プレバト俳句春光戦2024 出演者&ランキング結果 春タイトル戦優勝者はキスマイ千賀
24年3月28日「プレバト 3時間頂上戦」では新ルールになった春の俳句タイトル戦・春光戦を開催という事で出演者やランキング一覧など決勝結果をまとめてご紹介。
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出演者リスト
【出場者】
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ファーストステージ用に用意した句を採点して出場10名の中で上位3名のみが決勝戦進出。
決勝ステージは決勝用の2つ目の句で勝負。
つまり良句を2つ揃えないと優勝できないという今回から採用された新しい春光戦ルール。
スポンサーリンクファーストステージ最下位~4位
芭蕉や子規ら偉大な俳人が詠んできた三大季語の雪月花の花を意味する桜と真っ向勝負。
10位(最下位) 的場浩司『我が運命 夜櫻に問う 生も死も』
夜桜を見ていると「俺はあと何回桜を見られるだろう?」という思いが浮かんでくるという実体験を句に。
言いたい事は分かるものの全体が観念的で和製ハムレット状態になってしまっているのが俳句としては損という指摘。
また”生死を問う”と書いているので”運命”は分かり切っているのでいらないというダメ出しも。
俳句は季語を主役にしていかに季語を立てるか?いかに季語に思いを託せるか?が肝心なので、
『満開の 夜櫻に問う 生も死も』『満開の 夜櫻に我が 生を問う』
といった添削案。
花月夜は桜の咲く頃の月の美しい夜を意味する季語。
花月夜が夜なのに対して、学童終わりだと夕方がパッと浮かぶので時間が逆行している点が気になると夏井先生。
『チャンバラの 続く団地や 花月夜』
と時間ではなく場所情報を入れ込むと季語も活きて来て整うというアドバイス。
花曇は桜の花が咲く頃の曇り空を表す季語。
花曇と赤子の取り合わせは良いものの、中七が客観的な説明になってしまっている点が残念。
むしろ”昼夜の区別なき”を映像として句に落とし込んだ方が良かったという夏井先生のダメ出しで、
『花ぐもり 夜を泣き昼を泣く 赤子』
とすると作品としては整うという添削案。
また、作者が分かった時点での夏井先生のダメ出しでは永世名人という立場であれば兼題の桜と真っ向勝負して欲しかったという注文も。
フルポン村上「桜はもう嫌いになりました。」
スポンサーリンク皇居のお濠にいる水鳥がせわしなく動いていて鳥たちも桜を楽しんでいるのかな?という風景を詠んだ句。
いきなり”羽音”を出して音の情報をパッと持って来る演出は巧みで、端、羽、走り、初と「は」の韻の踏み方も綺麗と高評価。
ところが”端の”ではなく”端を”が正解という指摘。
「を」は経過していく場所や時間を表現するワードなので「の」だと不適切。
『濠の端を 羽音走れり 初桜』
走れりと言い切ってしまう事でピリッとしたキレの良い句に。
この小さな2点をミスしたせいでベスト3入りを逃したと夏井先生。
桜を見てさくらさくらと口ずさむ娘の姿を見て多幸感に包まれつつ、娘の魂の色が桜の色と重なって感じたという意味の句。
桜の色と娘の魂の色を重ねるというその感性自体が詞的な表現になっていて味わい深い作品で、このタイプの作品であれば”娘”というワードで限定的な言い方は避けた方が広がりが生まれると夏井先生。
『さくらさくら 子のたましいの さくら色』
“娘”だと作者の娘だけに限定される所が、子にする事で誰しもに当てはまる句になって共感の幅アップ。
さくらをリフレインさせて調べも整える工夫。
闘病中に人格が変わってしまった母が束の間だけ以前と同じで明るく振舞ってくれる時があったという実体験。
その束の間を桜の咲く一時に重ねて詠んだ句。
母と一緒に桜を見て歩いているというありふれた光景を詠んだ句に”正気の”と一言入るだけで一気に作品の持つ意味がガラッと変わってくるので、この位置に置いた点を絶賛する夏井先生。
一方で”花の道”とわざわざ書かなくても”道”を表現する事は可能で余計なワードと取れる点が悩ましい所。
それでも母と桜の道を歩いたという作者の記憶・強い思いがこの”道”に宿っていると考えると無為に修正すると作者の意図に反するのでここはノータッチという夏井先生の判断。
4位 キスマイ横尾『花月夜 冒険譚(たん)に 挿す栞(しおり)』
冒険譚とは冒険についての談話や物語の事。
長編小説を読んでいるうちに気付いたら夜になっていて、窓の外の綺麗な桜が目に入った事でちょっと休憩しようとしおりを挿したシーンを句に。
“花月夜”と”冒険譚”が並んでちょっとファンタジーを感じさせる点は作者の意図通り。
議論の的になるとすると”挿す栞”or”栞挿す”とするかの二択で、その点で見ると作者の選択通りの”挿す栞”が適格という夏井先生の判断で”栞挿す”にすると”栞”だけで意味が通ってしまうので”挿す”が不要になるという解説。
添削は無かったものの決勝進出には一歩届かず。
スポンサーリンク番外編
予選敗退者の中で決勝用の句で傑作だった作品を夏井先生がピックアップ。
これをファーストステージで提出していたら決勝に進めていたと夏井先生。
桜はずっと咲いていても、祖父が亡くなった後の今朝の桜だけは寒々と感じるという実体験を詠んだ句が高評価に。
想いが固まりすぎて失敗したファーストステージの「我が運命の句」に比べると生々しい描写が成功していたとの事。
スポンサーリンク決勝進出トップ3
3位 キスマイ千賀『幽谷の ロッジの夜明け 白き飛花(ひか)』
風景画で有名な東山魁夷の絵を俳句に落とし込んだ作品。
“ロッジ”=建物、”夜明け”=時間とそれぞれの言葉・情報が互いに邪魔しないようにパーツがはまるかのごとく書かれている点を高評価。
1位を目指す添削案としては、
『幽谷の ロッジの夜明け 飛花(ひか)白し』
とすると飛んでいく花びらの印象が白く残る効果が生まれ、
『幽谷のロッジ 夜明けの 飛花(ひか)白し』
で建物を出した所で一度カットを切ってあげる工夫があるとさらなる高みを目指せたというアドバイス。
刑務所というワードには多くの情報が詰まっているので”囲む”のワード一つで塀の外と内を表現している技術的な巧みさ。
“仄白き”で後に続く余韻を持たせたことで桜の白を上手く想像させている点も絶賛。
夏井先生「いやこれ、ジュニアさんお上手になられましたね。」
満開の桜の中にまるで鬼が住んでいるようだと感じた事を詠んだ句。
桜からパッと異世界に飛んで、桜と鬼を取り合わせるという非常に難しい事をやってのけていると夏井先生。
しっかりと季語を主役にして、そこに続く言葉を寄り添わせているバランス力は流石との事。
スポンサーリンク決勝ステージ結果
青森の弘前城に咲く桜が散って城下町が桜色に染まる光景を詠んだ句。
夏井先生からは”吹かば”が余計なワードとダメ出し。
『夕風や 花の色なる 城下町』
だと夕暮れの桜の色を表現できたり。
2位 千原ジュニア『青光りせり 750cc(ナナハン)に 花吹雪』
愛車の青いバイクのタンクに花吹雪が吹き付けて、それでテンションを上げながら仕事場に向かう様子を詠んだ句。
“青光り”は車体の色でありつつ、花吹雪の光の印象とも重なって味わい深いと夏井先生。
優勝 キスマイ千賀『出郷(しゅっきょう)の 車窓を叩く 飛花落花』
上京する新幹線の窓を散る桜の花びらが叩き、涙のようにも決意にも感じたという句。
“出郷”だけでふるさとを表現出来ており、”叩く”で別れを惜しむ人、見送りの人をパッと匂わせる事にも成功。
映画のワンシーンのように読者を作品の世界にすっと入り込ませる工夫が活きて優勝作品に決定。
以上、プレバト春光戦2024の結果まとめでした。
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