陸上のクラウチングスタートの元祖は?その歴史は?第97回 NHK「チコちゃんに叱られる!」より
20年7月3日放送の第97回 NHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『クラウチングスタートってなに?』という疑問。そのネタ元になったのはカンガルーとの事ですがその歴史とは?
ということで、20年7月3日に放送された第97回 NHK「チコちゃんに叱られる!」の様子をまとめてご紹介します。
※同放送回のその他の疑問は別記事でフォロー。
スポンサーリンク出演者
【メインMC】チコちゃん(声:木村祐一)
【アシスタント】塚原愛(NHKアナウンサー)
【ナレーション】森田美由紀(NHKアナウンサー)
【レギュラー】ナインティナイン 岡村隆史
【ゲスト】五木ひろし、若槻千夏
【VTR】
チコちゃんの疑問その3
クラウチングスタートってなに?
3問目は笑いながら始まる定番パターン。
五木ひろしさんの「よこはまたそがれ」を鼻歌で歌うチコちゃんw
チコちゃん「うふふふバージョンでございました。」
3問目の指名は、
この中で一番、かけっこが得意なステキな大人ってだーれ?
岡村さんが自ら立候補。
チコちゃんの疑問は、
クラウチングスタートってなに?
陸上競技を観戦する際にクランチされたお菓子を食べながら観ていたからだとか、クランチ菓子を持ってスタートを切るとポケットからこぼれ落ちるからだとかムチャクチャな答えに突っ走る岡村さんですが、
チコちゃん「岡村!そしてみんな!ボーっと生きてんじゃねーよ!」
岡村さんのトンデモ解答にみなさん拍手を送っていたので同罪w
クランチ=crunchは噛み砕く音を表現しますが、クラウチ=crouchはしゃがむ、かがむという意味なので響きが似ているだけで異なる語。
ちなみに英語ではクラウチングスタートと表現するよりもcrouch start=クラウチスタートという言い方が一般的だったり、スタートブロックを使ったスタートなのでblock start=ブロックスタートという言い方だったり。
新橋のSL広場で同じ質問をしてみても特にこれと言った答えは出ず。
ということでチコちゃんの答えは、
カンガルーのマネ
岡村「うわぁ。ポケットからつながってる。」
さあどうなんでしょう?w
解説は立命館大学の岡尾惠市教授。
クラウチングスタイルを考案したのはオーストラリア人のリチャード・クームズという方。経歴はスポーツジャーナリスト。
17~18世紀はスタンディングスタートが主流でしたが、その頃はスタート方法についてはあまり頓着せずに気にしていなかったとの事。
記録に残っている最も古い短距離走は1845年で立ったまま走り出すスタンディングスタートが主流。
しかしここに一石を投じたのがリチャード・クームズ。
閃いたのがカンガルーの前傾姿勢。
低い姿勢で重心を前にする事でスタートで起き上がる動作と共に一歩目が出せるようにと考案。
重心が前にあるほど地面を蹴る力が前方へ大きく働くので走り出してから素早くトップスピードに移行出来るというメリット。
となるともっと速く走る動物である例えばチーターなどの動物のマネでは?という疑問も浮かびますが、
そういった動物は原則的に四足歩行なので人間の二足歩行とは相いれないと岡尾先生。
そこで人間と同じく二足歩行のカンガルーの方が取り入れやすかったわけですね。
このカンガルーを元にしたクラウチングスタートはある出来事のおかげで世界中に爆発的に広まったそうで、それが、
1896年の第1回アテネオリンピック男子100m。
YouTube動画。
その他の選手が皆総じてスタンディングスタートだったのに対して一人だけクラウチングスタートをとる選手が。
それがアメリカのトーマス・バーク選手。
結果は金メダル獲得。その時の記録は12秒00というタイム。
ここから陸上短距離のスタートはクラウチングスタートに一変。
第2回オリンピックではほとんどの選手がクラウチングスタートとなって新たなスタンダード化。
ではスタンディングスタートとクラウチングスタートでどれほどのタイム差が出るのかを実験。
元陸上部の監督を務めた岡尾教授と立命館大学陸上部の部員に協力してもらって比較してみる事に。
走るのは日本グランプリシリーズで優勝経験もある本郷沙樹選手。
距離を50mにしてまずはスタンディングスタートから。タイムは6秒64。
続いてクラウチングスタートでは6.20。
本人の感想ではクラウチングスタートではスッと前に出る感覚があるものの、スタンディングスタートでは一回置く感覚があるとか。
スタンディングスタートではスタート姿勢で真下に力が加わっているので、後ろ足を踏み込む動作でワンテンポ遅れが発生。
一方でクラウチングスタートではスタート姿勢で既に力が前に向いているので起き上がる動作でスムーズにスタートが切れるという原理ですね。
参考に現在の60m走の世界記録はアメリカのクリスチャン・コールマンが2018年にマークした6秒34。
スポンサーリンクちなみに第1回アテネオリンピックの短距離競技では「両手に木の棒を持って」スタートする不思議な光景あるのですが、
これは木の棒で地面をかく事でスタートの加速の助けにしようとしたのでは?と岡尾先生。当時のスタートのルールはあいまいで何でもアリだったんですね。
せっかくなのでこの木の棒スタートも含めて、3人の選手で、
- クラウチングスタート
- 木の棒スタート
- スタンディングスタート
でレースをしてみる事に。
結果はクラウチングスタート、木の棒スタート、スタンディングスタートの順でゴール。
木の棒スタートの方が姿勢が低くなるので一応スタンディングスタートよりは好記録。
でもクラウチングスタートとは雲泥の差。
ということでコチラが答え。
クラウチングスタートはカンガルーのマネ
でした。
最初が肝心だと思う事は?という問いには「こびりついたシールを剥す時。」とチコちゃんw
最後に塚原愛アナから補足。
第1回アテネオリンピックから広まったクラウチングスタートですが、しばらくの間は選手が自らスタート位置に穴を掘って足が滑らないようにその位置を決めていたとか。
その為に持参したスコップを持ってスタートの順を待っていたとの事。
ちなみにスタートブロックが無い状態だとクラウチングスタートよりも3点スタートの方が効率的なスタートというのは意外に知られていない事実だったり。
YouTube動画。
アメフト選手なんかはこのスタンスを基本としていますし、陸上の短距離選手もスタートの練習の一環としてこの3点スタートを行ったりしますよね。
リレー種目では第2走以降は3点スタートでスタートしてバトンを引き継いだりしますね。
国際大会でメダルを獲得している我らが日本チームを改めて見てみるとリレーの引き継ぎでは3点スタートはおろか、スタンディングでスタートしているのが分かりますね。
この辺はまだまだリレー種目の進化の過程といった所で各チームが色々と試行錯誤している段階にあるわけです。
とはいえ、運動会のかけっこなどではスタートブロックが無いのが普通なので3点スタートの方がオススメですね。
ただし、練習ナシでパッと行えるような代物ではないので、下手に付け焼刃でやる位なら普通にスタンディングスタートの方が良かったりとこの辺は難しい所。
総括では次の五木ひろしさんのCDジャケットが気になると若槻千夏さんw
ポケットに手を入れているのかどうかに注目が集まりそうですが、
五木ひろし「これはちょっとお楽しみですね。」
岡村「もしかして先生。2万円とかこうしてんのちゃいます?笑」
お札を手にするという斬新なw
スポンサーリンクひだまりの縁側で・・・コーナー
おたよりコーナーはキョエちゃんのステイホーム期間が終わったようで今回から復活。
七夕も近いので岡村さんに願い事を聞くキョエちゃんですが「ステキな人が現れますように。」と岡村さん。
色々聞いた挙句「却下!」と冷たいキョエちゃんは代わりに「生まれ変わったら小島よしおになれますように。」と勝手にお願いw
キョエちゃん「そんなの関係ねぇ。はい。岡村ぱっぴー。」
さて、今回のおたよりは病気から一時退院中という8歳の子から。
チコちゃんを応援しているのでチコちゃんからも応援して欲しいという似顔絵付きのおたよりですね。岡村さんの姿はありませんがw
なかなか大変な病気の治療中のようで、チコちゃんとキョエちゃんからは最大限のエール。
加えて7月4日が誕生日だそうで、ハッピーバースデーを歌う3人。
おたよりのあて先は、
〒150-8001 NHK 「チコちゃんに叱られる」係 宛て
※お名前/ご住所/ご連絡先(電話番号やメールアドレス)をご明記ください。名前のわきに「5さい」と書いてください。
番組公式ホームページ http://nhk.jp/chikochan
ですね。
キョエちゃんから元気を届けて欲しい方は「ベランダに生ゴミをいっぱい置いてくださいね~。バナナの皮マシマシで。」とキョエちゃんからリクエストw
そんなにんにくマシマシみたいな言い方w
最後のメッセージは、
チコちゃん&キョエちゃん&岡村「ハッピーバースデー りおちゃん」
で今回は以上。
次回放送予定は?
次回放送予定は、
20年7月10日(金) 夜7:57スタート(一部地域を除く)
20年7月11日(土) 朝8:15スタート(再放送枠)
登場予定ゲストは6回目の登場となるかたせ梨乃さんと2回目登場の野々村真さん。
紹介される疑問は、
- 瞳がキラキラしているのはなぜ?
- 殺菌、除菌、抗菌の意味や使い方の違いは?
- 公園のボートがスワンボートなのはなぜ?
といった3問が出題されるという予想。
その他に働き方改革コーナーではお城の秘密が特集されるとか。
というわけで次回も楽しみですね。
※同放送回の疑問はコチラ
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