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新型コロナウイルス感染拡大でランニングやウォーキング、ペットの散歩のリスクは?アメリカのケース


日本では新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点からの外出自粛要請が出され、避けるべき場所としてスポーツジムが名指しされたりしていますが、そうなると体を動かすために屋外をランニングしたりウォーキングしたりしている人も多いはず。ではこれらの屋外活動での感染リスクはどの程度なのでしょうか?アメリカを例に見てみる事にしましょう。

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屋外の運動はOK

実はアメリカにおいては外出自粛要請(外出制限、自宅待機命令)が出されている州が発表しているガイドラインには「屋外での運動やペットの散歩では他人との距離を6フィート(約1.8m)離して保つ」とされていて、この距離が守られている限りは“外での運動は禁止されていない”というのが実情。

例として挙げるとミネソタ州知事のツイッターにはこんなガイドラインが掲載されていて、

出来る事(やってもOK)のリストには「犬の散歩、自転車、野外での活動」としっかり明記されていますね。※他人との距離6フィート(約1.8m)は守るのが原則

ミネソタ州の外出自粛要請について。やってもOKリスト

その他にもオレゴン州知事のツイッターに掲載された外出制限命令、自宅待機命令についても同様だったり、

これ以外の州についてもほとんどが上記のガイドラインに沿った内容で外での運動やペットの散歩もNGとしている州は皆無です。

以上のように、基本的に外での運動やペットの散歩は距離を保っている限りはOKとされているのが基本ルールなのは確かですが、では実際に外に出た時にどうなるか?については少し慎重に考えるべきで、アメリカで利用されているソーシャルメディアアプリの一つであるNextDoorには「外で運動中、ペットの散歩中に他人との距離が近すぎる」と感じる事があるというコメントが数多く寄せられているそうで「ランニング中に他人との距離を取りたくても、肌が触れ合うぐらいの距離で走っている事もあって、距離を置きたくても無理」という意見もあるとか。

この他にも「汗で新型コロナウイルス感染症は広がらないの?」「ランニング中に唾を吐くのは大丈夫?」といった意見も寄せられているようですね。

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専門家の見解

ラトガーズニュージャージー医科大学やベイラー医科大学の感染症対策の複数の専門家によると州のガイドライン同様に「外での運動は基本的に安全」という意見が多く、

「外での運動などの屋外での活動では新鮮な空気を取り込む事が出来るためメリットは沢山あり、巣ごもりによるストレス発散の良い方法になります。」

という見解。

ただし、これと同時に、個人で出来る予防は徹底すべきという注意喚起もされていて、新型コロナウイルス感染症ではくしゃみや咳などによって空気中に放出された飛沫によって人から人へ感染していく感染ルートがリスク大で、この飛沫が口や鼻の粘膜に直接触れたり、指先を介して触れたり、呼吸によって直接肺に取り込まれる事で体内へとウイルスが侵入するというのがCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の説明。

この飛沫は「地面に落ちる前に6フィート(約1.8m)空気中を飛ぶ」というのが専門家たちの共通認識になっており、これが他人とは6フィート(約1.8m)の距離を保つべきというルールの根拠だったり。

また、新型コロナウイルス感染症ではエアロゾル化や空気感染のリスクなどが一部で噂されたりしていますが、基本的に距離を空けてさえいれば基本的に安全というのが専門家たちの意見。

その他に気になる点についてまとめると、

  • 他人との距離6フィート(約1.8m)は厳守して、行き交う人についても注意する。友人同士での散歩は距離を置けないのであれば行わない。
  • 唾は感染リスク大なので、ランニング中に口を手で拭った後に他人やモノに触れない。
  • 汗にウイルスが含まれるという事実は今の所報告されていないので恐らく問題ナシ。
  • ランナーがよく行うランニング中に鼻をかむ行為はリスク大。やむを得ず行う場合は周囲に人がいないのを確認してから。他人が不意に鼻をかむ可能性もあるのでランナーの真後ろは避ける。または角度をつけて距離を取るのがより安全。
  • 屋外の水道は衛生管理の観点で(口を直接蛇口につけて使った人がいる可能性など)リスクがゼロではないので使用を避け、持参したペットボトルなどで水分補給を行う。
  • 外を出歩く人が多い時間帯は避けて早朝や夜などの空いている時間帯を選ぶ。
  • 常に人が多くいるような人気の多すぎるコースは避ける。ただし逆に犯罪などに巻き込まれる可能性もある人気が無さ過ぎるコースも避ける。
  • 出発時、帰宅時の両方で手をしっかり洗う
  • 衣服にウイルスが付着しているリスクを考えて帰宅したら速やかに服を脱いで(すぐに洗濯出来ればなお良し)、シャワーを浴びる。特に顔は意識して洗う。
  • スプレー式の消毒剤などでシューズ(特に靴底)の消毒を行う。アルコール除菌が出来ない場合は塩素系液体漂白剤(キッチンハイター・キッチンブリーチや次亜塩素酸ナトリウムを含む100均で売られているものでもOK)の薄め液でも対応可

消毒液の作り方は以下のYouTube動画を参考に。ノロウイルス用ですが新型コロナウイルス用にも転用可能です。

ドアノブや取っ手、靴底であれば濃度半分の0.05%でもOK。開封から時間が経つと殺菌作用が弱まるので古いものは使わないように。

この方法で作った消毒液は手指には絶対に使わないようにしましょう。あくまで塩素に反応しない材質のものに使う用途。

もっと距離を離すべき?

ベルギーのルーベン・カトリック大学で行われたランニング中の空気の流れや粒子の動きについての空気力学シミュレーションによるとウォーキングの速度だと最低でも他人と13フィート(約4m)、ランニングやゆっくりとしたサイクリングの速度だと32フィート(約9.7m)、速いスピードのサイクリングだと65フィート(約20m)の距離を最低でもとるべきという結果が報告されていますが、コチラはなかなか眉唾ものの情報なので要注意。新型コロナウイルス感染拡大でランニングやウォーキング、ペットの散歩のリスクは?ベルギーの実験結果はホント?

他人の背後を追いかける形だと背後に出来る空気の流れ(いわゆるスリップストリーム)によって空気中に粒子の流れが出来て、移動スピードによってはその影響を強く受けるという報告がされていますが、これはあくまで実験場の粒子のお話なのでこの粒子がそのまま感染力を持ったウイルスのお話として捉えていいいのかどうかは非常に怪しい所。

あくまでイチ大学で行われた実験の結果なので詳細に査読(ピアレビュー)をされた研究結果と一緒に扱ってしまうのはあまりにも早計。

実験方法についての詳細な情報も公開されていないので第三者が検証する事も出来ないという状況で、しかも実験したのはあくまで空気力学を専門とするエンジニアであり、感染症のエキスパートなどの意見は一切考慮されていない点も要注意。

その他にもイタリアで報告されている情報によると大気汚染とコロナウイルスの伝播力が関係しているのでは?なんて疑いも持ち上がっていたりしますが、全て査読されていない真偽不明の情報なので安易に信じ込む前に冷静に考えたい所。

今のところは専門家などの多くの意見を集約した国レベルの期間が発する情報を元に行動するのが無難というのが結論でしょうか。

以上のようなチェックポイントを守っている限りは外出制限されていても外での活動はOKというのがアメリカにおいてのルールなので一つの参考に。

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