ハンコに使う色が赤なのはなぜ?実は色に決まりはない?チコちゃん
25年10月3日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜハンコに使う色は赤?』の答えなどまとめてご紹介。ハンコの色として赤色が選ばれた意外な理由とは?
ゲスト出演者
【ゲスト】吉瀬美智子、板垣李光人
【VTRゲスト】なし
なぜハンコに使う色は赤?
2問目の出題は、
なんでハンコに使う色は赤なの?
チコちゃんの答えは、
永遠に残す血の色だから
解説は大阪芸術大学の久米雅雄客員教授。
ハンコに使う色が赤なのはズバリ血の色の赤がその由来で、その大元になっているのがお墓に撒いていた「永遠の赤」。
そもそも人類史で初めてハンコが使われたのはメソポタミア文明とされていて、その頃は粘土に押し付けて跡を付けるスタンプ印章と、筒状のハンコを粘土の上で転がして跡を付ける円筒印章の二つがメインとして使われており、ハンコで跡を付ける事でそれが特定の人の所有物である事を表すサインになっていたとか。
そしてハンコの「赤」で最も古い記録として残っているのが中国で、636年に完成した北斉書(ほくせいしょ)という書物の中には朱印の文字があり、ここで朱印を用いた人物として出て来る陸法和は558年に亡くなっているので、これより前には赤い印が使われていたという事に。
また、この赤の由来となったのが辰砂(しんしゃ)で、この鮮やかな赤色をした水銀と硫黄の化合物は生命の象徴=血の色に似ているという所から、土に混ざっても消えない永遠に続く特別な鉱物というイメージからも連想して、辰砂をお墓で遺体の周りに撒く事で死者の命が再生されたり、永遠に続くという事を願ってそういった風習が生まれたと久米先生。
この辰砂は採取される地域が限られていて希少なものだったために権力者にだけ使われたという事もあって、この後の時代の隋・唐になるとさらに貴重品として珍重されるようになり、簡単には偽造されない本物の証として権力者のハンコに用いられるように。
スポンサーリンクこの朱印は7世紀ごろに日本に入って来たとされていて、奈良・平安時代には貴族や役人が土地の支給に関する公文書などに使用していたという実際の史料が残っており、戦国時代になると赤い印を押した公文書の朱印状が全国で使われるように。
ここから江戸時代になるとハンコ文化は商人の間にも広がって、売買契約やお金の貸し借りでハンコが使われるようになると高価な辰砂の代わりに鉄が錆びた時に出来る安価な酸化鉄が使われるように変化。
その後、明治時代に入ると明治4年に印鑑登録制度が導入されてハンコ文化が日本全国に広まる事に。
ただし、色に関しては赤色でなければいけないという法律はなく、それでもハンコの色として今でも赤が使われ続けているのは伝統と文化が染みついているからではないかと久米先生。
ちなみに現在使われている朱肉には酸化鉄系の無機顔料が使われていて長い間残りやすい性質を持っているので、実用的にもハンコの色は赤にしておいた方が無難という久米先生のアドバイスも。
という事で2問目は以上。
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