パシュートの意味とは?英語で追い抜きではなく”追いかけ、追跡”が正しい意味
スピードスケートの団体競技といえばチームパシュート(団体追い抜き)がオリンピックの度に話題に上がりますが、そのパシュートの意味を「先頭交代」の意味で「追い抜き」だと勘違いしていませんか?というわけでpursuit(パシュート)の英語の意味についてご紹介。
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パシュート=追いかけ
確かにチームパシュートは先頭交代をして滑っていく姿が印象にあるので「”先頭交代”をするから追い抜き競技と言うのか。」と思いがちですがそれは誤り。
パシュートの英単語pursuitの本来の意味は「追いかけ、追跡」というのが正解なんですね。
例えば海外だと容疑者の車を追いかける警察の姿(カーチェイス)などをpursuitと表現したり。
車で「追跡」しているわけで当然ながら「先頭交代」なんてしていないですよね。
ましてや容疑者を追い抜くわけもなく。
ちなみに追求、追いかけるという意味では、真理を追求したり、夢を追いかけたりと一般的な使い方もするのがpursuitという単語なので、
ウィル・スミス主演の映画『幸せのちから (原題:The Pursuit of Happyness)』といった使われ方も。※Happinessが正しい綴りですがここではあえて劇中の設定を生かしてスペルミスをタイトルに採用。
映画では幸福を追いかけていましたが一方でパシュート競技では一体何を追いかけているのか?というと、
チームパシュートでは半周差をつけた状態で両チームが同時にスタートするわけですが、お互いに追いかけ合うのでパシュート。
両チームでかなりのスピード差があるとこのように追いついた挙句に「追い抜き」になってしまう事もありますが、
画像はベルギーチームを追い抜いてしまう日本チーム。※この場合は追いついたチームの勝利が確定しますが、既定の周回を回るまでタイム計測は継続
2018年の平昌オリンピック以降に先頭交代をしない戦術をアメリカチームが導入し、新たな戦い方としてトレンドになりつつありますので「先頭交代しないのにパシュートじゃない。」というのは早計。
半周先のチームを追いかけているのでどう滑ろうがパシュートはパシュート。
ちなみに自転車トラック競技で行われているパシュート競技の方が歴史が長いのですが、自転車の場合はチームパシュートの他に個人パシュートも競技として実施されていますよね。
「同じチームの選手に追い抜かれる(先頭交代)=パシュート」という意味だとしたら個人パシュートって余計に意味が分からなくなりますよね?
半周先を走る選手を追いかけるのでこれもれっきとしたパシュートである事は明白。という事でパシュートの意味についてでした。
コチラの記事も
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