あさイチ めまいの原因と対処法 3タイプ症状別に自分で出来ることは?
22年11月16日のNHK「あさイチ」はめまい対策決定版を放送。3タイプ症状別(グルグル、フワフワ、クラッと)の原因と対処法について簡単にまとめてご紹介。
スポンサーリンク危険なめまい
めまい特集について総合解説は聖マリアンナ医科大学の肥塚泉先生。
まず第一前提としてめまいの中でも命に関わる危険なめまいもあるので、
- 突然、ろれつが回らない
- 突然、顔や手足にしびれ
- 突然、激しい頭痛
といった症状が現れた場合は脳の重大な疾患が隠れている可能性もあるので自己流で治そうとせずすぐさま病院を受診しましょう。
また「耳の聞こえが悪い、耳鳴りやつまりを感じる」場合は難聴治療が必要となる場合があり、難聴は放っておくと治療が難しくなるケースが多いので耳の異常はすぐさま病院へ。
上記以外のちょっと気になるなというめまいでは主に「グルグル」「フワフワ」「クラッと」の3タイプに分けられており、
それぞれの原因と対処法は次の項目で。
グルグルめまい
【グルグル (良性発作性頭位めまい症)】
特徴:動いていないのに周囲が回転して見える。耳は正常に聞こえる。一番多いといわれるタイプ
きっかけ:頭を大きく動かした時に起きやすい (実例:美容院の洗髪、スーパーで物をとる時、目薬、階段など)
持続時間:1分以内に落ち着く場合が多い
原因:耳石の一部が三半規管に入り込むことで起こる
耳石が剥がれる症状は更年期以降の女性に多く(男性に比べて4~5倍)、耳石はカルシウムで出来ているので更年期で女性のホルモンの分泌が変化してカルシウムの吸収が悪くなると起こりやすい。いわゆる耳石の骨粗しょう症。
対処法:寝返り体操、枕を高くする
寝返り体操のやり方は、
- 好きな音楽などをかけながらリラックスした状態で仰向けになって楽な姿勢をとる
- 顔の向きを左→正面→右→正面と10秒ごとに顔の向きを変えて10往復
- 朝起きた時、寝る前の最低2回。お昼にプラスしてもOK
この動きによって溜まっていた耳石が流れるように働き、安全な状態で意図的に軽いめまいを引き起こしてやる事でめまいに慣れさせるというのがこの体操のポイント。
全国の病院でめまい治療として行われている方法で自宅で出来るのでやってみる価値は大。ただし症状が強い場合は効果がある分、慣れるまでかなり苦痛なのでその場合は医師と相談の上で。
番組では13年グルグルめまいに悩まされて来たという方がこの寝返り体操を毎日続けた所、
1か月でめまいの回数が減り、直近2年はめまい回数がゼロになったという事例を紹介。
ただし1週間ほど体操を行っても症状が続くという場合は医療機関を受診。
医療機関では耳石置換法と呼ばれるより専門的な体操が指導されるそうでコチラは指導を受けた上で行わないと意味が無いのでやはり病院で診てもらうのが最善。
【枕】
枕を高くすると耳石が剥がれても三半規管に入りにくくする頭の位置になるので症状が改善される事も。
ただし首に問題があったりして整形外科から「枕を高くしないように」と言われている方は、首の角度は変えずに腰の位置から全体的に上半身が高くなるように傾斜をつけたり。
イメージとしては介護ベッドのような形。
ちなみにグルグルめまいと同じような特徴を持つメニエール病の場合は「耳に違和感、つまりがある」事が多く、持続時間も10分~数時間と違いが。
フワフワめまい
ワンポイント解説は新潟大学耳鼻咽喉科教授の堀井新先生。
【フワフワ (PPPD、持続性知覚性姿勢誘発めまい)】
特徴:ベッドの上を歩くような揺れを感じる。大半はグルグルめまいから始まる。症状が進むと立って歩けなくなる。めまい患者の2割程度が該当
きっかけ:スマホ画面をスクロールした時。スーパーの陳列、細かい文字など多くの情報を目にした時
持続時間:3か月以上
原因:脳の過剰反応
人間の体は耳・目・全身の筋肉の情報の3つを統合して、その情報を脳が処理する事で周囲を正しく認識しているのが通常の状態ですが、3つのうちどこかの器官で異常が起こって情報が上手く送れなくなると他の部位がそれを補おうと働き、脳が情報処理のために過剰に反応してめまいが発生。
対処法:病院で診断を受けてからの薬物治療、前庭リハビリ、認知行動療法の3つのアプローチ
薬によって脳の過剰反応を鎮める。前庭リハビリは指導を受けた上で行うバランス感覚を養うちょっとした運動。
めまいが起きやすいシチュエーションを整理してストレスを軽減する認知行動療法も有効。
また、症状が長く続くのがPPPDなので「めまい日記」をつけると症状改善に役立つとの事。
- いつどのようなめまいが起こった?
- めまいがあっても出来た事 (家事が出来た、本が読めたなど)
フワフワめまいが3か月以上続く方は問診票でPPPDに該当するか病院ではチェックされるようですが、
- 急な動作をする
- スーパーやホームセンターなど陳列棚を見る
- 普段通りに自分のペースで歩く
- TVや映画などで激しい動きのある画像を見る
- 車・バス・電車などの乗り物に乗る
- 背もたれやひじ掛けの無い椅子に座った状態を保つ
- 何の支えもなく立ったままの状態を保つ
- パソコン、スマホのスクロール画面を見る
- 家事や軽い運動や体を動かす作業をする
- 本や新聞などの細かい文字を見る
- 比較速い速度で大股に歩く
- エレベーターやエスカレーターに乗る
これら12個の質問のうち「めまいが悪化しない 0点 ⇔ 非常に悪化して辛い 6点」とその辛さを点数にして0点から6点の間で採点。
合計27点以上になるとPPPD疑いが濃厚ですが基本的に自己診断せず、めまい相談医に相談するのがおすすめ。
めまい相談医は「日本めまい平衡医学会」のHPへ。
クラッと
ワンポイント解説は岐阜・大垣徳洲会病院めまい・難聴センターの青木光広先生。
【クラッと (起立不耐症)】
特徴:気が遠くなったり目の前が暗くなる。いわゆる立ちくらみ
きっかけ:立ち上がった時、急に動いた時など
持続時間:数秒~数十秒
原因:自律神経の乱れなどで脳に血液が行き渡らなくなって発生
対処法:着圧ソックス、立ち上がる時は足を動かしてから、水を1日2リットル摂取
着圧ソックス、タイツ、レギンスを履く事で下半身に溜まっていた血液が脳に流れやすくなるのでおすすめ。
足を動かしてから立つことで、こちらも下半身に溜まった血液が流れるため症状改善に効果。
水分摂取を心がけることで全身の血流がアップ。
以上、あさイチからめまい特集でした。
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