仕出し、出前、宅配の違いは?宅配ピザと呼ぶのはなぜ?チコちゃん
25年1月31日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『「仕出し」と「出前」何が違う?』の答えなどまとめてご紹介。最近増えている「宅配」との違いも合わせて解説。
ゲスト出演者
【ゲスト】ディーン・フジオカ、みりちゃむ
【VTRゲスト】なかやまきんに君
仕出しと出前の違いは?
3問目の出題は、
「仕出し」と「出前」何が違うの?
チコちゃんの答えは、
予約をするかしないか
解説は江戸川大学の斗鬼正一名誉教授。
食事を取り寄せる際に使われる「仕出し」と「出前」はどちらも誕生したのが江戸時代中期といわれていますが、その成り立ちに違いが。
仕出しという言葉は仕(=作って)出し(=店の外に出す)という意味で、
料亭や料理茶屋などの高級店が武家や商人向けに作った会席料理のようなものがはじまりで、鯛やアワビなど当時の高級料理がお皿に盛られているケースが多かったとか。それらは大人数分が注文されるのが普通だったので事前に予約が必須で、そこから仕出しは「予約をするもの」という解釈に。
この仕出しが全国に広まったきっかけの一つに挙げられるのが参勤交代で、当時高級料理を食べるのがステータスだったという事もあって、参勤交代で江戸を訪れた大名が料亭の料理をこぞってお取り寄せ。その為に江戸にあった高級料亭の大半は仕出しに対応していたとか。
スポンサーリンク一方で出前は蕎麦や寿司など比較的リーズナブルな料理に対して使われる言葉で出(=店から食べ物が出る)前(=一人前・客前)という意味で、
一人前からすぐに作って提供されるので「予約は不要」なのが普通。
この出前が広まったきっかけの一つとされているのが吉原の遊女で、彼女たちは吉原から出て食事をするのは禁止されていたので仕事の合間に出前を取って食事をしており、この文化が庶民にも伝わったことで出前文化が定着。
今では仕出しは冠婚葬祭や大きな会議などフォーマルな場で提供されるケースが多く、会席料理やお寿司のような和食が中心。注文数が多くなるので配達日に先駆けて予約が必須。
出前は自宅や仕事場など少人数向けに提供される事が多く、ジャンルは和洋中問わず。注文数は少なめなので基本的に予約は不要で注文を受けてから調理して配達する流れが一般的。
ちなみに仕出しは予め予約をする事で営業時間外の配達にも対応してもらえるケースが多いのに対して、出前はあくまで営業時間内という違いも。
また、家に食べ物を取り寄せる事を「宅配」と呼ぶケースも増えていますが、出前が料理店の食器で配達されるので食べた後の食器が後で回収されるのに対して、宅配は使い捨て容器で回収はされないという違い。
ですから使い捨て容器で配達されるピザは古くから宅配ピザと呼んで出前ピザとは呼ばないですよね。
この宅配文化が日本で広まった裏には映画「E.T.」の影響があって、作品内に登場する宅配ピザのシーンに影響された日本のレンタルビデオ店の経営者が1987年に日本発の宅配ピザ店ピザーラを立ち上げたのが日本での宅配文化のはじまりとされているとか。
という事で3問目は以上。
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