ワイシャツの裾の前後が長いのはなぜ?チコちゃん
23年1月20日放送のNHK「チコちゃんに叱られる」の問題『ワイシャツの裾の前後が長いのはなぜ?』の答えなど番組内容を簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】濱田岳、松本若菜
【VTRゲスト】とにかく明るい安村
ワイシャツの裾の前後が長いのはなぜ?
3問目の出題は、
なんでワイシャツの裾は前後が長いの?
チコちゃんの答えは、
パンツの名残
解説は文化服装学院の朝日真教授。
ワイシャツの事をフランス語ではシュミーズと呼んでいますが、これは日本語のシミーズにあたる言葉で意味はズバリ”下着”。
つまりワイシャツはもともと下着。
現代ではワイシャツ姿の人を当たり前に見かけますが、そもそも下着であるワイシャツ姿を人前に堂々とさらすのは正式な場ではNG。
そしてこの上半身の下着であるワイシャツが下半身の下着も兼ねていた時代もあって、この裾が今の長さに落ち着いたのが1940~1950年代といわれていて、
さらにワイシャツの起源にまで遡ってみると、その始まりは古代ローマ時代のチュニックがその原型。
首を通す穴をあけた一枚の布を体の前後に垂らし、腕を通す部分を残してサイドを縫い付けたシンプルな衣服。
これが中世の14~15世紀になるとシュミーズに変化して丈の長いワンピース状の衣服が当時の形。
この丈の長いシュミーズにブレーを穿くというのが当時の標準的な男性の下着セットでしたが、
時代が経るにつれて上流階級のシュミーズには襟がついたり、股引のような裾の長い下着も登場。
そして19世紀には貴族や上流階級が着るフォーマルな服装に大きな変化が起こり、それまでゆったりした半ズボンが主流だったのに対してピッタリとしたタイトな長ズボンが主流に。
このダンディな紳士たちが下に何を穿いていたのかというと実はノーパン。
当時の下着は生地が厚めだったので、フォーマルウェアのタイトなズボンの下にパンツを穿けるような余裕がなかったんだとか。
シャツの裾が長いのでそれをパンツとして扱っていたわけですが、そこによりパンツとして機能するようにと前後の裾(特に後ろ)を長くする工夫が施されて、
丸みを帯びた形へと変化したり、ボタンで留められるようなスタイルも誕生。
こうして20世紀初頭まで欧米人の間では普段着ではパンツ状の下着を穿きつつ、フォーマルウェアやスーツの時は下着はワイシャツのみのスタイルが定番に。
ところが1930年代になると薄くて履き心地の良いブリーフが誕生して一気に男性下着の定番化。
これで長い裾が必要なくなったのでワイシャツの裾は以後短くなり、多少動いたぐらいでは裾が外に飛び出さないようにという配慮からある程度の長さが確保されて今の長さに落ち着くことに。
という事で3問目は以上。
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