妄想サミット 富士山を世界一高い山にする工事費は5京4324兆かかる見積もりに
22年11月12日のテレ朝系「妄想サミット」では富士山を世界一高い山にする工事はいくらかかるのか?ゼネコン大手・前田建設が真面目に計算した結果やプロジェクトの内訳などまとめてご紹介。
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富士山世界一プロジェクト
この超巨大プロジェクトの見積もりを出すのは前田建設工業&前田道路&前田製作所のインフロニア・ホールディングスの面々。
という事でプロジェクトスタートを告げるキックオフ会議には、
世界一高い山エベレストは8848.86 mの高さを誇っているので、
今回のプロジェクトでは富士山改め”新富士山”を8850mにして世界一高い山に押し上げる事に。
3つの問題点
まずは富士山工事にあたって「何で盛るのか?」問題がまず浮かび上がってくるわけですが、
- コンクリート
- 盛土
と選択肢が出た中で、コンクリートで覆い尽くすとあまりにも荒業になるので見込みがありそうなのは盛土。
そこでは南アルプス一帯を切り崩して富士山に運ぶというアイデアが飛び出しますが、
「ボリュームは大丈夫だと思うんですけどダンプで運ぶとなると、10tダンプが国内に今240万台。これ国交省の調べであるんですけど。これをやると3600年…」
国内のダンプ総動員してもこれだけかかってしまうというスケール。
さらに盛土の場合は8850mの新富士山を作ったとしても自らの重さに耐えきれずに作った先からどんどん崩れて行ってしまうという大問題。
ちなみに富士山の今の形をキープしながら高さを上げるとなると駿河湾、相模湾は埋まり、伊豆半島はすっぽり富士山の土台。
もはや裾野は東京まで達するので東京から登山できる状態に。
つまり解決すべき問題点は、
- 工期長すぎ問題
- 自重ヤバすぎ問題
- 裾野広すぎ
の3つ。
「でもリアルに造らないと、ウチがやる意味ないよね。」という建設魂のこもったセリフも飛び出す中、初日の会議は終了。
自重&裾野の問題解決
会議2回目では土木設計のプロたちが集められて「全て土で盛ると重さはどれほどになるのか?」を議論。
そこで何とか富士山を軽量化する為に持ち出されたのが”EPS”という土木工事用の発泡スチロール。
通常の工事でも使用されているので十分な強度がありつつその重さは土砂の約100分の1。
強度を優先して考えれば下半分を高強度コンクリートにして、そこから軽くしていくという工法が現実的。
ただしEPSは2500mほど積み上げると強度が不足してくるので、このような盛土を間に挟んだ3層構造。
こうする事で山全体の強度を確保しつつ、裾野はぐっとコンパクトになって当初の想定から5分の1のサイズに縮小。
結果、34兆トンだった重さは2兆7000億トンに劇的ダイエット成功。
現行の富士山よりも見た目は細くなってしまうものの、
これで「工期」「自重」「裾野」の三大問題のうち2つが解決。
ところが……
新たな問題「見た目」
2つの問題を解決した事でまた新たな問題が発生。
それが発泡スチロールで覆うと景観が悪すぎるという「見た目」問題。
さらに紫外線によって劣化して行ってしまうので覆土によるお化粧は絶対必要。
また、土砂を乗せるだけだと風で吹き飛ばされてしまうので固結させる必要も。
- 2500mまでは森林が育つので土をかぶせて緑化
- 2500~6500mは大小の石を敷き詰めて表面カバー
- 6000m~8850mは水を凍らせてEPSをカバー
これで外観上は山になるので見た目問題はクリア。
ベルコン作戦
という事で残ったのは工期の問題。
ダンプが足りないのであればという事で、
南アルプスから富士山までの約50kmの距離にベルトコンベヤーを設置して2兆1332億トンの土を運ぶアイデア。
24時間フル稼働させる事で工期は大幅に80年に短縮。
これでめでたく4つ全ての問題点が解決。
のはずでしたが……
リフト作戦
実は頂上付近にEPSを運ぶ際にドローンを使って空輸する案が出ていた所に赤信号。
というのも上空1万mで秒速100mの猛スピードで吹く偏西風・ジェット気流の存在がネック。
8000m級ともなると風の影響受けるのは必至で、さらに気温もマイナス30℃以下になるのでドローンが正常に動くのは厳しそう。
そこで解決策として出たのが索道(リフト)を設置してEPSを運ぶというアイデア。
さらに重機のプロからは無人で作業できるカニクレーンを使えば過酷な環境での作業も現実味。
会議最終日
ここまで4回の会議を終えていよいよ最後の会議へ。
前回のハワイ道路でもそうだったようにここでは富士山の付加価値についての検討。
つまりただ高い山にするだけではなく、観光地化して人を呼べる集客力をつけるにはどうするか?という話題。
現在の富士山頂上付近はドームで覆う事で信仰遺跡として保存・保全。
さらにドームに映うプロジェクションマッピングには旧富士山からの景色を再現。
さらにエレベーターを設置する事で新富士山の頂上まで10分ほどの所要時間。
頂上もドームで覆われていて空調・気圧も管理する事で高山病や厳しい登山を経験する事無く世界一の高さを思う存分楽しめるよう配慮。
自力で登るガチ勢とドーム越しの対面も可能。
現在の富士山の約2.3倍の高さ。
ちなみに今の富士山が見える一番遠くの地点は和歌山県になっていますが、
北は那須高原あたりだったのが山形県の月山頂上付近からも新富士山が拝めるように。
会計はいくら?
見積額は、
とにかくEPS費用だけで4京オーバーと金食い虫。
日本-ハワイ高速道路の工事費が3313兆だったのでまさに桁違いの予算スケール。
プロジェクトに関わったのは、
会議参加者のべ93人。
構想期間24日間・270時間。
以上、妄想サミットから富士山を世界一高い山にする費用計算についてでした。
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