時間はどうやって決めている？時間と時刻の違いは？チコちゃん
24年12月20日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『時間はどうやって決めている？』の答えや時間の時刻の違いなどまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】バイきんぐ小峠英二，光浦靖子
【VTRゲスト】なし
時間はどうやって決めている？
2問目の出題は、
時間はどうやって決めているの？
チコちゃんの答えは、
世界中にあるおよそ400台のストップウォッチの平均値から決めている
解説は日本の時刻を管理している情報通信研究機構(NICT)時空標準研究室の井戸哲也さん。
まず初めにほぼ同じような意味で使われる「時間」と「時刻」の意味の違いから解説すると、
時間は8時から10時までの2時間など「時の長さ」を表す時に使われる言葉で、時刻とは8時30分など「時の流れの1点」を示す際に使われる言葉というのがその意味の違い。
という事はつまり、そもそもの質問「時間はどうやって決めているの？」というのは意味を考えると誤りで「時刻はどうやって決めているの？」というのが正しい使い方。
そんな時刻は昔は太陽の動きによって導き出すという方法が広く用いられていましたが、その表示方法は世界で統一されておらずバラバラ。
そこで1884年に世界共通の時刻を決めようという国際的な話し合いの場が設けられる事となり、ロンドンにあるグリニッジ天文台の南北を通る線を本初子午線(経度0度)として、各国の標準時は経度15度隔てる毎に1時間ごとの時差を設定。
これが多くの人が教科書で習った地球の自転をもとに考えられた「天文時」といわれる時刻ルールで、これが広く用いられていましたが、そんな天文時にも大きな問題点が。
そもそも1日24時間という考え方自体、例えば太陽がお昼に真南にあるとして、次に同じ位置に太陽が来る時までの長さを24時間と考えるのが普通ですが、技術が発達して人工的な時計を正確に作る事が出来るようになると、太陽が真南に来る時刻が正午12時から早くなったり、遅くなったりといった不都合が起こることが判明。
スポンサーリンク地球は月の引力による潮の満ち引きなどでその自転速度が変わるもので、そうなると太陽の動きと時計にズレが生じる事に。つまり太陽を基準にしてしまうと1秒の長さが長くなったり短くなったりとまちまちに。
そこで天文学ではなく量子力学の世界に照らし合わせて新たに1秒の長さを決めようという動きが高まって、1967年に秒の定義をこのように再定義。
簡単に言うとセシウム原子時計という特殊な時計を使って1秒を決めるというのが新たなルールでセシウム原子時計は振り子時計のようなイメージで、時計の中で振り子が決めた回数だけ往復したら1秒という事に。
原子時計であれば1秒は長くなったり短くなったりせずにより正確になりますが、原子時計はあくまで時刻を刻むものではなく、正確に1秒間を計れる時計なので意味としてはストップウォッチの方が近いと井戸先生。
NICTでは厳重な管理のもとで18台の原子時計を稼働させて1秒を測定しているそうで、そこまで正確な計器なら18台ともピッタリ同じになるかと思いきや、やはりそこは人の手によって作られる機械なので寸分違わず同じというわけにはいかず、わずかな誤差が出てしまうという原子時計。
そこで世界中に用意されている約400台の原子時計の平均をとるという方法で時刻を決めており、どこかの原子時計に不具合が起きても問題は起こらず、かつ平均をとることでより正確な一秒を測定可能に。
1秒を割り出す事が出来れば、これを過去の時刻に足して積み上げる事で時刻を決定。
時間には国際原子時と協定世界時というものがあり、国際原子時は日常生活的には問題は無いものの、船の運航や太陽の正確な位置や動きを重要視する人たちにとっては時刻と太陽の動きにズレがあると不都合になる事があるのでそこで登場するのが地球の回転に極力合わせた調整入りの協定世界時。
原子の動きに合わせて正確さを追求しているのが国際原子時、太陽の動きに合わせた時計に調整されているのが協定世界時。
国際地球回転・基準系事業という機関が太陽の動きと原子時にズレが生じそうなので1秒足しましょうといった決定を行ってそれを世界中に通達し、その年の正月か7月1日に世界中が一斉に1秒をプラスして調整し、これがうるう秒に。時計が変わる瞬間は普通は数えない59秒の次の60秒を数えてうるう秒を足して調整。
協定世界時に9時間を足したものが日本標準時となり、福島と佐賀の2か所の電波送信所から全国に送られて日本の時刻として私たちが日々接する事に。
ちなみに2035年以降はうるう秒の実質的な廃止が決定していてインターネットの世界ではうるう秒を入れる事でメールやネット上の取引が実際の時刻よりも早く送信されるなどの不具合が生じるためにIT業界からうるう秒を止めるよう要望が出たからというのがその理由。
ただしうるう秒をやめた後どうするのか？というアイデアは2035年までに決めるという事だけが決まっているとか。
という事で2問目は以上。
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