あさイチ ホルモン”テストステロン”と男性更年期 テストステロンを増やす方法は?
22年2月28日放送のNHK「あさイチ」では男性ホルモンのテストステロンと男性更年期を特集し、テストステロンを増やす方法として運動(筋トレ)、食事、推し活といったポイントを紹介。ただし運動もやり過ぎては逆効果で壁スクワットが簡単といった話題も。という事で番組内容を総まとめ。
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男性更年期
解説は順天堂大学の堀江重郎先生。
更年期というと閉経などを経験する女性に多く見られるイメージがある一方で、
男性の場合は特定の起こりやすい時期があるというよりは、ストレスなどによって突然更年期が起こり、
それがいつまで続くのかは人それぞれとかなり厄介な問題だったり。
堀江先生「男性の更年期は年齢がはっきりしていないんですが、40歳以上で大体6人に1人いるんじゃないかといわれています。」
さらにコロナ禍という大きな環境の変化によって以前より更年期に関する病院受診が増えているとの事。
その際にポイントになるのが男性ホルモンの代表格といわれるテストステロン。
ただし「テストステロンは男性ホルモンなんだから女性には無関係」というのは間違いで、女性にとっても非常に重要なホルモンという事でテストステロンを高める生活習慣についてご紹介。
テストステロンを増やす
女性にとってのテストステロンの重要性を実感し、テストステロンを高める習慣を長年続けているという泌尿器科医の関口由紀先生は、
「テストステロンは前向きホルモン。人生の活動性を上げて外に出るもの。50歳以降の女性が生き生きと過ごすためには必要なホルモン。」
そこで関口先生が取り入れているのが、
- 運動
- 食事
- 推し活
【運動】
関口先生は58歳というお歳ですが、
週2ペースでトレーニングジムに通って女性トレーナーさんについてもらって有酸素運動と筋トレ。
有酸素運動は早歩きより少し速いペースぐらいで決して激しくない範囲でのランニング。
筋トレも同様に軽めの負荷のようですね。
筋肉にはテストステロンを受け取る受容体があり、運動によって筋肉が増える事で受容体の数も増えるので、これに伴ってテストステロンの分泌も増えるというわけですね。
医師としての仕事中も「運動」を意識して、ずっと座りっぱなしではなく、事あるごとに立ち上がる事も意識。
その際には机に手を付いてよっこらしょではなく、脚の筋肉だけを使って立ち上がるのも大事とか。
また、歩く時は胸を張って姿勢を良くして歩くのも意識。
「肩甲骨を寄せて胸を張る」という姿勢もテストステロンアップには効果的と堀江先生のアドバイスも。
この姿勢を2分間行うだけでテストステロンの分泌量が20%アップするというコロンビア大学の研究もあるので意識したい所ですよね。
スポンサーリンク【食事】
テストステロンを高める食事は色んな食材をバランス良く食べる事が大事だそうですが、
よく行くという沖縄料理のお店でおすすめメニューとして紹介されたのがミヌダル(豚肉の黒ごま蒸し)。
テストステロンの原料となるのがコレステロールでその源は脂質やたんぱく質。
ちなみにコレステロールを含む食品を摂っても血液中のコレステロール値には影響しないというのが現代医学の常識になっているので、コレステロール値が気になるからコレステロールを控えるというのはかなり古い知識だったりなので注意。
また、良質な油を摂るのも重要なのでごま油、オリーブオイルなどはオススメとの事。
この他に堀江先生はビタミンDを含む鮭、亜鉛を含む貝を摂取する事でテストステロン値のアップが期待できるというアドバイスも。
【推し活】
推しへのトキメキが刺激になってテストステロンの分泌量がアップ。
ただし、推しをただ眺めて尊んでいるだけでは不十分で、フィジカルを使った「おっかけ」が大事だそう。
例えば推しアーティスト、アイドルがいる場合は実際にライブなどファンとの交流イベントに足を運ぶというアクションがポイントなんですね。
「外に出かけてつかみ取る」という能動的な姿勢によってテストステロン値がアップ。
こうする事で狩猟生活と密接に関わっていたテストステロンという人類の太古の記憶を呼びさます事が出来るんですね。
その際、推し仲間と交流を深めるという社会的コミュニケーションもテストステロンアップに貢献するとの事。
推し活仲間みんなで着物を着て出かけようと計画を練ったりと、とても充実した推し活ライフを送っていらっしゃる様子。
テストステロンについて関口先生は、
「テストステロンは無くても死にはしないんだけど、あった方がずっと楽しい。第二の人生は楽しいのが重要で、その為にはテストステロンがすごく重要。」
テストステロンと運動
早稲田大学教授の鳥居俊先生によると、
運動するとテストステロンが上がるからといって、やみくもにやるだけではダメで”注意するべき運動がある”との事。
「運動を長時間、ある程度以上の強度でやり過ぎると(テストステロンは)逆に下がる。」
例えば大学の長距離選手をサンプルにそのテストステロン値を測定してみると、特に運動をしてない同じ年代の男性に比べてその値が低い事が明らかに。
これは長距離選手に限った話では無く、その他の瞬発力を使う短距離選手や投てき競技の選手などにも同様の傾向が見られたと鳥居先生。
つまり運動もやり過ぎてはダメというわけですが、運動の目安としては「楽しく会話しながら出来る程度」が長く続けるには取り組みやすく安全との事。
具体的な筋トレだとスクワットが最も適しているそうですが、
スクワットは正しい姿勢で行わないといけないという意外と厄介な筋トレメニューなので
壁(褒め合い)スクワットが簡単でやりやすいと鳥居先生のオススメ。
やり方は、
- 壁に背を付けて立ち、一歩前(足のサイズより少し長い程度)に出る
- 足は肩幅に開き、つま先は真っ直ぐ前に向ける
- スキージャンプの姿勢をイメージしつつ、お尻を突きだして壁にタッチ
- そこから椅子に座るイメージでゆっくりと太ももが床と平行になるまでお尻を下げる
- 姿勢を戻して元の立ち姿勢に
- 10回行う
全体的にゆっくりした動きを意識するのがポイントで、2秒かけて下げる、2秒かけて上げるぐらいのリズム。
スポンサーリンク一緒に行うトレーニングパートナーがいる場合はお互いに「褒め合う」のも良いそうで、話しながらなので負荷が強くなり過ぎず、褒め合う事によってさらにテストステロンアップの効果も望めるそう。
スクワットだけだと物足りないという人には、
- 足上げ腹筋 10回
- 膝をついたプランク 20秒
といった筋トレも行うと良いそうでペースは週3回が一つの目安。
テストステロンと記憶力
順天堂大学、東京大学で教授を務める川戸佳先生はテストステロンが記憶力に関係している事を世界で初めて発表した方。
ポイントは記憶を司る海馬。
海馬の中には無数の神経ネットワークが存在していますが、ネットワーク同士のつなぎ目(シナプス)の数をテストステロンが制御しているのではないか?というのが川戸先生の研究結果。
「テストステロンが脳の中で下がる状態にある人はシナプスの数が減るので、記憶・認知能力が低下してしまいます。若い時のテストステロン値に近付けると認知機能が回復すると考えられます。」
以上、あさイチから性ホルモン、テストステロン特集についてまとめでした。
コチラの記事も
男の更年期障害を予防するテストステロンを回復・増加させるには?NHKクローズアップ現代+より
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