冷たいの意味は?爪が痛いが語源 チコちゃん
24年1月19日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『冷たいことをなぜ「冷たい」と言う?』の答えを簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】関口メンディー、日向坂46佐々木美玲
【VTRゲスト】なし
冷たいことをなぜ「冷たい」と言う?
2問目の出題は、
冷たいことをなんで「冷たい」って言うの?
チコちゃんの答えは、
爪が痛い
解説は国立国語研究所の小木曽智信教授。
もともと温度が低い言葉を表現する際に使われていたのは「寒い」という言葉で日本最古の和歌集である万葉集には「寒し」という記載。
ですから古来は「寒い水、氷が寒い」といった言い方の方が自然だったわけですが、平安時代ごろから手に触れて寒いと感じた際に「爪痛し(意味:爪が痛い)」といった表現が庶民の間で流行りだしこれが徐々に変化して、
と転じて行ったという言葉の歴史。
昔は暖房も給湯器も当然ながらないので真冬の選択などは凍える手を我慢しながら痛みに耐えて頑張っていたはず。
ちなみに皮膚科医・野田弘二郎先生の解説では爪には神経が通っていないので実際に爪自体に痛みを感じているわけではなく、痛みを感じているのは爪の下にある爪床(そうしょう)と呼ばれる部分との事。
爪床には知覚神経が集中しているので冷えると敏感に痛みを感じるんだとか。
川や井戸水で洗濯をしたり、川で体を洗ったりという事が普通だったので、現代と比べるとよっぽど爪痛しと感じる場面も多かったと。
また、痛みと寒さには感覚として共通点が多く、寒さを感じると肌がピリピリしたり、冷たい水に触れて肌がジンジンしたりと温度の低さによって起こる痛み表現が温度の低さそのものを表すようになっていたという経緯もあると小木曽先生。
さらに現代では「冷たい態度、冷たい言葉」のように温度の低さというよりも感情を伴った言葉としても使われるようになってきていますが、人の態度に対して使われるようになったのは江戸時代ごろとの事。
芸者や遊女の花柳界において、女性のそっけない態度が温度の低さを連想させたことから人の態度に対して「冷たい」と表現するようになっていったとか。
花柳界において男女の関係を温度に例える粋な言い回しが流行ったこともあって、それが徐々に広く世間に広まっていたと考えられるとの事。
アイドルの塩対応などもこれに近いのかもしれませんね。
相撲やプロレスで「しょっぱい試合」という表現が古くから使われていて、これが人の態度にも使われるようになって来ているという状況はまさに冷たいと同じ流れのような気がしますね。
という事で2問目は以上。
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