お刺身に菊がつく意味は?答えは醤油と菊の関係性?チコちゃんに叱られる
21年9月24日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」の第2問は『お刺身に菊がついているのはなぜ?』という問題。答えはお刺身を醤油で食べるようになったからだそうですが、醤油の前は何で食べていたかご存知ですか?そして醤油と菊の関係性とは?また、永山’sキッチンと題して永山先生による美味しい食用菊ベスト3もおまけで発表。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】五木ひろし、夏菜
【VTRゲスト】なし
お刺身に菊がついているのはなぜ?
2問目の指名は、
この中で一番、料理が得意なステキな大人ってだーれ?
ここは新婚の夏菜さんが回答者に。
チコちゃんの疑問は、
なんでお刺身に菊がついてるの?
抗菌や殺菌用途という答えですがチコちゃんからは「何がきっかけでお刺身に付けられるようになった?」とより核心に迫る質問。
結局「お魚を弔っている」という答えになっちゃったので、
チコちゃん「ボーッと生きてんじゃねーよ!」
というわけでチコちゃんの答えは、
お刺身を醤油で食べるようになったから
解説は食文化史研究家の永山久夫さん。
実はお刺身を醤油を食べるようになる前は「お酢」をつけて食べられていたそうで、
生魚を酢で和えた物は「なます」と呼ばれ奈良時代までその歴史が遡れるとか。
その頃は保存技術が発達していなかったので魚の生臭みを消すために味やにおいが強いお酢で食べられていたそうで、防腐効果・殺菌効果を狙って食中毒予防という観点からもお酢は便利な存在だったんですね。
実際、食品メーカーのミツカンによる実験によるとお酢を入れた食品は細菌の増殖を抑える効果があったという研究データも。
スポンサーリンクこのように実験によってもその殺菌効果が認められたお酢ですが、当時はお酢自体が高級品。
その為、お金持ちや上流階級の人だけが口にできる物だったなますは庶民には手の届かない高嶺の花。
そしてそこから時代が進んで江戸時代になると漁業技術や流通網の発達によって魚は庶民の食卓にも並ぶ身近な存在に。
扱われる魚種も増えて魚図鑑が出るほどだったそうで、そうなると空前の刺身ブームが到来する事に。
カツオやマグロを刺身にして販売する刺身屋という商売が広まるほどで、その際に調味料として使われたのが濃口醤油。
江戸時代初期には醤油は関東ではあまり生産されておらず、主に関西から取り寄せられる高級品でしたが、徐々に江戸の人たちの口に合う濃口醤油が関東で作られるようになると徐々に値段も下がって醤油は庶民が口にできる普及品に変化。
この濃口醤油をお刺身に合わせるという食文化の登場によって刺身ブームが巻き起こったというわけですね。
ところがその一方で食中毒にかかる人が増えるという問題が一つ。
食中毒は主に夏から秋(7月~10月)に発生件数が増える傾向にありますが、そこで注目されたのが菊。
酢と同じく昔から体に良いと言われていた植物で漢方薬にも使われるほどの存在だった菊は、例えば重陽の節句では菊を入れた病気避けのお酒が飲まれる風習があったり。
特に菊に含まれるビタミンEは免疫効果を高めるといわれていて、岡山大学による菊の解毒作用の実験では、ヒト由来細胞に菊エキスを加えた所、毒を分解する物質であるグルタチオンが約2.5倍に増加するという結果も得られているとか。
当然このような科学的なデータなど知るよしもない江戸時代の日本の人々ですが、食中毒が増える時期にちょうど旬を迎える菊と一緒に刺身を食べる事で食中毒を防ぐ効き目があると経験的に信じられていたのではないかと永山さんの見解。
こうして「濃口醤油の登場で刺身ブーム到来→食中毒増加→刺身に菊を添える」という流れで刺身に菊がつくようになったわけですね。
あの刺身添えられている菊の食べ方について永山さんに伺うと、
という手順。
ここで急に「永山’s キッチン」と題して永山先生が選ぶ美味しい食用菊ベスト3を発表する事に。
濃厚な味わいと香りで食用菊の最高峰とも言われる存在。
名前の由来は天皇家の御紋である菊を食べるのはもってのほかだと言われた事からいわれているとか。※諸説あり
おすすめの食べ方は混ぜご飯。
ご飯が炊きあがった直後に菊を入れるのがポイント。
柔らかい食感と苦味が無いのが特徴。
おすすめの食べ方は天ぷら。
爽やかな香りと歯ごたえが特徴。
おすすめの食べ方はごま和え+お酢。
というわけでコチラが結論。
お刺身に菊がついているのはお刺身を醤油で食べるようになったから
でした。
何に何がついていたら嬉しい?という質問には「家に庭がついていると嬉しい。」とチコちゃん。
というわけで2問目は以上。
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