iPS細胞の「i」が小文字なのはなぜ?チコちゃん
26年6月5日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『iPS細胞の「i」が小文字なのはなぜ?』の答えなどまとめてご紹介。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】藤井隆、高城れに
【VTRゲスト】なし
iPS細胞の「i」が小文字なのはなぜ?
1問目の出題は、
なんでiPS細胞の「i」は小文字なの?
チコちゃんの答えは、
あの大ヒット商品みたいに世界に広まって欲しかったから
解説は京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授。
iPS細胞とは2006年に山中教授が発表した体のあらゆるパーツになれる魔法のような細胞の事。
私たちの体はもともとは何にでもなれる状態の受精卵から始まり、そこから成長するにつれて心臓、皮膚、脳などそれぞれの役割を持つ細胞へと分かれていきますが通常だと一度その細胞になった後では他の細胞に変身する事は不可能。
ところが例えば皮膚の細胞に山中教授が発見した山中因子という4つの特別な遺伝子を入れ込む事で皮膚の細胞になったものを生まれた状態に近い細胞へと元に戻す事が可能で、この状態の細胞を指してiPS細胞と命名。
こうする事でもともと皮膚だった細胞が他の臓器の細胞になったり、筋肉になったりと体の様々な細胞へ生まれ変わらせる事が可能に。
当初マウスのiPS細胞を研究していた際、大人のマウスの肝臓からiPS細胞を作り、そのiPS細胞から新しいマウスを作り出し、このマウスが元気に走り回る事も出来たという事実を目の当たりにした山中教授は「こんな事を本当にしていいのか…?」という葛藤に襲われて今もその気持ちは忘れていないとか。
スポンサーリンクむしろ何かの間違いでは?と何度実験を繰り返しても同じように肝臓の細胞からマウスが誕生してしまうので決心がついてこの研究成果に命名をする際にはiPS細胞の親分のような存在のES細胞との関係性にも触れるようなネーミングにしようというのが山中教授の思惑だったとか。
このES細胞とは受精卵が少し成長した状態から取り出したものを元にして作った細胞の事で体のあらゆるパーツになる事が可能。
となるとつまりES細胞は命の始まりとなる受精卵を利用するためにデリケートな扱いが求められるのに対し、皮膚などの細胞を元に作る細胞はより使いやすい細胞という意味にも。
もともとはES細胞と同じような細胞を作ろうとして結果的に生まれて来たiPS細胞なので出来れば「ES」と似た言葉で「●S」のような響きの言葉を探した山中教授。ところがBS、CS、DS、GS、OS、PS、US、VS、XSなど全てのアルファベットは他の言葉に既に使われてしまっていて2文字にするのはあえなく断念して3文字に。
そこで元になるワードとして想定されたのが「induced pluripotent stem cell」でそれぞれはinduced=人工、pluripotent=多能性、stem cell=幹細胞という意味。これらの頭文字を取るとIPS細胞に。
ところがどうしても2文字にこだわりたかった山中教授は当時世間で流行していたアップルの携帯型音楽プレイヤーiPodの表記を見て「これだ!」と思い付き「Iを小文字にすれば2.5文字という事になる」とひらめき。世界中に流行していたiPodのようにiPSも世界に羽ばたいて欲しいという願いも込めてIPS→iPSに。
さらに小文字にした事でiPSという字の並びがかわいく見えるという嬉しい効果も。
ちなみにiPS細胞の前に山中教授のチームが発見した重要な遺伝子のNanog(ナノグ)と呼ばれるものがありましたが、それはもともとECAT4(イーキャットフォー)と名付けた山中教授。
スポンサーリンクそれは外国のチームもほぼ同じ時期に同じ遺伝子を発見していて、彼らが付けたNanog(ナノグ)がいつの間にかワールドスタンダードな呼び名になってしまってECAT4は忘れ去られた呼び名に。これについては山中教授自身も「僕も忘れかけてますから。笑」と自虐するほどのエピソード。
こういった苦い経験をしていたからこそiPS細胞だけは絶対に自分で名付けた名前をワールドスタンダードにしたいという思いを込める事に。その願いは無事に成就してiPS細胞の呼び名は世界中に浸透して笑顔の山中教授。
ちなみに誕生から20年が経って二十歳を迎えたiPS細胞はまさに人間の二十歳と同じで一人前のように見えてまだまだ青い状態と山中教授。実際、研究段階を越えて実際の医療の現場に踏み込んでいく時代に入って来ており、心臓の分野ではiPS細胞から作った心筋細胞シートという素材を使って弱ってしまった心臓の筋肉をの動きをもう一度取り戻そうとする研究などが行われていて、iPS細胞を利用した医療現場での臨床応用が次々に進んでいる状態。つまり先行している分野においてはあと少しで実用化という所。
最後にiPS細胞があれば弱った肝臓が蘇るかもしれないという期待を込めてお酒をどんどん飲んても大丈夫?というスタッフからの質問には「まずは飲み過ぎに注意してください」と至極真っ当なアドバイスを送る山中教授で1問目は以上。
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