカップなどに乗ると目がグルグル回ってしまうのに対して、フィギュアスケーターはスピンで高速回転した直後も平然と演技を続けていたりという話題を出すチコちゃんですが、
ここでチコちゃんの疑問は、
なんでフィギュアスケートの選手は目が回らないの?
高速回転をしているので景色が見えていないからという答えですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
東野幸治さんはどこか一点、目印を決める説や「回っていない!」と思いこむ気持ちの問題説を持ち出しますが果たして?
という事で選手の証言を得るべく村上佳菜子さんへ取材。
すると、
「私は目が回らないわけじゃないと思っています。三半規管のトレーニングだと思っています。三半規管は…何ですか?笑」
まさかフィギュアスケート選手本人もよく分かっていなかったようなので、
出張用チコちゃんがお叱りの言葉。
そんなこんなでチコちゃんの答えは、
脳から目が回らない物質が出るから
解説はJCHO東京新宿メディカルセンターの石井正則医師。
まずはなぜ目が回るのか?そのメカニズムから解説。
目が回るとは、
回転する事で視界が上下左右に揺れて、ジッと立っていられなくなる状態の事。
そしてこの目が回っている状態というのは実際に目が揺れ動いている事が原因。
スポンサーリンク回転し続けると目が左右に小刻みに揺れ、本人の意思に関係なく起こるこれを眼振と呼びます。
私たちの体の中には、色んな姿勢や動作の最終でもふらついたり、転ばないようにバランスを保つ三半規管が耳の中に備わっていて、この三半規管の中にはワカメのようにゆらゆらと揺れる沢山の有毛細胞が存在。
そしてこの毛の傾きが目が回る感覚を引き起こしている大きな要因。
体が回転するとその勢いで三半規管の中にある有毛細胞が傾くのですが、すると有毛細胞から脳へ「体が回転中!」という信号が送られます。
すると脳は「回転する動きについていけ!」という指令を目に伝達。
実際に回転中の目の動きをモニターで観察してみると回転に必死に付いて行こうと小刻みに動く眼球が見て取れます。
この眼振は視界を安定させるためには確かに必要な動きではありますが、長い間回転し過ぎると、急に回転が止まっても三半規管内の有毛細胞は急には止まれず、今度はその勢いで逆方向へ傾く事に。
電車やバスが急停止すると体が勢いで持っていかれる事があると思いますが、あの慣性の法則が有毛細胞にも起こるわけですね。
すると、傾きがまだ継続していると脳が感じている為に脳からは回転についていけ!という指令が出続けて、目が回るというメカニズム。
人間の三半規管がこんな作りになっているならフィギュアスケート選手も例外ではないようにも思いますが、
実はフィギュアスケート選手はスピンの練習を何度も繰り返すうちに脳内でGABA(ギャバ)という物質が多く出るようになるという変化が起こると石井先生。
このGABAは神経伝達、神経の興奮を抑える物質でリラックス効果のあるサプリメントとして販売もされていたり。
これが脳で分泌される事で体が回転しているという信号をブロックして目が回らなくなるという仕組み。
理論的には反復練習によってこの機能が働くようになるという石井先生。
そこで番組の取材担当ディレクターが体を張って実験。
仕事の合間を縫って体を回転させる事、1週間。
トレーニングを重ね、回転チェアーで30秒回った後に目の前にある平均台を真っ直ぐ歩けるか?という実験に挑みますが、平均台の一歩目で豪快にバランスを崩して失敗するという残念な結果に。
石井先生にその結果について報告すると、
「あの後、フィギュアスケートのコーチに聞いたんですけど、大体2000回転とか3000回転くらい回らないとダメみたいですね。3か月から半年ぐらいはかかるそうですよ?」
練習量が足りていなかったという訳ですね。
そこで村上佳菜子さんに協力してもらって同じ実験を実施。
するとあっさりと平均台をクリア。
では左右どちらに回転しても同じなのかも合わせて検証。
現役時代は左回転をしていた村上佳菜子さんに右回転にも挑戦してもらう事に。
するとあっという間に目が回って平均台に辿りつく前にフラフラになって大失敗。
実はフィギュアスケートは基本的にリンクを左回りに滑走し、遠心力を使かった左回転の技をする選手がほとんど。
こうなるといつも回る方向に回った時にしかGABAが出なくなるんですね。
ちなみに右回転はほぼ練習せず、逆回転を難なくこなす選手はかなりレアで、したがって逆回りのスピンを演技に取り入れると評価が上がる採点システム。宮原知子選手は左右どちらも均等に行えるそうですが。
というわけでコチラが結論。
フィギュアスケートの選手が目が回らないのは脳から目が回らない物質が出るから
でした。
好きな回っているモノは?という質問には「中華テーブル。」と返すチコちゃんで終了。
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