日本人のおなまえ しそが大葉になったのはなぜ?大きくないのに大葉の名前の理由
21年5月13日放送のNHK「日本人のおなまえ【外国人のギモン解決 スーパー編】」では『大きくないのに大葉という名前なのはなぜ?』という疑問が出題されていましたが、その理由とは?そもそも昔は大葉なんて言葉は一般的ではなかった?しそから大葉になったきっかけは?
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芽ジソ→大葉?
刺身のツマや天ぷらなど和食で用いられる事も多い大葉ですが、
元々、料理にあしらわれる「大葉の子ども=芽ジソ」というものがあり、
その生産者が「これをもっと大きくして売りだしたらどうか?」と考え、
芽ジソは小さな葉っぱなのでそれと比較する意味でも「大きな芽ジソ=大葉」と命名したのがそもそもの始まり。
小さかった芽ジソをなぜわざわざ大きくしようとしたのかというと、日本随一の大葉生産量を誇る愛知県豊橋市で大葉栽培の元祖とも呼べる井川六蔵さんによると、
「世の中景気が良くなったから、みんな料理店に食べに行くようになった。これを境に何か作らないといかんなと作り始めた。それが根拠。」
との事。
スポンサーリンク大葉の歴史
大葉開発のスタートは昭和30年ごろの高度経済成長期。
それまで食べるだけで精一杯だった時代から、徐々に豊かになる暮らしの中で料理も見た目が重視されるように変化。
すると料理人たちはこぞって料理の飾りつけにもこだわるようになっていき、その時に六蔵さんが目にしたのが大阪・京都の一部で流通していた大葉。
この頃はごく一部の料理店で使われているだけのマイナー食材。
これに目を付けた六蔵さんは「これは人が寄って来るだろう。料理店にも売れるわ。」と大葉栽培に熱を入れるように。
そもそもカイワレ農家だったという六蔵さんですが、その栽培は難航。
大葉は夏の植物なので寒くなると花が咲いてしまって葉っぱが落ちてしまい売り物にならなくなってしまうという難点が立ちふさがります。
つまり一年を通じて安定的に育てるのが難しかったわけですね。
そこで六蔵さんは夏の環境を通年再現しようと温室や電球などを導入して試行錯誤を繰り返す事に。
さらに生命力の強い大葉はこまめに手入れをしないと葉がすぐに大きくなりすぎて、そうなると今度は大きすぎて刺身のツマとしては使えなくなってしまうという難点も。
その為に大きくならないうちからこまめに手摘みする必要が。
そんな苦労を重ね、安定して栽培できるようになってきた後は「どこに売り出すか?」という問題が。
そこで六蔵さんは「ぜいたく品を使うのは食道楽の大阪と京都。東京は未開の地のはず。」と考えて大葉の存在が知られていない東京に向けて出荷する事に。
するとその目論見は大当たりで、それまでに無かったあしらい品として爆発的ヒット。
そのうち飾り付け用途だけではなく、天ぷらなどのメインの食材としての地位も確立するように。
こうして「大葉」というネーミングが全国区になったというわけですね。
その後は大葉栽培の技術を地元で広く伝えた六蔵さんの働きもあって愛知県豊橋市は大葉栽培の一大拠点に成長。
「農家が嫌で若い人はみな給料取り(サラリーマン)になりたい時代があった。それでみんなが戻って来て『大葉がいい。』と大葉をやり始めた。」
以上「日本人のおなまえ【外国人のギモン解決 スーパー編】」より大葉の名前の謎についてでした。