裁判で勝訴や無罪の紙を持って走る人は誰?あの紙の名前は?チコちゃんに叱られる
21年6月18日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で出題されたのは『裁判で勝訴や無罪の紙を持って走っている人って誰?』という問題。「びろーん」や「はた」という名前で呼ばれているあの紙ですが、なぜわざわざあんな紙を用意して判決内容を伝えているんでしょうか?そして一体誰が?そこにはある歴史が。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】TAKAHIRO、小芝風花
【VTRゲスト】なし
裁判で勝訴や無罪の紙を持って走っている人って誰?
3問目の指名は、
この中で一番、ニュースに詳しい知的な大人ってだーれ?
ここは岡村さんが回答者に。
ニュースで映る裁判所の光景を話題に出すチコちゃんですが、
チコちゃんの疑問は、
裁判で勝訴や無罪の紙を持って走っている人って誰?
そういう何でも屋さんの仕事、裁判官志望の人がやっているという答えですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
続けてTAKAHIROさんに聞いてみると口元に正解マークとピヨピヨ音。
チコちゃん「お~。正解です。つまんねーヤツだな~。」
というわけで正解を言われてちょっと悔しいチコちゃんから漢字の問題へ。
出題は「(のと半島の)”のと”」
納戸と書いちゃって不正解の岡村さん&小芝風花さんに対して、
堂々とした「能登」を書いてバッチリ正解のTAKAHIROさんはお見事。
メインの問題と合わせて漢字もチコってダブルで完全正解ですね。
というわけでチコちゃんの答えは、
足の速い若手弁護士
解説は弁護士で東京大学法科大学院客員教授も務める水口洋介先生。
そもそもあの勝訴や無罪といった文字が書かれたあの紙の名前については弁護士界隈では「はた」「びろーん」と呼ばれているアイテムだそうで、
水口先生「びろーんと出すでしょ?だからです。」
あの紙の目的は関係者や報道陣などに判決内容をいち早く伝える為。
特に公害や人権などに関する判決で世間の注目度が高い裁判で出されるケースが多いとか。
スポンサーリンク今回番組では2020年に人生初びろーんを出した弁護士の加部歩人さんを直接取材し、
28歳の若手弁護士が初めてびろーんを出すその瞬間を再現VTRで構成するという、
「NHコスペシャル ドキュメント裁判 びろーんへの道」がスタート。
物語の始まりは判決日の2か月前。裁判を担当する弁護士チームが大集合して会議。
議題は「びろーんの文言」。
キャリア2年目の弁護士であった加部さんも会議に参加しますが、会議では基本的に先輩やベテランの話を聞くだけという役割。
実はあのびろーんにはいろいろな言葉のパターンがあるそうで、
勝訴にしても、
- 一部勝訴
- 全面勝訴
- 逆転勝訴
と判決内容によって微妙に文言が変わったりで、
どんな内容のびろーんにするのかというのは真剣に話し合う重要議題なんだとか。
実際に会議で絞られた最終案は判決内容に基づいて、
- 一部勝訴
- 勝訴
- 不当判決
- 慰謝料を増額
- 救済範囲拡大
- 悪質性を認定
- 実態を理解せず
という7パターンに決定。
そして会議ではびろーんを出す役割として加部さんに白羽の矢が立つ事に。
「ホントに僕でいいのか?と思いました。目立つ役割なのでこんな下っ端の若手でいいのかな?と。」
なぜ若手弁護士にびろーん役が回って来るのか?
びろーんの歴史を紐解いてみると、
1963年(昭和38年)の最高裁判所の判決発表の瞬間を見てみると、報道陣の手によって窓を開けて掲げられるスタイル。
この他にも非常に長い垂れ幕のようにまさにびろーんと裁判所の敷地内で出されていたわけですが、1968年(昭和43年)になると秩序維持の為に裁判所の敷地内でびろーんを出す事が禁止に。
その頃の裁判所では報道陣が敷地内で掲げるびろーんの他に、裁判所の外で関係者がビラや看板などを使ってびろーんを出す姿があちこちで見られたり、裁判そのものに対して抗議する人が現れたりとかなりカオスな状態に。
こうなると裁判所周辺が物々しい雰囲気になってしまい、公平な裁判の妨げになるという事で敷地内びろーんは原則禁止されたんですね。
すると判決内容をいち早く伝える他の手段が必要になったわけで、そこで報道陣に代わって弁護士が裁判所内で走ってびろーんを出すように。
その際に、裁判所の職員や警備員に制止されないように足の速い若手弁護士が選ばれたという歴史があったんだとか。
今は裁判所内でびろーんを出す事は無いそうですが、外で待っている原告や報道陣の方に一刻も早く伝えたいという気持ちで足の速い若手を選ぶのが慣例になっているそう。
スポンサーリンクというわけで判決日当日。
注目を浴びるびろーん役のポジションを与えられたという事で入念なリハーサルを繰り返す加部さん。
実際には出ないであろうと思われた敗訴した際の「不当判決」の文字を使って練習していた所、それを目にした先輩からは「何でそんなの出すんだ。縁起悪いだろう。」と一喝されたなんてエピソードも。
そして判決内容が読み上げられるその傍らでは、7パターンのびろーんを横に準備して待機する加部さんの姿。
外からは見えないのでパターンごとに番号を振って区別。
そしてどのびろーんを出すのかはベテラン弁護士が判決に照らし合わせ、メモに数字を書いて加部さんに渡すという方法で伝達。
過去には逆さまにびろーんを出してしまうという痛恨のミスや、走って自動ドアにぶつかったりというアクシデントがあったりという事を聞かされていた加部さんはドキドキしながらびろーんを手に外へ。
実際は走って外に飛び出たのではなく、ゆっくり歩いて登場するというスタイルになったという加部さん。
判決内容は弁護団の満足のいく内容だったという事もあって、ギフトを渡す感じで悠然と歩いたとの事。
「なんで走らなかったんだ!?って怒った先輩もいたんですけど当時はそういう雰囲気だったという事で…。」
割と走るのが王道という考えがあるみたいですね。
というわけでコチラが結論。
裁判で勝訴や無罪の紙を持って走っている人は足の速い若手弁護士
でした。
足が速い好きな人は誰?という質問には「井出らっきょ。」とチコちゃん。
最後に塚原愛アナから補足。
びろーんは裁判によっては稀にベテラン弁護士や傍聴席にいた原告などが出す場合もあるとか。
という事で3問目は以上。
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