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柔道・大野将平の肉体と技の秘密。NHK「アスリートの魂」から。


リオ五輪柔道73kg級で金メダルを獲得した大野将平が体重無差別で柔道日本一を争う大会、全日本柔道選手権大会に挑戦する模様を密着したNHK「アスリートの魂」が5月6日にNHK BSで放送されました。

自分よりも大きな相手とどう戦うのかを模索する大野将平。そしてその肉体と技の秘密について番組では取り上げられていました。

金メダリストは一体どのようなトレーニングを行っているのでしょうか?

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2月天理大にて

天理大学において乱取りを行っています。

7分一本を十本。対戦相手は主に重量級の相手ばかりです。

速いテンポのスクワットも行っています(オープニングの映像からですので、天理大においてかどうかは不明です)。

柔軟はストレッチポールも使用していますね。

そしてレスラープッシュアップ。足を開いて体をすくい上げるようにして行う腕立て伏せですね。

2014年の全日本選手権

大野将平の全日本柔道選手権大会初出場は2014年。

その時は3回戦で結果的にその年の覇者となる100kg超級の王子谷剛志選手に指導3で破れていたんですね。

以下の動画は2014年 全日本選手権 3回戦 王子谷剛志 VS 大野将平の動画になっています。

力勝負が通用せず、自分の柔道が出来なかったようですね。

ちなみに重量級以外の全日本選手権優勝は近いところからだと2012年の90kg級、加藤博剛選手。1972年の中量級、関根忍となっていますね。さらに遡ると岡野功、猪熊功など。

過去の選手を見てみても85kg以下の体重で優勝というのは未だ成し遂げられていない記録のようですね。

番組では1990年の全日本選手権に75kg前後の体重で挑んだ古賀稔彦の映像が。結果的に準優勝という成績を残しますが、その戦い方は小兵らしいスピードを生かした柔道。

しかし、大野将平のアプローチはあくまで力で勝負する形にこだわりたいようですね。

東海大にて

ここでも重量級の選手を相手に2日間で5分一本の乱取りを20本。

3階級上の学生を相手にしても豪快に投げる大野将平。

初めて組む選手はその技の威力に面食らってほぼ投げられる。

体重差60kgあっても果敢に挑み、引きずるような形で投げる。

上水監督も大野将平の柔道スタイルには賞賛の言葉を。「本当の強さがないと立ち向かえない」

2日間でほぼ全員を投げたのに対して、投げられたのはゼロ。それでも納得していない様子。

2016年の国際合宿ではあのテディ・リネール選手相手にも真っ向勝負。

こちらの海外サイトには内股でテディ・リネール選手を投げる大野将平の写真が掲載されていますね。

こちらの動画では全日本選手権を前にした古賀稔彦氏のお話や、大野将平とリネールの稽古について、さらには大野将平の重りをつけてのチンニング、ダンベルローイングなどのトレーニング映像も。

肉体の秘密

番組ではカプセル型の「ボッドポッド(Bod Pod)」と呼ばれる体脂肪測定装置で大野将平の体を測定。

すると体脂肪は4.5%という数値に。特に減量も行っていない時期でこの数字と言うのはすごいですね。大野自身も「10%ぐらいあると思うんですけど。」とやや戸惑いの様子。

ちなみに使われた装置はこちら:東洋メディック製品情報ページ

大野将平の体は限界まで筋肉でパンパンの様子で81kgから90kg級の選手並みの筋肉量だそうです。

そして部位別で見てみると、右ハムストリングス(太もも裏側)、脊柱起立筋、右外腹斜筋が特に発達しているそう。

姿勢を真っ直ぐに保つ時に使われる脊柱起立筋、組み合った際に相手を止めてコントロールする時に使われる右外腹斜筋、得意の内股、大外刈りで相手を跳ね上げたり、刈り倒す時に使われる右ハムストリングスと大野将平の柔道スタイルにマッチするように鍛え上げられているようですね。

柔道の乱取りなどの練習がそのまま筋トレになっている最たる例といえるでしょう。

伊勢ヶ濱部屋を訪ねる

本番の試合まで2ヶ月という時期に、大野将平が以前から会いたいと思っていた人を訪ねました。

それは横綱、日馬富士。

体重無差別が当たり前の大相撲において小柄な体格ながら頂点にまで立った日馬富士の稽古姿をじっくりと見つめる大野将平。

体や技術を超える力を持つのが「心」と答える横綱。「気持ちだけは負けないようにしておく。実際自分が軽いとは思ってないわけで、力的にも負けないと思っているし。」とも。

日本相撲協会公式ツイッターにこんなツイートがされた事も。

https://twitter.com/sumokyokai/status/410938123791527937

なんでも両国国技館の隣にある日本相撲協会診療所で計測が行われているそう。

今回番組で大野将平が体脂肪の測定に使用した装置は力士も使用しているものでもちろん日馬富士も。ちょっとした共通点でした。

2017年全日本選手権本番

今大会、全出場選手の平均体重は109kg。大野将平はもちろん身長、体重共に最も小柄です。

特別な対策無しに挑んだ初戦、延長戦にもつれる激闘を演じ、9分54秒一本負け。

あくまで真っ向勝負にこだわる大野将平の柔道。

稽古でも何度か手合わせの経験がある対戦相手の池田選手はしっかりと組まないような動きもありながら、大野対策をしっかり立てていたようですね。

この辺は勝ちにこだわるべきなのか、自分の柔道を貫き通すのか非常に難しい所ですね。

エンディングで語られた中学・高校時代の恩師、持田さんの言葉が印象的でした。

「苦しくても絶対にそういった場面から逃げない。オリンピックのチャンピオンの後に“負ける勇気”を持てた彼を誇りに思います。」

大野将平の挑戦はまだまだ続きそうですね。

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