体罰の定義、繰り返し起こる原因3つや防ぐには?ZIP
23年4月5日放送「ZIP」では体罰についてスポーツコーチングの専門家が解説という事で体罰の定義、体罰が起こる原因3つや防ぐ方法など分かりやすく簡単にまとめてご紹介。
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体罰の定義
解説は流通経済大学スポーツコミュニケーション学科の小谷究准教授。
そもそも体罰には法律が定める定義が存在し、
これは学校教育法11条において”禁止”されているというのが基本情報。
ではそんな禁止行為である体罰がどのくらいの件数起きているのか?というと、
コチラが2012年度から2020年度までの部活動における体罰件数の報告。
2012年に起きた体罰から自殺へとつながった事件(桜宮高校バスケットボール部体罰自殺事件)を契機にしてこういった調査がようやく本格化。
グラフを見ると2012年度には2000件を超えていたのが、そこから急激に減少。
2020年度では100件以下にまで減っていることが分かりますが、未だに体罰は存在するというのが実情。
この体罰が無くならない背景について専門家からは、
「体罰による指導を受けてきた指導者がプレイヤーへの指導法が体罰でのアプローチしか持ってない。他の指導法を持っていないのが一つの原因。」
という指摘。
体罰が起こる原因
自身もバスケットボール強豪校のコーチ指導歴があり、生徒へ手を上げていた事もあると語る小谷先生曰く、
【機会】
生徒と指導者しかいない空間。他の大人の目が無い状態。
【正当化】
他の学校でもやっている。自分もやられていた。これぐらいやっても当たり前。今までもこうやっていた。
【動機】
勝つことによって自分の承認欲求を満たしたいという自己の動機の他にも地域の人やOB、OG、学校関係者からのプレッシャー。
保護者による過剰な期待という点では、保護者自身も体罰による指導を受けてきた経験があり、
体罰による成功体験を得ていると指導者に対して「もっと厳しく指導をお願いします。」と体罰のリクエストがされるケースも。
体罰をなくすには?
最後に体罰を防ぐ手立てについてまとめると、
【機会】
→ 保護者がいつ指導現場に立ち会っても良い透明性のあるルール作りや、外部の指導者を置く。
【正当化、動機】
→ 指導者個人の考え方が強く影響数するので、指導者同士のネットワーク作りや勉強会など指導者自身が学ぶ機会を増やす。
体罰以外に有効な指導法を知らない指導者も少なからず存在しているのでコーチング講習会なども有効。
ちなみに海外、特にアメリカでの体罰については訴訟問題に発展するアメリカでは分かりやすい暴力による体罰はかなり少なく、
その代わりに”暴言”による指導が多く起きていて、
保護者からコーチに、保護者から生徒に対する暴言も多いと小谷先生。
以上、ZIPから体罰についてでした。