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マスターズのキャディが白いつなぎを着ているのはなぜ?ゴルフ界の伝統やちょっと悲しい歴史も


ゴルフに携わる者であれば誰しもが憧れるメジャータイトルがマスターズ・トーナメント。メジャータイトルの中でも別格と称されるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブを舞台にした夢の大舞台ではゴルファーたちのキャディバッグを運ぶキャディたちの“白いつなぎ”姿も気になる存在。

やけに作業着っぽい服装がマスターズの舞台にはそぐわないような気もしないでもないですが、マスターズのキャディたちが着ている白いつなぎの理由についてそのちょっと悲しい歴史にも触れながらご紹介します。

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白いつなぎの謎

マスターズのキャディと言えば白いつなぎ姿に緑の帽子姿、そして白い(テニス)シューズを履くのがお決まり。※厳密にはシューズは白以外でもOK。マスターズのキャディが白いつなぎを着ている理由

海外では“jumpsuits”や“boilersuits”なんて呼ばれ方もしますが、日本ではざっくりとまとめて「つなぎ」ですね。

実はメジャータイトルを含め、ゴルファーたちが専属のキャディを使わない大会では”大会側がキャディを用意する”のがゴルフ界の伝統・習慣だったという過去があったり。

ところが、この伝統は1970年代には廃れてしまい、今やマスターズ・トーナメントのみがその伝統の残り香を感じさせているという状況。

1983年まではマスターズに出場する全てのゴルファーは”オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブが用意するキャディを使用しなければならない”というルールが課せられており、選手独自の専属キャディの帯同を許していなかったという時代もありました。

そして1982年11月にポリシーが変更され、チェアマンのホード・ハーディン (Hord Hardin)は1983年大会からはゴルファー自身が自由にキャディを帯同させることが出来るようにすると発表。

これは1982年のマスターズ・トーナメントにおいて雨天による遅延の影響で大会側が用意したキャディたちが所定の時間に会場入り出来なかったというトラブルが発生したのがきっかけで、

トム・ワトソンやその他の大会出場プレイヤーたちはこのお粗末なマネージメントにカンカンでホード・ハーディン宛てに辛らつな手紙を送ったというエピソードも残っているほど。

ただ、それでもなおマスターズ・トーナメント委員会はキャディ用の伝統的なユニフォームを着なければならないというルールを維持する事を決定。

そのユニフォームが白い上下一体のオーバーオール(つなぎ)と緑色のキャップ帽、そして白い(テニス)シューズ姿でした。

この白いつなぎと緑色のキャップ帽、白いシューズというキャディのいでたちは何もマスターズ・トーナメント期間中のみのユニフォームというわけでは無く、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブを使用する限りは全てのゴルファーに求められるルール。

コースが閉められる5月から10月を除く期間はキャディたちは必ずこのユニフォームを着なければならないんですね。

ではこの服装ルールが出来た経緯とは一体?

クリフォード・ロバーツのポリシー

オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの初代会長であるクリフォード・ロバーツはクラブのポリシーについて、

「私が生きているうちは、ゴルファーは白人で、キャディは黒人でなければならない。」

と語っていたようで、今の時代ではまず考えられない差別的な発言をしていたという一つの事実。マスターズのキャディが白いつなぎを着ている理由 人種差別がその根底にあるという悲しい歴史

実際にオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブでは1990年まで黒人プレイヤーの会員は在籍を許されず、女性会員に至っては2012年まで許されていなかったり。

要するに非常に人種差別的・女性差別的な閉ざされたポリシーを長らく保持していたという背景があったわけですが、

トーナメントプレイヤーとしても1975年にリー・エルダー (Lee Elder)が初めてアフリカ系アメリカ人としてマスターズ・トーナメントに出場したのが最初でした。

こんな背景もあってかオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ側が用意するキャディは全て黒人に統一されており、

時代を遡ると近隣のコミュニティにおいて金銭的に困窮している人々に仕事を与えるという面もあった事から、

キャディの公式ユニフォームとしてお揃いの服装をさせる事で少しでもスマートに見せるというクラブ側の苦慮もあったとか。

真っ白なつなぎにはそんな意味も込められていたのかと思うとちょっと悲しい歴史を感じるお話ですよね。

つなぎの番号・背中の名前

その他にマスターズ・トーナメントのキャディたちが着る白いつなぎで気になるのがその左胸に記された番号。マスターズのキャディが白いつなぎを着ている理由 キャディの左胸に記された番号について

前年の王者(ディフェンディング・チャンピオン)のキャディバッグを運ぶ栄えあるキャディは必ず番号「1」を付けるのが決まりとなっているのですが、その他の番号については”大会への登録順”となるのがルール。

またキャディの背中には帯同するプレイヤーの姓が緑の文字で貼り付けられるのも伝統的な光景。

というわけで以上、マスターズのキャディが白いつなぎを着ている理由やちょっと悲しいゴルフ界の歴史についてでした。

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