YouTubeのスーパーチャット(スパチャ)を投げ銭と訳すのは間違い?仕組みが分かれば意味も分かる
YouTubeに実装されている機能の「スーパーチャット (略:スパチャ)」は日本語訳すると“投げ銭”とされるのが一般的。でも皆さんはこのシンプルな英語表現のSuper Chatと投げ銭って頭の中で簡単に結びつきますか?superにもchatにもお金のイメージはありませんよね?その辺の正しい使い方・言葉本来の意味を深堀りしてみましょう。
スポンサーリンク投げ銭=Super Chat?
まずは日本語の投げ銭の意味から見ていくと、
コチラは大道芸人やストリートミュージシャンなどが路上パフォーマンスをする際に寄付のような形でお金を募るイメージで共通しているかと思います。
良いパフォーマンスだなと思えば心付け、おひねり、ご祝儀のように任意の額をギターケースなり、帽子なりに投げ入れてみたり。
当然このような文化は世界中にあってネットの世界も例外ではありません。
ではこの投げ銭を日本語訳するとYouTube界隈で使われているワード“Super Chat”になるのかと言えばそれは誤り。
普通は「投げ銭=tip(チップ)」と訳すのが一般的。※英語発音としてはティップの方が近いですね
日本でもチップのままで外来語として通用するくらい定着しているワードで簡単に表現できますが、
多額の投げ銭をする人は“big tipper”と言ったり、“tip meで”「チップお願い、私に投げ銭して」なんて意味だったり。
ちなみにtipの単位はそのコミュニティ内で使われる一種の通貨単位であるtoken(トークン)で表現する事が多いですよね。※お金を両替してゲーム内通貨にするイメージ。カジノのチップはchipなので混同しないように。
“tipped 500 tokens”と書けば「500トークンのチップを送った」という意味に。
このようにチップであれば「お金、金銭」のイメージがしっかり結びついているので「投げ銭=チップ」というのは腑に落ちる所。
ではSuper Chatって一体…?
スポンサーリンクSuper Chatの本来の意味は?
という事で本題のSuper Chatの意味について。
これは無理やり直訳すれば、
- super=すごい、素晴らしい、特大、超
- chat=お喋り、雑談、(ネット用語としての)チャット
なので「超お喋り」「すごい雑談」「特大チャット」とかそんな感じ。
単語単位で見てみてもやっぱりお金の匂いは一切しません。
ではここでSuper Chatの意味についてYouTube公式ページでの説明を引き合いに出してみましょう。
日本語訳すると、
ライブ配信の視聴者であれば誰でも購入できるスーパーチャットはチャット内でコメントをハイライト表示させる事で他の人よりも目立つことが出来ますし、配信者の目に留まる事も。
大体こんな意味として説明してありますね。
実際にスーパーチャットを購入して送ると送信したコメントに色がつき、チャット上部に一定時間表示されますよね。
送る金額が高額になると強調表示される時間が長くなったり、金額によって色が変わったり。
つまりスーパーチャットの主な機能として強調されているのは「他より目立つ」という概念。
こうなるとSuper Chatの意味が段々見えてきますよね。
他の人たちの「ノーマルなチャット」に対して、目立つ豪華仕様の「スーパーなチャット」だと。
こうしてみると直訳の例で挙げた「超お喋り」というのもあながち見当外れでも無かったように思えますね。
サービスを提供しているYouTube側からするとユーザーに対して「お金を払って」いるのではなく「自分を目立たせるためにお金を使っている」という感覚をイメージさせたい狙いでもありそうです。
配信者に対して自分の存在感を強調する宣伝広告費という言い方も。
ちなみにYouTubeでは「スーパーファン(super fan)」なんて表現も使っているようですが、コチラは日本語訳すると太客になるでしょうか。
露骨にお金、金銭をイメージするようなワードを使うよりも婉曲表現を使った方が抵抗が少ないという面もあると思いますが、とはいってもスーパーチャットを送ると金額表示も日本円でガッツリ一緒に強調表示されるのでトークンで表示させる他のライブチャットサービスよりも表現が露骨なような気も。
という事はやっぱり巡り巡って結局「Super Chatの日本語訳は投げ銭」でも差し支えないかと。
でも「投げ銭の英語訳はSuper Chat」とはなりそうに無い事には注意が必要ですね。