ステンドグラスってなに?チコちゃん
26年5月8日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『ステンドグラスってなに?』の答えなどまとめてご紹介。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】南野陽子、片寄涼太
【VTRゲスト】なし
ステンドグラスってなに?
3問目の出題は、
ステンドグラスってなに?
チコちゃんの答えは、
聖書の代わり
解説は名古屋大学の木俣元一名誉教授。
ステンドグラスはもともと聖書の代わりとして製作され始めたという背景で、実際に世界各地にある教会のステンドグラスにはキリストや聖母マリアの姿や、聖書に登場する様々な場面が描かれていたり。
現存する世界最古の絵付けステンドグラスは約1200年前の9世紀頃のものと考えられる修道院の跡地で見つかっており、キリストと思しき顔が描かれたデザイン。
このわざわざガラスで表現するようになった背景には中世初期のヨーロッパは文字を読める人が少なかったという事が関係していて、教会で文字を読めなくても目で見る事で理解できるように絵を使って聖書の内容を伝えるというのがそのはじまり。
キリスト教がヨーロッパに広がり始めたこの時代に文字の読み書きが出来たのは聖職者や貴族といった限られた人たちのみで、例えばローマ教皇のグレゴリウス1世は絵画を使って聖書の教えを広めるという方法を取り入れ、これ以降は教会の壁や天井に絵を描く事で聖書の内容を伝えるという手法が大きく広まる事に。
スポンサーリンクところが壁いっぱいに絵を描こうとすればするほど壁の面積はどんどん広がっていくわけで、そこで問題になるのが壁に追いやられて小さくなってしまった窓。すると採光が十分に出来ないので教会が暗くなってしまうのは自然の事でせっかく見事な壁画を描いても綺麗に見えないというジレンマが発生。
これを解決するために生まれたのが窓に絵を描くという発想で、ガラスに色を付けて絵を描いて窓にはめ込んだのがステンドグラス。
ステンドグラスは教会内を煌びやかに飾る装飾という面と、窓からの光を取り込む採光という実用的な面を同時に実現する画期的なもので、特にキリスト教では光は神の象徴とされているためにステンドグラスから差し込む光は神の存在を感じさせる神聖な空間を生み出す一助に。
つまりステンドグラスは聖書の内容を伝える役割以外にも神の存在を身近に感じさせたり、見る人の心に強く働きかけるものなわけで、そんなステンドグラスの集大成とも呼べるのが12世紀から13世紀にかけて作られたフランスのシャルトル大聖堂。
100年近くかけて作られたシャルトル大聖堂のステンドグラスはシャルトルブルーと称される鮮やかな青色が特徴で聖書の物語が窓いっぱいに描かれるという荘厳さ。
キリストの生涯や聖書の教えを誰もが目で見て知ることができるステンドグラスはまさに見る聖書。
このシャルトルブルーといわれる独特の深みを持った青色は聖母マリアを象徴するヴェールの色が起源とされていて、シャルトルブルーに包まれるという事は聖母マリアに包まれているのと等しい感覚になると木俣先生。
13世紀になるとデザインはより精細に豪華に進化していきますが、16世紀に起こった宗教改革では聖書の言葉をより重要視するプロテスタントが生まれ、美術を通して信仰を伝えようとするカトリックと対立。
スポンサーリンクこうしてプロテスタントが広まった地域では教会を飾る美術が減少傾向となりステンドグラスも減少し、さらにその後は聖堂を飾る美術の中心は絵画や彫刻へと移り変わっていってステンドグラスは一時衰退。
しかしながら18世紀以降に中世の建築や芸術を復興させて職人による手仕事の価値を見直そうとする動きが広まった事でステンドグラスは再び脚光を浴びる事となり、教会だけではなく住宅のインテリアにも採用されるよう変化。
この流れは日本にも影響を与えて明治から大正にかけて西洋建築が広まった事で屋敷の窓や扉にステンドグラスが用いられるようになって日本人にも親しまれるように。
最後にステンドグラス研究50年の木俣先生が感動したステンドグラスを一挙紹介。
【フランス・ストラスブール大聖堂 西正面バラ窓】
直径13m以上の巨大なもので幾何学模様や植物のデザインが取り入れられているだけで聖書の内容的な要素は一切なし。これは自然自体が神の力の表れであるという神秘的な生命感を感じさせる点が木俣先生お気に入り。
【ドイツ・ケルン大聖堂】
第二次世界大戦で破損して仮のガラスが張られた窓を2007年にドイツの現代アートを牽引するゲルハルト・リヒターが新たにデザイン。
並べられた1万枚以上のグラスでモザイク模様が描かれたステンドグラスは中世に使われていた色を元にした72色で表現されていてコンピューターによって色の配置に偶然性を取り入れたうえでデザイン。
この現代アートとの融合については人間の意思や意図を超越した存在を不規則性によって表現しているという木俣先生の見解。
ちなみに木俣先生はシャルトル大聖堂に数えきれないほど何度も訪れているそうで、最近の修繕工事でステンドグラスの汚れが落とされて教会内が明るく照らされるようになった事に対してかえって寂しさを感じていたそうですが、800年前の本来の姿が蘇ったと考えればときめきを感じたというこぼれ話で3問目は以上。
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