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東京タラレバ娘 第1話 原作との違いや細かい演出とか。前半


漫画原作のドラマ化ということで、東村アキコさん作の「東京タラレバ娘」第1話の放送がありましたね。そこで、元となった原作漫画との違いや演出手法について少々書いてみたいと思います。

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漫画原作について

原作の第1巻の巻末漫画によると、この漫画は作者の東村アキコさんの周りにいたアラサー、アラフォーの女友達をネタにしてひどいマンガを描いてやろうというかなり強烈な動機から生まれたものだそうです。

実は東村アキコさんは一度離婚され、シングルマザーとして5年間を過ごした経験があり、その後には再婚もしているという経歴の持ち主で、「結婚」というキーワードに対してはあまり良いイメージは持っていないそうです。“結婚=幸せ”という図式には抵抗感があるそうで、「女は結婚しなきゃダメ」とは全く思っていないそうです。

そんな東村アキコさんですが、オリンピックの東京開催が決まったのをきっかけに一斉に周りの女友達(推定15人だそうです)がしきりに結婚したいと必死になっている姿を目の当たりにして、さらにはお酒の席で相談される度に檄を飛ばすのに飽きてきて、だったらいっその事ネタにして漫画にしてやれという事でスタートしたそうです。

タラレバ娘の巻末

この巻末漫画にあるように、坂口健太郎さん演じるKEYに言わせている台詞は東村アキコさんの檄の内容って事ですね。

この辺は昔から作家に人生相談するとロクな事がないと言われる所以ですね。全部ネタにされちゃうよっていう。ただ、散々コケにするような内容だけではなく、心に刺さるシーンもしっかりと描かれてますので人気作になったのも納得です。

登場人物について

吉高由里子さん演じる主人公の鎌田倫子、榮倉奈々さん演じるネイリストの山川香、大島優子さん演じる居酒屋の一人娘の鳥居小雪、坂口健太郎さん演じるモデルのKEY、などが主要な登場人物になりますね。

それぞれのキャラクターについて配役がマッチしているかどうかについては、私は特に問題には思いません。3人全員が、独身・彼氏なしっていう設定は無理があるように思いますが、原作においても、「美人なのに何故か」という設定が出てきますし、そりゃテレビの前の視聴者みたいな見た目の女優さんばっかりで勝負するのはいくら好調の日本テレビでもきついでしょう。

あくまでドラマなので、その辺は理解して楽しむことにしましょう。鈴木亮平さん演じるプロデューサーの早坂哲朗は原作ではもう少しなよっとしたイメージのキャラなので、鈴木亮平さんだと体格が良すぎる所ですが、こちらも全く問題無いと思います。

気になるとしたら、3人の背の高さのバランスですが、流石に榮倉奈々さんがやや高すぎるかなという所と、大島優子さんが小さすぎると言うのが相まって違和感は感じます。

タラレバ娘 ドラマ01

実は原作でも作画がそこまで安定しておらず、シーンによっては三人がほぼ同じような身長に描かれたりする事もあるんですが、大体のイメージは鎌田倫子だけが少し小さくて、山川香と鳥居小雪は高めで下の画のような感じだと思います。

タラレバ娘 001

大島優子さん演じる鳥居小雪は三人の中では一番ちゃきちゃきしてて男性的なキャラクターなので、背が低いとイメージから外れるような気がします。その辺は演出でなんとかしてもらうという事にしましょう。眼鏡で髪型にも特徴があるキャラなので、その辺で上手くごまかせるといいんですが。

あとは、重要な役どころの坂口健太郎演じるKEYですが、原作ではかなりクールな印象で、もう少し冷たい印象を与えるような演技をして欲しかったというのを感じるところですが、注目度の高い役者さんで、しかも好感度も高いであろう坂口健太郎さんにあえてキツイ台詞を吐いてもらうっていう意味では良い配役だと思います。金髪でクールなルックスという点ではしっかり再現されてましたね。

私は、個人的には役者さんが原作のイメージに合ってるか合っていないはあまり気にしない性質で、むしろ演出や脚本について文句があるほうなので大体こんな感じになってしまいますね。

演技の得手不得手に関しても日本の役者さんはほとんど同じようなレベルだと思いますし、元々の出自がモデルだろうが、アイドルだろうが、お笑い芸人だろうがなんだろうが全く気にしません。日本ではとかくドラマの評判=役者の評判のように語られる事が多いのですが、なぜ脚本や演出、監督に批評の目がなかなか向かないのか不思議でなりません。

原作のテイストを生かせているか

漫画原作をドラマ化する場合には、様々な課題をクリアしなくてはいけませんし、もちろん妥協するポイントも沢山出てきます。原作では主人公3人の年齢は33歳となっている所が、ドラマでは30歳の設定ですし、冒頭の初詣のシーンは出てきませんし、いきなりKEYが登場するシーンもありません。

早めに坂口健太郎さんを登場させて視聴者の興味を引き付けたいという思惑があるとは思いますが、原作では3人で管を巻いていたところ、突然現れたイケメンに衝撃的な言葉を投げ付けられてバッサリ切られるという鮮烈さがポイントなのに、これではややインパクトに欠ける内容になりますね。ただ、そうなると坂口健太郎さんの登場シーンが30分近くも遅れるので、その辺を危惧したんでしょうね。その証拠にちょくちょく短い坂口さんのカットを挟んで印象づけようとする作為が見えます。

あと、KEYの初登場シーンで初詣帰りに、優しく「大丈夫?」と声をかけられてときめく幻想を見た後に、現実では冷たく「大丈夫ッスか?」と言われるシーンは原作にはないのですが、このシーンは違和感がありますね。冷たいリアクションを取られたのに、三人は結局ほっこり顔で「初詣のご利益」なんて浮かれています。ここはガクッと来るシーンじゃないんでしょうか。なぜこんなシーンになったのか疑問です。

大事なのは原作のテイストをしっかりドラマに落としこめているかという所ですが、まだ20代の頃に早坂哲朗に交際を申し込まれる回想シーンで鎌田倫子は無下に断ることになりますが、そのシーンは原作とは全く違うものになってますね。

原作ではギャグ要素が入ったシーンですが、ドラマ版では普通に断るというシーンになってます。こういう漫画特有の表現は現実世界では再現しにくいので苦労するとは思いますが、「一度告白を断った事がある」「早坂哲朗は昔はダサかった」という2点を説明するだけのシーンに留めて茶を濁しているという点は残念です。工夫してギャグ要素を入れて欲しかった。

ちなみに、第4出動をかけるシーンでサイレンが鳴り、後ろに消防車が映っていたのはこういう理由からです。

その後に続く、居酒屋でのシーンやおしゃれなお店から鳥居小雪のお店に移った経緯などを説明するシーンでは原作のスピード感やギャグの要素がほとんど消えてしまってますね。原作では傍若無人に振舞って周囲にヒンシュクを買いながらも全く意に介さないように3人で勝手に盛り上がるというシーンですが、ドラマ版では描写が弱すぎます。普通に恋愛話で楽しそうに飲んでる3人っていう感じで全く不謹慎でも何でもない。むしろ微笑ましいぐらいです。

また、3人ともが次々に表情を変えながら会話を展開していくシーンでの役者さんの表情の演技が乏しすぎますね。もっと大げさにやっても良かったと思いますし、コント調になっても構わないシーンのはずです。3人の居酒屋でのシーンはこの漫画の軸となるシーンで、しっかり笑いを取る作りになっていないといけないはずですが、ドラマ版では大人しすぎます。この演出だと漫画原作の魅力が全く表現されていません。もっとおもしろくなるように作るべきです。

早坂哲朗とのディナーのシーンは徐々に倫子が早坂に対してときめいていく様子が上手く描写されていて、原作には無かった笑いのポイントが追加されて良かったですね。ディナー中に振り返る吉高由里子さんの演技はバッチリでした。

タラレバ娘 ドラマ05

黒目が目立つ女優さんなので目が据わった演技はハマりますね。

ディナーの帰り道で二人きりのシーンでは、吉高由里子さんの分かってて分からない振りをする演技が良かったですね。「告白でしょ?告白するんでしょ?早く言って」みたいに。その後に続く「何言ってるの、この人・・・?」的な表情は三白眼になっちゃってて最高です。

タラレバ娘 ドラマ06

「何てこったぁぁぁ」の落ち台詞でしっかりオチがついて完璧です。その後の二人で見つめ合うワンカットは蛇足のように感じます。そのままCMにいっちゃって良かったんじゃないでしょうか。

タラレバ娘06

このシーンでは落雷のシーンも上手く処理されてました。原作では吹き飛んで崩れ落ちていく倫子に対して早坂が追い討ちで「若い子向き」「女心」なんていうキーワードをぶつけていくシーンがあって、それは丸々カットになっていますが、十分に笑える作りになってましたので良かったです。

そんでまた居酒屋の落胆シーンにつながっていくわけですが、頭を打ちつけまくる演技には面食らいました。原作にもこのシーンはありますが、もう少し後のシーンで出てきますので、まさかここで出てくるとは。しかも原作よりも激しいのでかなり攻めた演出になってますね。

タラレバ娘09

次のシーンは倫子が勢いよく立ち上がった拍子に、後ろで静かに飲んでいたKEYに寄りかかってお酒を倒し、それがきっかけで説教をもらうというシーンですが、下手な演出が多すぎますね。

存在を隠しておきたかった為にKEYにニット帽を被せていますが、台詞を言うシーンになると不自然にそのニット帽を脱ぎます。まるで水戸黄門が印籠をきっかけに正体を明かす時のように。こんな下手な演出ならしないほうがマシですし、倫子が立ち上がった拍子に寄りかかるシーンも原作にありません。

タラレバ娘 ドラマ07

原作では傍若無人に振舞う3人の言動にとうとう堪忍袋の緒が切れたKEYが淡々と啖呵を切るシーンなのに、肝心の3人の傍若無人さが表現できてないから、わざわざ寄りかかるシーンを作って怒られるような流れに持っていったに違いありません。前にあった居酒屋シーンでしっかり傍若無人振りが表現出来てないから、こんな下手な流れになったとしか言いようがありません。

タラレバ娘07

さらに、KEYは後姿のまま淡々と批判を展開した後に、サッと振り返って決め台詞の「タラレバ女」というワードできっちり落とすのですが、ここでは常に坂口さんの表情が見える位置にカメラを置いて構図的にもつまらないし、全く印象的に描かれていません。

タラレバ娘 17

しかも、原作ではコンパクトだった台詞が長々と改変されたせいで、原作では切れ味が良かったのに、ドラマ版では嫌味な部分が無駄に強調されて、はっきり言ってくれてスッキリしたという爽快感が損なわれていますね。

原作では終始固まって何も言えない3人の姿が描かれているのに、山川香に反論させるような台詞を追加したせいで、見ていて気分が悪いです。最後にKEYが退散するシーンも台詞回しから颯爽と帰って行く姿など全てが再現できてません。

タラレバ娘 18

ドラマ版では啖呵は切ったけど、バツが悪そうにこそこそとした雰囲気で堂々とした態度は感じられませんでしたが、原作ではもっと格好良く立ち去っていますよ。捨て台詞もさっぱりしてましたし。

かなり重要なシーンなんですが、ダメ演出とダメ脚本が続いてしまったせいでがっかりでした。原作には無かった3人が凍りつくCGの演出は悪くは無いですが、必要なのはそんな小手先の演出ではないはずです。


こんな感じで第1話の前半はここまでです。漫画原作で描かれたテイストからすると、上手く表現できていない点が多くあり、しかも演出や脚本のせいで漫画原作の魅力が半減どころか激減してしまってる印象でした。もっとおもしろく作るべきだし、印象的なシーンはもっと作りこみをしないと、配役は今のところ問題ないように感じますのでもったいないと思える仕上がりとなっていますね。次回は第1話の後半をお送りします。

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