同時通訳が出来るのはなぜ?ワーキングメモリとは?チコちゃん
23年12月1日「チコちゃんに叱られる生放送」の問題『なぜ同時通訳ができる?』の答えを簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】松本潤、大竹まこと、ファーストサマーウイカ
【VTRゲスト】モーリー・ロバートソン
なぜ同時通訳ができる?
3問目の出題は、
同時通訳ってなんでできるの?
チコちゃんの答えは、
頭の中に入って来た情報をあっという間に消しちゃうから
解説は立教大学の山田優教授。
同時通訳のスキルに深く関わっているのは脳に入ってきた情報を一時的に記憶しておくワーキングメモリ。
脳の中に作業机があるようなイメージで、一時的に情報を置いておくスペースは一般的に4つほどといわれていて、
それ以上は一度に記憶しておくことが難しいとされていたり。
「何かを覚えておく」という記憶以外にも、感情が動いたり、何か思いついたりと色んな分野にワーキングメモリは逐一消費されていくのであっという間に古い情報がワーキングメモリから削除されて「あれ?もともと何しようとしてたんだっけ?」という状況に。
となると情報をためておけるワーキングメモリのスペースが同時通訳者は多いので同時通訳が可能なのか?というと必ずしもそうではなく、
同時通訳者であっても普通の人と変わらない容量で、スペースを増やすようなトレーニングなども基本的には存在しないと山田先生。
同時通訳ではまず聞き取った英語でワーキングメモリのスペースが埋まり、これらを高速で日本語に翻訳したらすぐさま埋まった情報を消去して次に聞こえて来る英語に備えるといった処理を脳内で行っていますが、
英語を日本語に訳す時はその文法の違いによって、英語で最後に来るブロックが日本語だと最初に方に来ないと自然な文章にならなかったりとなかなか厄介。
こうなると最後まできっちり文章を聞いて吟味してからではないと正確には訳せませんが、最後まで聞こうとするとすぐにワーキングメモリがいっぱいになってどんどん流れて来る英語に追いつかなくなって同時通訳は不可。
そこでワーキングメモリがいっぱいなる前にとりあえず聞き取った範囲の英語を訳してさっさと忘れるという作業が必須に。
文章全体の意味が分からなくてもある程度意味が分かるブロックごとにつじつまを合わせながら訳して喋り、空いたスペースに入って来た英語で足りなかった情報を補足したりという事を脳内で高速処理。
さらに同時通訳のスキルが上がってくるとワーキングメモリの一つのスペースに多くの英語を入れる事が出来るようになるそうで、
単語一つ一つを丁寧にスペースに入れていくのではなく、よくあるお決まりのフレーズや多くの文章パターンから判断したりして文章ごとにスペースに入れて処理。
英語力が上達すればするほど長い文章を一気に理解する事が出来るようになったり、さらにレベルが上がると文章全体を映像化するテクニックが磨かれて、
長い文章を一つの映像として処理する事ができるのでワーキングメモリのスペースをさらに節約。
実際の同時通訳者はこういった細かいテクニックを意識する事無く使っているケースが多く、どうやって記憶を消している?と問われても本人には説明がつかなかったり。
という事で3問目は以上。
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