ふぐに毒がある理由は?猛毒は身を守るためではない?チコちゃんに叱られる
21年5月29日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で出題されたのは『なぜふぐには毒がある?』という生物に関する問題。外敵から身を守るため?と考えがちですが、実はもう少し違う毒の使い方があるとの事でそれは一体何?そもそも自分の毒で死んだりはしない?そんなふぐの謎についてダーウィンが来た!の全面協力で。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】渋谷凪咲、児嶋一哉
【VTRゲスト】井上二郎(ナレーション)、ヒゲじい
なぜふぐには毒がある?
3問目の指名は、
この中で一番、毒っ気のないステキな大人ってだーれ?
回答者は児嶋一哉さんに。
視聴者から寄せられた疑問から出題された今回は、
「ふぐはなんで毒を持っているのですか?」というものですが、
ここでチコちゃんの疑問は、
なんでふぐには毒があるの?
外敵から身を守るためといういかにもありそうな答えにすぐに辿りつきますが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
岡村さんに聞いてみると、ふぐは体を膨らませるという威嚇方法も持っているので、毒はもはや使われなくなった自衛手段というちょっと深そうな答えが飛び出しますが「惜しくも何ともない。」とチコちゃんから一刀両断されて終了。
というわけでチコちゃんの答えは、
毒は母の愛 supported by ダーウィンが来た!
解説はNHK自然番組を担当して30年の荒井恒人ディレクター。
ナレーションは井上二郎さんに。
自然界最強といわれるふぐの猛毒テトロドトキシンは青酸カリの800倍以上という凄まじい威力で、
人が摂取すると1mgでも死に至る可能性があるという超危険な代物。
そしてこのふぐ毒は実は自分で作っているわけではなく、毒を持つ餌を食べているから体内に蓄えられているんですね。
1980年代に毒が入っていない人工の餌でふぐを養殖してみると無毒のふぐになった事から、ふぐは自分で毒を作れないことが判明したそうですが、
自然界では毒を持つ巻き貝やヒトデなどを食べているので毒を自然と体内に取り入れていた事が明らかに。
となると一つの疑問が。
スポンサーリンク毒入りの餌を食べたらふぐ自身も危なそうに思いますよね?
一般的な生物は毒入りの餌を食べると、体内で毒がたんぱく質とくっ付く事で痺れなどの症状が現れるのですが、
ふぐの場合は他の生物とは違う特殊なたんぱく質を持っていて、このたんぱく質は毒と非常にくっ付きにくい性質を持っているので毒を無効化する事が出来るんですね。
そして次に浮かぶ疑問はなぜふぐは毒を取り入れている?というもの。
外的から身を守るためという理由が真っ先に思いつきますが、
そうすると多くのふぐが肝臓や腸などの内臓に毒を持っていて、食べられてしまった後に毒の効果を発揮したのでは肝心の身を守るという事は不可能。
そしてこの疑問に関して新たな発見をしたのが日本大学の糸井史朗教授。
2019年に相模湾沿岸で行った小型のふぐであるクサフグの観察やDNA解析で糸井先生が見つけたのが、
クサフグは4月~6月の間に猛毒を持つオオツノヒラムシの卵を積極的に食べているという事。
クサフグの体内の毒の量を調べてみると、この間に毒の量は一気に上昇して15倍に。
この時、その毒の多くが卵巣に蓄えられている事も明らかに。
そしてこの4月~6月という時期はクサフグの産卵時期と一致。
この事から恐らくクサフグは自分たちの産卵に備えて、外敵に卵を食べられないように卵に毒を含ませているのでは?と考えられるとか。
さらに、この毒の効果はふぐの赤ちゃんが産まれた後にも続いているそうで、産まれてすぐの体長2mmほどの時代には、他の魚に食べられたかと思いきや、すぐに吐き出されて助かる赤ちゃんふぐの姿が。
毒のある部分が分かる特殊な手法で撮影した赤ちゃんふぐを観察してみると、毒が皮膚などの体の表面に集中している事が判明。
つまり、赤ちゃんふぐを飲み込んだ瞬間に皮膚の毒に触れてすぐに吐き出していたというわけですね。
これはクサフグ以外のトラフグの仲間にも当てはまるそう。
というわけでコチラが結論。
ふぐに毒があるのは毒は母の愛 supported by ダーウィンが来た!
でした。
これは毒だなと思うものは?というヒゲじいからの質問には「ついつい食べちゃう鉄板にこびりついたお好み焼きソース。」とチコちゃん。
最後に塚原愛アナから補足。
解説では主にクサフグのメスについて語られていましたが、実はオスも産卵期前に体内の毒の量が増えて、産卵期を終えると毒の量が減るんだとか。
今もふぐの生態に関する研究は日々進んでいるので新たな発見が今後されるかもしれないという事で〆。
という事でこの日の3問目は以上。
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