サーモンと鮭の違いは同じ魚でも何が違う?サーモンが寿司屋にない理由?チコちゃんに叱られる
21年1月22日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『スーパーで売っている鮭とサーモンは何が違う?』という疑問。生物学的には同じ魚を指す言葉である鮭とサーモンですが、実はしっかり使い分けられているそうでそれは一体何?国産と輸入品の違い?いえいえ答えはアレの違いなんです。さらにサーモンが伝統的なお寿司屋にない理由やいつからか寿司ネタになったきっかけについても。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】アンミカ、岩田剛典
【VTRゲスト】なし
スーパーで売っている鮭とサーモンは何が違う?
今日も「こんチコは~。」の恒例の挨拶からスタート。
初登場の岩田剛典さん、2回目で準レギュラーに格上げになったアンミカさんを簡単に紹介した後はすぐに1問目の指名に。
この中で一番、お魚に目が無いステキな大人ってだーれ?
珍しく1問目に立候補の岡村さんが回答者に。
ここでチコちゃんの疑問は、
スーパーで売っている鮭とサーモンって何が違うの?
岡村「切り方?」
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
続けて外国で獲れたものがサーモンで国内で獲れると鮭になるという答えはアンミカさんですがこの答えも不正解。
というわけでチコちゃんの答えは、
生で食べられるのがサーモン、生で食べられないのが鮭
解説は鹿児島大学水産学部の佐野雅昭教授。
鮭とサーモンには生物学的には違いが無く全く同じ魚というのが前提で、
スーパーで見かける鮭といえば銀鮭、白鮭、紅鮭など様々あったり、サーモンはアトランティックサーモンやトラウトサーモンなどがありますよね?
実はこれらは全て生物学的にはサケ科の魚。
何となくカタカナなので輸入物がサーモンで鮭が国産品のように感じるかもしれませんがこれは誤り。
実はハッキリとした違うというのが、
- サーモン → 養殖モノで生で食べられる
- 鮭 → 天然モノで生で食べられない
というのが真実。
天然モノ=生食できないというイメージはなかなか浮かんで来ないような気もしますが、
天然の鮭にはアニサキスなどの色んな寄生虫がいる可能性があるので生で食べるのはNG。
食中毒の事例でよく聞かれるアニサキスとは魚介類を介して人に感染する代表的な寄生虫の一つで天然の鮭にはエサにしているプランクトンからアニサキスが寄生している可能性アリ。
これを生のまま食べてしまうと胃や腸をアニサキスが噛んで早ければ数時間で腹痛や嘔吐の症状が出てしまったり。
このアニサキスはきちんと焼くか煮るなどして熱処理をすれば死滅して害は無くなるので問題ナシ。
スポンサーリンク一方で養殖のサーモンは人工飼料のエサを食べるのでアニサキスに感染する心配はほぼゼロ。
つまり生食OKとされているんですね。
そしてこの鮭とサーモンの分け方は日本独自のルールであり、海外では特に区別はしていないと佐野先生。
その理由には日本の寿司・刺身文化が大きくかかわっているとの事。
江戸時代に主に北海道や東北地方で取られていた鮭が産卵の為に海から故郷の川へ帰って来るという習性を発見され、江戸時代中期からはこの習性を利用して戻って来た鮭を網などで囲って、産卵期には漁を禁止して保護し全国に出荷できる量の鮭を安定確保出来るように。
そして生のままでは傷んでしまうので保存の効く塩漬け鮭が全国に流通。
江戸時代は食事を朝夕の2回とり、朝食に量を多く食べる習慣がありましたがお米によく合って塩気のある鮭が好まれた事で鮭の塩焼きが朝ごはんの定番化。
このように昔の日本では「鮭=生では食べず焼いて食べるもの」というイメージが大変強かったので鮭はお寿司屋さんなどでは扱われず。
その証拠に35年前に発売されたシブがき隊『スシ食いねェ!』には歌詞の中に28種類の寿司ネタが登場するものの、鮭やサーモンは登場せず。
日本で生の鮭を食べるようになったのは意外に最近になってからのお話。
そこには生食できる鮭を日本に持ち込んだ人物がいて、それが、
ビョーン・エイリック・オルセンというノルウェー人。
番組ではご本人にコンタクトをとってリモートでインタビュー。
ノルウェーは鮭が育ちやすい環境が整っていて世界に先駆けて生で食べられる鮭の養殖に成功した国。
ところが1980年代に入ると各国が養殖業に参加するようになり市場争いは激化。
そこで今から35年前にノルウェー政府は養殖鮭の新たな輸出先として日本をターゲットに。
日本には世界でも珍しい魚の生食文化がある事に目を付け、オルセン氏はノルウェー政府の依頼で日本での市場開拓をする事に。
まずオルセン氏が手始めに商談を持って行った先は高級寿司店。
ところが伝統的なお寿司屋さんでは、
- 鮭の寿司は食べられるものではなくあり得ない
- 色が悪い
という理由で門前払い。
この時サンプルとして持ち込まれた養殖鮭は天然の鮭に比べて身の色が白やピンクっぽかった事も手伝って寿司職人からはひどく敬遠されてしまったとか。
そこで次にスーパーに売り込みをかけますが、そこでもなかなか取り扱ってもらえず。
そんなこんなで販路開拓スタートから4年が経つ頃、オルセン氏に転機が訪れる事に。それが、
回転寿司店の普及
でした。
回転寿司であれば回っている生の鮭を見て子どもでも手に取ってもらえると考えたオルセン氏は、
商談先に高値で売れそうな高級寿司店ではなく、狙いを回転寿司店に変更。
それと同時に美味しそうな見た目にこだわってノルウェーで身の色の改良を施す事に。
その結果、エビ・カニなどの赤い色の原因であるアスタキサンチンを含んだエサを養殖鮭に与える事で天然鮭に近い鮮やかなオレンジ色の鮭を作る事に成功。
さらにオルセン氏は「天然鮭と養殖鮭は違うモノ」とはっきりと区別してもらうために日本では違う名前を付ける必要があると考えて、生で食べられる鮭を「サーモン」とうカタカナ表記の別名で呼ぶことに。
すると新しいメニュー開発に取り組んでいた回転寿司店がこのサーモンという呼び名を採用し、寿司ネタとしてお店で販売。
そして時が流れてサーモンは寿司ネタの定番に。
ちなみに鮭とサーモンの呼び方の違いは法律で定められているわけではなく、あくまでスーパーなどで売られる時などの呼び方の違いなので、名称に関わらず、スーパーなどでは加熱用や刺身用といった表記も合わせてされているんですね。
というわけでコチラが結論。
スーパーの鮭とサーモンの違いは一般的には生で食べられるのがサーモン、生で食べられないのが鮭
でした。
回転寿司で回したいものは?という問いかけには、ゲストの岩田剛典さんにひっかけて「EXILE。」という答え。
最後に塚原愛アナから補足。
佐野先生によると「鮭」という名称で売られているものでも生食できるものもあって、これは養殖モノを「鮭」という名称で売っているケースであったり、天然モノを冷凍処理して寄生虫を死滅させた状態で売られているものであったり。
ちなみに北海道の伝統的な調理法にルイベがありますが、あれは生の鮭を冷凍処理して寄生虫を死滅させているので冷凍のまま食べるか軽く炙って食べるようになっているとの事。
いずれにせよ生食用か加熱用かは必ず商品に表示されているハズなので混同しないように。分からない場合は販売店に要確認ですね。
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