なぜ硬貨に製造年が書いてある?紙幣に無いのは?「チコちゃんに叱られる!」
20年9月25日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『硬貨に製造年が書いてあるのはなぜ?』という疑問。「そういうデザインだから」というまさかの答えですが、その裏には日本の硬貨の歴史があったり。そして紙幣に製造年が書いていない理由とは?
ということで、20年9月25日に放送されたNHK「チコちゃんに叱られる!」の様子をまとめてご紹介します。
※同放送回のその他の疑問は別記事でフォロー。
スポンサーリンク出演者
【メインMC】チコちゃん(声:木村祐一)
【アシスタント】塚原愛(NHKアナウンサー)
【ナレーション】森田美由紀(NHKアナウンサー)
【レギュラー】ナインティナイン 岡村隆史
【ゲスト】秋野暢子、松本利夫(EXILE)
【VTR】ゴー☆ジャス
チコちゃんの疑問その3
硬貨に製造年が書いてあるのはなぜ?
3問目は笑いから始まるいつものパターンですが、
チコちゃん「うふザイル。」
3問目の指名は、お金を大切にしているステキな大人ってだーれ?
ここは結婚ネタをイジられた岡村さんが解答者に。
ここでチコちゃんの疑問は、
なんで硬貨には製造年が書いてあるの?
硬貨が作られた数を年ごとに記録しておく為で、あとで思い出に浸る、偉いさんの気まぐれという答えの岡村さんですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
岡村「分からん時の偉いさん頼み。」
残念でしたw
ということでチコちゃんの答えは、
そういうデザインだから
解説は大阪経済大学の高木久史教授。
硬貨に製造年が書いてあるのは「そういうデザインだからであって、特に意味は“今は”無い」そう。
しかしながら、日本のお金の単位が円になって貨幣制度が近代化された時には硬貨に製造年が刻まれるしっかりとした理由が存在していたとの事。
それに関連しているのが金本位制。
金本位制とは金をお金の価値の基準とする制度の事。
国が保有する金の量に応じて通貨を発行し、その通貨を同じ価値の金と交換できることを国が保証するというこのシステム。
この制度が始まったのは19世紀初頭のイギリス。
産業革命で一躍世界経済の中心となったイギリスは大量生産した商品を世界中に売ろうとしたのですが、当時各国の通貨の価値は国によって様々で世界共通の基準がありませんでした。
つまり、アメリカの1ドルがイギリスのポンドだったらいくらになるのか?という外国のお金の価値があいまいだった時代。
そんな状態で世界中と貿易をする事に不安を感じたイギリスは世界共通の価値を持つ金を基準とする金本位制を世界で初めて採用。
イギリスが保有していた金の量に合わせて通貨を発行して1ポンド金貨=金約7.3gと定めました。
この金本位制を世界中の国が取り入れれば各国と安心して貿易が出来ると考えたんですね。
実際、イギリスと貿易をしたいアメリカやフランスなどの欧米諸国が金本位制を導入。
これによってそれぞれの国のお金同士の価値を比べる事が簡単に。
例えばアメリカは1ドルを金約1.5gと定めて金貨を発行していたので、1ポンドは5ドルに相当。
同じようにフランスは1フランを金約0.3gと定めたので、1ポンドは24フラン相当。
このように欧米の国々が金本位制を導入しつつあるのを見た日本でもそれにならって明治4(1871)年に金本位制を導入。
日本では1円を金1.5gと定めて、その金の量を含んだ1円金貨を造る事に。
しかし、それまで日本が造っていたお金が世界での信用度が低かったという事情が。
実は明治維新直後(1868年ごろ)に金貨銀貨を造っていたんですね。
これらの金貨銀貨は偽造も多く、品質も悪かったので日本のお金は外国からは信用されず。
そんな背景があったので、改めて新しいお金を造った所で外国で敬遠されるのは目に見えていますよね。
そこで明治政府はイギリスから硬貨製造機を購入して1.5gの金がちゃんと含まれている金貨を製造。
その時に製造年を刻印する事で「その年に造られたものには間違いなく金1.5gが含まれている」と明治政府が保証する事に。
その後も毎年硬貨に含まれている金の量を検査して世界に向けて公表。
こうする事で、硬貨に含める金の量を変えた年があったとしたら、製造年を見る事で硬貨に含まれる金の量を把握する事も出来ると。
実際に明治30年になると金貨に含まれる金の量がそれまでの1.5gから0.75gに変更した際に製造年が刻まれているおかげで他の年に造られた金貨との価値の違いが一目瞭然。
こうした努力のおかげで日本の硬貨は世界でも信用を取り戻せたんですね。
その後、世界的に定着していた金本位制は次第に終わりへ。
金本位制ではその国が持っている金の量と同じ量しかお金が発行できないのですが、1914年の第一次世界大戦で世界の国々は軍事品の購入で金を大量に使用した為にお金を発行するだけに必要な金が枯渇。
こうしてその時の経済状況によってお金の発行量を自由に管理できる現在の管理通貨制度へと徐々に移行。
金本位制はその役割を終えていったんですね。
そして現在私たちが使っている日本の硬貨には金は全く含まれておらず、その金属の価値と硬貨の価値は全くの無関係。
その為、本来であれば製造年を刻印する必要はないという事ですよね。
それでも金貨が流通していた時代の名残から現在も硬貨には製造年が脈々と刻印され続けていると考えられているとの事。
という事はやっぱり今となっては硬貨の製造年はデザインの一部。
ちなみに紙幣には製造年が書いてありませんが、その理由が紙幣は硬貨と違って寿命が長くても4~5年だから。
市場に出回って古くなった紙幣は再び日本銀行へ戻され、汚れ・破れの程度・偽札のチェックを受け、使えないと判断された紙幣は細断されてそのほとんどが焼却処分に。
寿命が短いので製造年を入れた所で5年を目安に破棄されるので製造年を入れる意味は無いんですね。
ちなみに焼却処分されなかった細切れの紙幣の残骸は様々なモノへリサイクルされるようになっているとか。
例えばATMの横に備え付けてある現金袋(素材の30%に1万円札約1枚分)、他にトイレットペーパー1ロールに混ざっているのは最大で150枚分のお札の可能性も。
「元の紙幣に戻す事が出来ればウハウハですね。笑」と笑顔の高木先生w
ということでコチラが結論。
硬貨に製造年が書いてあるのはそういうデザインだから
でした。
自分の宝物は明治8年製造の銀貨と自慢する高木先生ですが、
「はい。すごいです。でも金だったらもっとすごいです。」と淡白なチコちゃんの返答w
最後に総括。
今回で2回目の出演となったマツさんですが、答えを聞くと「そういえばオレ知ってたわ。」という問題もあったと謎の負け惜しみw
岡村「嘘でしょ?利夫さん。最後に嘘ついたらダメですよ!」
スポンサーリンクひだまりの縁側で・・・コーナー
おたよりコーナーではいつものおたより紹介ですが、
キョエ体操を仕掛けるキョエちゃん。
「こっちは江戸川!こっちは葛飾!」というキョエちゃんのかけ声で反復横跳びをさせられる岡村さんだったりw
キョエちゃん「みんなでキョエ体操は結果にコミットしません。」
気を取り直しておはがきへ。
僕のお母さんのお尻はでろんでろんしているという衝撃的な始まり方ですが、それはなぜ?という疑問w
専門家からの受け売り情報では整形外科医の井上留美子先生が監修。
お尻がでろんでろんになる理由は、
大人は子どもと違って運動量が減るのでお尻の筋肉が減り、筋肉と脂肪のバランスが変化して、脂肪の重みを支えられなくなるのでお尻が下がってしまう
という回答。
さらに歳をとって代謝が落ちると水分や老廃物が溜まって脂肪が大きくなったり、脂肪の形が悪くなったりするので大人のお尻はでろんでろん。
これを解消するには、足を反対の足の上に置いて、お尻をストレッチすると効果的との事。
おたよりのあて先は、
〒150-8001 NHK 「チコちゃんに叱られる」係 宛て
※お名前/ご住所/ご連絡先(電話番号やメールアドレス)をご明記ください。名前のわきに「5さい」と書いてください。
番組公式ホームページ http://nhk.jp/chikochan
ですね。
キョエちゃん「電線にとまった時、ビリビリする電流で筋肉を鍛えています。それでこのお尻。上げてこ!」
次回予告は20年10月3日土曜日の前8:15からの予定ですね。
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